以前このページでも紹介していた名古屋の「コメダ珈琲店」が、黒船の如く密かに都内に進出してきてます。
そんな中、週末に開店した三鷹通沿いの上連雀店に行ってみました。
この喫茶店のイイところは、以前紹介した妙なシステム(笑)だけでなく、必ず駐車場があるってとこ。(しかも店のテーブル分はあろうかという台数)
駅に近かろうがクルマで来ることが前提になってる辺りがオフ会向き(笑
まぁファミレスみたいなもんか。
それはさておき、前のコメントではBMWでの試乗記でしたが、その他にもいくつか面白そうなのを味見しました。
印象的にコメントしづらいクルマは敢えて伏せておきますが(爆)、MINI JCWの他に良かったクルマは、Audi TTでした。
Audiはデザインを前面に押し出しつつ、実際の工業的品質が理念にしっかり追従している点が好きなメーカー。
特にアウディのスポーティなオシャレクーペであるTTは、先代のセンセーショナルなデザインもさることながら、正常進化的に昇華された現行デザインもなかなかカッコいい。
ショールームでそのデザインを眺めたことはありましたが、今回は初めて試乗してみました。ホントはTTSが良かったけど、無かったので素のモデルで。。
「素」とは言いつつ、乗ったのは先日ラインナップに加わった2リッターのクワトロ(AWD)。
TTSが魅力的なのはある意味当然だけど、その影で加わった2.0 TFSI quattroが実はダークホースで、それまで3.2リッターV6という重いエンジンでしか選べなかったクワトロが、4気筒2リッターターボで選べるようになったのはグッドニュース。
んで、そのモデルを転がしてきたわけです。
ちょっと長いけどインプレします。
エンジン:
JCW同様、現代の欧州車の流れである過給器付エンジンで、低回転から豊かでフラットなトルクが出る特性。
MINIよりやや高めの28.5kgmという数値だけど、出方は凄くスムーズで、知らないうちに加速していってスピード出ちゃう感じ。JCWが行くぜーっ!ってな感じだったのとは全然雰囲気が違う。排気音は上品かつスポーティで、疲れる感じがしないのがイイ。回さなくても速いけど、なぜか回したくなる衝動に駆られる。その辺の演出は、うーん素晴らしい。。
ミッション:
TTのミッションは、6速Sトロニック。つまりDSG。AUTOモード付2ペダルツインクラッチミッション。
最近遂にポルシェも同様のミッションを採用して、欧州ではスポーツカーにDSGっていうのはもはや当然、って感じになってるね。
そのDSG初体験。(←これが一番楽しみだった)
いろんな先入観をできるだけ省いて乗ってみたけど、まずシフトショックがほとんど無いマナーの良さに驚き。シフトダウンも然りで、ドンピシャに回転合わせをやってのけるのは、タコメーター見てて気持ち悪いくらい(笑
踏み込めば瞬時にギヤが落ちるし、なんかもう、これ乗ったらトルコンATなんか乗れないよ。発進時のギクシャクなんて皆無だし、もう自動変速はDSGだね。ATっていう選択肢はたぶんこの先無いような気すらします。。
じゃあMTと比較してどうか?(このページ見てる人はこれが一番気になるのでは?)
DSGは2ペダルでクラッチ操作が自動なだけで、ギヤをドライバーが選択することももちろん前提になっているのだが、あまりにもシフトチェンジのマナーが良過ぎて、ギヤを変えても変えてる気がしません(爆
あと、機械的な直結感が無いので、ほんの一瞬ではあるけれど、シフト操作をした瞬間から実際にギヤが落ちる瞬間までのタイムラグが、どうしても気になってしまう。たぶんシフト操作による一連のタイムラグはMTと変わらないか、下手なMTよりは速いはずだけど、先に書いた通り全然シフトショックも何も無いので、却ってタイムラグだけが感じられちゃう。
まぁそれでもATのシフトモードなんかと比べるべくも無いキレの良さだけど。。
クワトロ:
アウディのAWDシステム=クワトロ。機構的な特徴とかは省略。
今回の試乗で感じたのは、FF特有の動きの少なさ、ってこと。
例えば、交差点を曲がる時とかに加速しようとすると、ハンドルが重くなってその先には外側に荷重が変動していくような感触が基本的にはあるけれど、そういう感触が薄いのだ。
4WD的な特徴があるかって言ってもそういうのも無いし、なんかとにかくニュートラルな感じ。
後で聞いた話では、クワトロは前後駆動力配分を100:0から0:100まで走行中自動的に変化させているとのこと。つまり、場面によって完全FFから完全FRまで変わっちゃってるらしいのだ。それでヘンな特性とか出難いのか。
ちなみにマイナーチェンジ前までのTTのクワトロは、20:80までが限度だった。見えないところでかなり手が加わっているらしい。
乗り心地:
運転するのを楽しんじゃってて、あんまり気にしてない部分なんですが、、(笑
洗練されてるよねー向こうのクルマって。スポーティなのに快適、同乗者の視線も全く気にならないレベル。まぁ街中流しただけじゃよくわかんないですけど(汗
そうそう、シートがなかなか良かった。Sライン仕様でレザーシートだったけど、ホールド感はともかく厚みのあるシートは適度な堅さで、長時間でもいけそうな感じだった。他に乗った他メーカーのがそれほどでもなかったので、突出して良かったような印象が残っている。
デザイン:
外観は置いといて、インパネデザインのことを少々。
僕がアウディで一番好きなのは、このインパネのデザインと質感なのだが、やっぱこれを目の前に置かれると、ドライブするのが嬉しくならないはずがない。
機械的で無機質なんだけど洗練されている。かなりオトコっぽいデザインだけど、汗臭くなくてイイ。
クーペなのに華やかさとは無縁だけど、適度にタイトな室内空間からして、普段着プラスαの気軽な雰囲気も持ち合わせている。
・・・とまぁ、書こうと思えばまだ多少あるけど、数十分の試乗での主な感想はそんなとこかな。
総じて言うと、エブリデースポーツカー的な気軽さが凄く良かった。
ただ、実際にはスポーツカーって言うより、スポーティなクルマって言う方が正しいかもしれない。街中や高速道路で、自分の気に入ったデザインに包まれて、十分な動力性能を盾に転がす使い方なら満足できるけど、ワインディングを積極的に走ったりするような用途なら、例えばエスには遠く及ばない。
DSGがいかに賢くMTよりも速く優れているとしても、自分で全てを操りながらコーナーをクリアしていく快感は、MTで高回転まで引っ張るスポーツカーにかなうことはないような気がする。
TTやJCWに乗った後にエスに乗ると、あぁ〜機械的だな〜っていう感じが凄くする。なんていうか、「素」のクルマを動かしている、そんな感じなのだ、エスは。
シンプルで余計なものが何も付いていない、ドライバー自らが全てを操作して、それに直結している機械が物理的に仕事をやってのける。その結果起こる動作や現象を手の内に把握して、次の操作へと連動させる。
そういう一連の動作ができるのが例えばエスであり、今僕が求めているスポーツカーなのだ・・・(でもデートに使えるクルマは正直羨ましい(核爆
そんなカンジで、いくつかの現代的なクルマに乗ることで、今のエスに乗る自分の立ち位置や、状況や信条が変化していった場合の方向性みたいなものをちょっとだけ確認できたってことで、有意義でした(^ ^
(アウディの写真は、公式HPのDL用のモノをちょいと拝借してます)