最後の登り返しをひーこら登って、北穂高岳山頂到着。山頂は意外と平坦で広かった。
北穂も3000mを裕に越えるので、360°の大展望が広がっていた。
常念。たぶん。
前穂高。奥穂の隣にそびえ立ってる鋭い岩峰。
穂高の名の付く山々の稜線は、かなりの難路揃いだ。前穂の鋭い山容見ても、それは推して計ることができる。
そしてズドンと槍ヶ岳。ここからだと、大キレットの強烈な地形が大パノラマで眺めることができた。眺める分には大迫力でいい景色(^ ^;
手前に道がついてるのが南岳。その手前の赤屋根が南岳小屋。槍ヶ岳の左肩にある大きな小屋が槍ヶ岳山荘だろう。
さすがに疲れを感じたので頂上の縁に座り込み、遮るもののない景色を写真に収めた。
ただ、ここまでの稜線上からの景色も同様に楽しめたので、枚数は控えめ。空に雲もかかってきたので、登頂の余韻もそこそこに下山の準備。
北穂山頂には、なんと山小屋がある。
本当に山頂直下で、山頂から階段を数段降りたとこだから、標高3100mくらいの狭い山の肩に小屋があるから驚く。
しかも崖に張り出すようにしてテラスが。これが有名な雲上のテラスか。既に到着した登山者に埋め尽くされていたが。
さて、この後は涸沢まで下山するだけで、北穂のテン場から約1時間40分の予定だったが、どうも北穂に登り切るので結構脚力を使っていたらしく、今ひとつ脚に力が入りづらくなってしまっていることに気付いた。
こういう状態には下りになるまで気付かないことがあるから恐ろしい。山の事故の大半が下りの際に起きるというのを実感する。慌てて歩いて踏み外し、転倒や滑落を引き起こすことが容易に想定できるのだ。
後ろから来る下山者に道を譲りながら、ゆっくり下山することにした。
運悪く、北穂から涸沢までの道は浮き石の多い岩斜面で、脚の感覚が頼りな道だった。それだけに歩くのには想定以上の時間がかかってしまった。
結局、涸沢までは約2時間。ちょっと情けなかったが、慌てて怪我をしたり事故を起こさないことが重要。時間に余裕がないわけではないのだから、余裕を持って歩くことが大切だと言い聞かせながらの下山だった。
涸沢カールに到着。涸沢小屋で生ビールを頂いた後、テントに戻る。
この日は夜半から雨が降り出し、明け方にはかなりの強さの雨になっていた。
雨の中の撤収が思いやられたが、一向に止む気配はなく、やや弱まった時に雨支度をして意を決して撤収。当初予定より約1時間半ほど遅れて涸沢を出発する。
下山は同じルートで、本谷橋まで下りると雨は止み、そこからは雨具を脱いで歩いた。
横尾からは遅れを取り戻すために、ややスピードアップ。上高地までの平坦な道は絶望的に長く感じ、余計に足取りは早くなる。荷は重かったが、涸沢から上高地まで約4時間半で踏破して今回の山行は終了したのだった。