8月 102019
 

日田から国道212号で山国方面へ。途中で国道496号に乗り換えて、英彦山方面を目指す。
素朴な田舎道から、狭路の山道へ。既に陽は傾いている時間帯であり、山中の路面は薄暗い。

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R496は完全な単独行だったが、尾根伝いを走る国道500号に出ると、急に賑やかになった。
薄暗い道には変わりないが、クルマもバイクも多いため、R496とは走り方も変わる。

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コースのラインを自在に選択しながら、R500を攻略。
県道52号にスイッチすると、それまで山道からは一変、突如、農村風景の中の道になる。

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添田の道の駅で小休憩。揚げたてのかまぼこで小腹を満たして再スタート。
徐々に交通量が増え、大任町を過ぎて国道322号に出る手前で、信号待ちの渋滞の列に捕まる。

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R322を直進し、バイパスで一気に北九州へ。
今回のツーリング最後の街は、小倉である。

これまで門司港に停滞したことはあったが、北九州で停滞したことはなかった。
九州の玄関口である北九州は、九州を訪れる際は必ず通過する場所。
必ず「通過」するだけで、特にこれといって訪れたことがない。せいぜい九州道の小倉の名の付くICで下道に降りて、他の町にまっしぐらというのがいつものパターン。

そんな不遇の都市、それも中心部である小倉の街で今宵は過ごし、ここまで9日間に渡る旅路に思いを馳せよう。

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小倉の中心部に接近すると、道路の車線は増え、頭上にはモノレールに都市高速。
北九州市は、古くからの100万人都市。九州では福岡市に次ぐ規模であることを、まざまざと見せつけてくる。

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小倉の駅前から少し離れたホテルに到着。敷地内に駐車場があることを優先した。
市街地からは少し離れているが、そこまで散歩がてら歩くのも楽しみの一つだ。

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既に薄暗くなりつつある街に繰り出す。
まず向かったのは、ホテルの部屋の窓から見えた小倉城。
派手なビルに囲まれた立地がとてもシュール。景観って何ですか?と言わんばかりの扱いが、却って印象的だ。

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城内に入ってみたが、あちこちでスマホ片手に立ち尽くしている人、人、人。ポケモンだろうか。
毎度思うが、一言も発さず、一心不乱にスマホを見つめる大人たちが集うのは、異様な光景である。

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何かにつけて不思議な小倉城を後にし、川を渡って旦過市場へ。

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小倉でもっとも訪れたかったのが、古くからの台所である旦過市場。
古さと賑わいが同居し、独特の空気感を醸し出す。

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残念ながら、時間帯と曜日が市場が賑わうそれではなかったので、ほとんどの店が閉まっていた。
かろうじて、通りの電灯は点いていたので、色鮮やかな看板が折り重なりつつも、どことなくレトロな情感を醸す雰囲気は楽しめた。

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市街地の中心にありながら、これだけ歴史ある市場が今も残っているのは奇跡的。
都市防災の理由で、いずれは無くなっていく運命にあるのだろうが、それまでに再訪は叶うだろうか。

 

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旦過市場の散策を終えたら、近代的なアーケード街を通り、小倉駅方面へ。
さすがは小倉で、人の数が多い。どの居酒屋も盛況。軽く下見をしながら、駅へと向かう。

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旦過市場の次に見たかった小倉名物。それは小倉駅の駅ビル。
何の変哲もなさそうな、新幹線も停車するJRの近代的なビルの何が見たいのか。
その理由はこれ。

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発射(発車)! と言わんばかりに、ビルの腹から放たれるモノレール。
駅ビルのど真ん中に垂直に突き刺さるように、モノレールの駅が設置されているのが何ともユニークなのだ。
実際、モノレールが発車(発射)していく駅前広場の光景を、真下のペデストリアンデッキで眺めていると、ベタな近未来都市を見るようでとても楽しい。

 

短時間で小倉城、旦過市場、小倉駅ビルを観光し満足した後は、今宵の晩餐。
しかし、目をつけた酒場が連休で休みだったことで彷徨う羽目に。

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昨日から疲れも出ていて、細かく調べる気も失ったので、安酒で済ましてしまうことに。
最後の夜にしては、情緒もへったくれもない。奄美に渡るまでの夜はいずれもいい思いばかりしていたので、ここらでバランスを取ってしまったことになる。

早々に退店した後、締めにうどん屋へ。
北九州は知る人ぞ知るうどんの街である。数あるうどん屋から、小倉出身の子から聞いたことのあったオススメの店へ。

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「資さんうどん魚町店」で食すは、ごぼ天うどん。
べちゃべちゃのうどんに薄い出汁。アツアツのごぼ天が、疲れた胃に優しい。
特にこのやたらコシのないうどんがいい。讃岐うどんの真逆。特に飲んだ後は。

旅の最後の夜にしては、寂しい内容だったが、これも成り行きの結果。
明日は一気に帰路につくのみ。いよいよラスト1日となった。

 

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翌日、大手町ランプから北九州都市高速に乗り、4号線で門司ICへ。関門橋を渡って、九州に別れを告げる。

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以後は、いつものルート。中国道は往路と同様、七塚原SAにて給油。
神戸JCTから新名神経由で名神。往路は混雑で避けた新名神の東側区間に入り、土山SAで2度目の給油ピットイン。

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亀山西JCTから新しく開通した三重県区間で、東名阪の渋滞を回避。素晴らしくスムーズな東西移動が可能になった。

伊勢湾岸から新東名へ。120km/h試行区間も幾度も走っているが、相変わらず、特に周囲のスピードが上がっているわけでもない。
難なくクリアするが、新富士IC手前で原因不明の渋滞。すぐ先で、単独事故を起こした乗用車が、走行車線を塞いでいた。
幸いドライバーに怪我はないようだが、この先も気を抜いたら何が起こるかわからない。気を引き締めて、ラストスパート。

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東京ICには、16時台に到着。
明るい時間帯に、無事帰宅することができた。

 

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平成の時代から令和の時代へ、時代を跨ぐツーリングが終わった。
1年を数えないうちに渡った九州の地だが、その目的が最終的には奄美群島に渡ることにあったことは、スタートしたその時には既に思い描いていたプランだった。

2001年から続けてきたツーリングレポートの中でも、燦然と輝く印象を残してきた2005年の奄美大島ツーリング。
以来、奄美の島にS2000で上陸することが夢であり、それを成し遂げることを思い描いてきた。
今回、時代が変わる瞬間に重ねる旅を実行する上で、それに相応しいテーマは何かと考えていた時、思いついたのが奄美だった。

レポートの最初の投稿で綴った「特別な旅」。
その結果は、天候に恵まれたとは言えなかったものの、加計呂間島という憧れの離島に渡ることも達成されたことで、新しい時代のはじまりの旅に相応しい内容となった。

ひたすら走って、その地でしか見られない風景と文化を味わい、夜は身を埋めて飲んで食べて、翌朝になればまた走って・・・
旅のスタイルが常に変わり続けていることで、過去に訪れた時とはまた異なった楽しみを味わうことができているのは、幸せなことだ。

次に訪れることができるのは、いつのことだろうか。

いつも思うことがある。
いま、この時の旅、このチャンスを楽しまないと、次はいつその機会が来るか、わからない。
時間は容赦なく進み、周囲の環境変化も待ってはくれない。

いまの愛車との蜜月。それは揺るぎない信頼と愛情で成り立っているが、様々な要因で継続することが難しくなることだってあるかもしれない。

だから、いまこの時を楽しむことが大切なのだ。
いつかできる、そのうちできるという発想は、この際かなぐり捨てて、今すぐ行動を起こすのだ。

時は待ってはくれない。
新しい令和の時代は、自らアクションを起こし、この時を楽しむことを追求する時代にしよう。
クルマであれ、仕事であれ、人生であれ。すべてが一つの線で繋がっている。

 

2019年、九州・奄美の旅。
この先、果てしなく続くストーリーの1ページとして。

 

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さあ、新しい旅に出かけよう。

 

・・・ END ・・・

 Posted by at 5:14 PM