5月 142024
 

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3日目の早朝、愛しの島、奄美大島近くを航行中
19年前のこの島へのツーリングが、自分を島旅の虜にした

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出港前の乗船時風景。
今回のフェリーはそれほど大型ではないことから、乗用車と大型車、コンテナ(貨物)の積み込み口が1ヶ所に集中し、内部で階層に分かれるタイプだった。
S2000はその他の乗用車とともに、最上段の3層目へ。ロフト構造とともに、外部に開放された明るい車両甲板というのも新鮮だ。

この構造が、帰路で波飛沫の餌食となる原因だとは、この時点では露知らず。

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鹿児島新港から錦江湾を抜ければ、奄美大島に寄港するまで漆黒の海原を進んでいくだけなので、船内ロビーにて酒盛りタイム。
絶妙に混み合った2等船室は、寝心地が良いとは言えなかったが、19年前の2005年に乗船した奄美行きフェリーの2等船室の惨状を思えば天国のようなもの。

目覚めた時には、既に奄美大島、名瀬港に入港した後だった。
日の昇った海原越しに、加計呂麻島を見る。

平成から令和に変わったその時に訪れたカケロマが、これまで自走で訪れた最南端の地となる。
それを越えた。いよいよ、未知の領域に足を踏み入れていく。

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奄美大島以降、奄美群島の島々に次々と寄港していく。
まずは徳之島。もちろん実際に目にするのは初めて。思いのほか大きな島で、ここだけでも立派な島旅ができそうだ。

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次に沖永良部島。徳之島に比べると、島が平べったく、圧倒的に小さな世界。
奄美群島の島々からは、中高生の団体が乗っては降りていく。部活の試合は隣島まで船で行くのが日常らしい。

また、停泊中はコンテナの積み下ろしが手際よく行われている。
旅客船ではあるが、その実は、島への重要な補給船であるというのが本来の姿なのかもしれない。

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寄港する中で、一番小さいのが、次の与論島。鹿児島県最南端の島である。
次は沖縄本島なので、本島のすぐ北の与論島までは鹿児島県なのだ。
とても小さな島の港は、まるでサンゴ礁の上に造られたかのような、唐突感満載の景色の中の構造物だった。

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船の甲板上から眺める景色は、既にコレである。早くも楽園感満喫。

港に停泊する度に外に出て、段々と鮮やかさを増幅させる景色を楽しんでいたが、目的とする沖縄本島の本部港の到着は夕方。
乗船から約23時間の船旅。洋上なので、携帯の電波は届かない。船内には一応Wi-Fiはあるが、ほぼ使い物にならないので、航行中は外部から遮断される。
船内のアメニティは皆無に等しく、何も対策がなければ、なかなかに暇である。

睡眠で時間を潰すことができる人であれば支障はないかもしれないが、あいにくそういった体質の持ち主ではない。
ただ、船旅には多少慣れているつもりなので、事前の対策は施している。今回はポルシェの雑誌がMVP。定番モノと普段触れない紙面を携えるのがR style流なのだ。

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与論島を出港すると、次はいよいよ沖縄本島だ。
沖縄本島までは、ほぼ丸1日を船上で過ごすことになる。それすらも楽しみに変えて、未知の島の上陸に備える。

16:30頃、沖縄本島中部の本部港に入港。
車両甲板に戻ると、すぐに下船案内が始まった。船はこの後、最終目的地の那覇港に向けて出港する。本部港での停泊時間はほんの僅かなのだ。

本部港に降り立つと、上陸の感慨もそこそこに、真っ白な路面の国道449号を走り出す。

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シーサイドハイウェイを軽やかに走っていると、やがて名護市街に入っていく。
信号待ちの眼の前には、同じ船内で異彩を放っていた沼津ナンバーのベントレーが。

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下船が既に夕刻だったので、この日のホテルは本部港にほど近い名護市内に確保しておいた。
本土でもお馴染みルートイン。その佇まいと内部の設えは、沖縄らしさなど微塵もない。(謎の屋上露天風呂は異様だが)
沖縄らしさの堪能は明日以降と割り切ったうえでの、敢えての選択である。

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上陸して間もない沖縄だが、その違いを身を持って知る。
雨が降っていたわけではないと思うが、空気のまとわりつき感が本州のそれとは全く異なる。
この日の名護の最低気温は25℃。昨日出てきた九州での最高気温と同じくらいである。体感が全く異なるのは当然だろう。

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ホテルにチェックインしたら、近所のレストランへ。初日から、沖縄名物のステーキ!
沖縄に来たら、本場?のステーキと沖縄そばは絶対に堪能したいと思っていた。
人通りのない海岸堤防沿いのステーキハウスが至近距離にあるからこそ、敢えてのルートイン選択だったとも言える。

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名護市に工場があるオリオンビールで喉を潤し、塊肉のステーキを食す。
ミディアム・レアに仕上げられたビッグサイズの肉塊は、食べごたえたっぷり。沖縄の人はこんなものを日常的に腹に蓄えているのだろうか。

とはいえ、赤身のヒレ肉はまったく油っ濃さがなく、意外とペロリと平らげてしまった。
飲んだ後のシメに、ラーメンではなくステーキを食べる文化があるのは那覇周辺だけと聞く。
沖縄本島最北端の市である名護市においても、レベルの高いステーキに巡り合うことができて、初日から大満足。

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ステーキに満たされた後に立ち寄ったホテル隣のコンビニ。
コンビニ自体は本州のそれとまったく同じだが、入っている建物が一風変わっている。

店や道路は本州のそれと変わらないのに、建物ひとつひとつが独特の特徴を携えている。
多くはコンクリートでできていて、軒が異様なほどに深い。それが密集した街路景観は、日本で見慣れたそれとはまったく異なっている。
むしろ、かつてマレーシアをはじめとするアジアの各国で見た風景に近いと感じた。

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更に隣のハンバーガーショップに至っては、ガソリンスタンドの如き複数台対応のドライブスルーと大きな駐車場。その風景は、むしろアメリカのようでもある。
アメリカの風景とアジアの風景が降り混ざり、そこに日本のクルマが往来しているという得体の知れない景観。熱帯を思わせる空気感が、それを助長する。

あまりの異景に、感覚中枢が刺激されまくり。
初日から、この味の濃さ。いったい明日からはどうなることやら。

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5月 102024
 

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初日は恒例の大移動。
前日、気合を入れ過ぎたのか、予定より早く目覚めてそのまま出発。夜中の東名高速道路を西進する。
長期の連休につきものの渋滞に遭うこともなく、予定通り新名神高速道路/土山SAにて最初の給油&休憩を実施する。

その後も至極スムーズに距離を重ね、昼前には第二給油ポイントである中国自動車道の広島県内陸部の区間に到達した。
GW初日とは思えないスムーズな工程。このままだと、予定していた停泊地に想定外に早く到着しそうだ。
走りながら作戦を練った結果、通常の給油ポイントである七塚原SAを通過し、次の安佐SAにて給油を行うこととした。

九州に上陸後、九州自動車道/北九州JCTで東九州自動車道にスイッチする。
当初の予定では、九州道を直進するつもりだったが、予定変更。時間を読みながら、走りつつ頭の中でルートが組み上げるのも、ツーリングの楽しみの一つ。
濃霧の可能性ほぼ100%の大分自動車道合流地点は本日も濃霧で、これを初めて東へ行くルートを取り、湯布院ICで高速を降りる。

湯布院からはお馴染み、やまなみハイウェイ。ツーリング初日から、贅沢ツーリングルートを選択したわけだが、残念ながら降雨で路面はヘビーウェット。
しっとりと濡れる森が美しく、雨天でもそれなりに楽しめるワインディングではあるが、やはり晴天であることに越したことはない。
淡々と走り続け、阿蘇の外輪山でミルクロードへ。

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真っ白で何も見えない外輪山の尾根を行く。

おっかなびっくり走るクルマの餌食となって、ゆるゆると麓へ降り、大津で国道57号に合流する。
この日最後の給油を済ませて、熊本の街へ。この日の停泊は、数年前の九州ツーリングでも利用した熊本城近くのホテルだ。
初日から1,300kmの距離を走り切ったS2000を地下の駐車場に駐車したら、夜の繁華街へ。

熊本の街は、どうも相性が悪いらしい。1,300km走破を慰労する店がどうしても見つからないのは、この日が初めてではないからだ。
地方都市のGWは空いた席を見つけるだけでも難しいのはいつものことではあるが、この日は徹底して難しかった。
1時間彷徨い歩いて、ようやく入った店もテンションが上がる要素はなく、早々に退散。観念して寝床で体力回復に務めることとした。

・・・・・・・

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2日目は、国道3号を南へ。
氷川で国道443号にスイッチし、すぐに県道25号に入る。
五木村へと続く峠道であるK25は、昨年の種子島ツーリングでも走った道。九州の中でもお気に入りの長大ワインディングのひとつ。
九州自動車道が並行しているため交通量は少なく、コーナーの種類も多岐に渡って走って楽しい良道である。

五木村からは国道445号で大きな谷間を南下し、人吉市街へ。
コンビニ休憩を挟んだ後、国道221号で宮崎県へ。えびの市街からは、広域農道「みやまきりしまロード」を行く。
いつもなら県道30号で霧島超えを図るが、毎度同じルートになるので、今回はバリエーションルート。

国道223号で霧島温泉郷。これを南下すれば、ここ最近毎年のように訪れている定宿がある妙見温泉だが、今回は触れずに鹿児島空港方面へ。
溝辺鹿児島空港ICからは、九州自動車道。フェリーの乗船受付時間が近付いてきたからだ。

鹿児島ICまで走れば、混雑する鹿児島市街までの道をショートカットすることができる。
沖縄航路のフェリーターミナルがある鹿児島新港までは、実にあっという間だった。

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桜島を望むターミナルで、乗船手続きを行う。
18:00出港であるにもかかわらず、乗船受付は15:00まで。沖縄航路は、途中いくつもの寄港地があるため、下船する港によってクルマの積み込み順序があるようで、受付時間が早めに設定されているようだ。
貴重なツーリング時間を浪費する待ち時間が長くなりがちなのがカーフェリーだが、他に手段がないのだから仕方がない。

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受付が済んでも時間はたっぷりあるが、大きく羽根を伸ばすほどの時間ではない。
鹿児島市街を軽くドライブし、コンビニで買い出しを行った後に、再びフェリーターミナルへ。
ちょうど車両の積み込みが始まる時間となっていた。

鹿児島発の沖縄航路は、マリックスラインと、今回乗船するマルエーフェリー(A”LINE)の二社が運航している。
いずれの会社も1日おきに出港しており、二社で互い違いに運行しているため、結果的に毎日船が出ていることになる。
予定を検討する際、これに気付くまで、自由に行程が組めずに難儀した。

今回の日程では、往復ともマルエーフェリーに乗船することとなった。
さすがにクルマごと沖縄に行くような輩は、GWとは言えどそんなにいないだろうと高を括っていたが、思いのほか大勢・・・
しかも車旅というよりは普通のクルマが大半。かかる時間もコストも日本一、と言っても過言ではない沖縄航路に、これほどの需要があったのは意外だった。

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低床車としてトラック同等の扱いを受けるのが常だが、今回のフェリーではまったくその素振りもなく、乗用車としての扱いを受けることができた。
客席は2等であるが、指定席で安心感がある。なにせ、23時間もの船旅である。船室環境は重要だ。

かくして本土を離れ、沖縄の島へ。
S2000で走る沖縄。いったいどんな体験が待っているのだろうか。

 Posted by at 11:32 PM
5月 062024
 

全国各地のワインディングを楽しみながら旅をする。
R styleではそれをツーリングと称して、早20年以上が経ちます。
日本全国の様々な場所に自走で訪れ、その場所にしか無い地形とワインディングで、数々の感動を味わってきました。

数多くの地域に訪れ、もはや足跡を残していない場所はない、と思われることもしばしば。(実際はそんなことないですが)

ただ自分の中では、どうしてもやりたくてもできなかったツーリングがひとつだけ、ずっとひとつだけありました。
それは夢見るだけで、どうしても叶わない夢のよう。
時間とコストという現実的なハードルを考えると、いつも夢は覚め、正気に戻ってしまう。

 

このまま、夢のままで終わらせてしまうのか。

もしかすると、気力と体力が紙一重で両立している、かつ時間のコントロールができる、今しかないのでは・・・

 

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2024GW OKINAWA Touring

 

夢のTouringは、遂に現実のものとなる。

R style開始から20年以上の時を経て、最後のピースである「47番目」に足跡を残す旅を、いくつかの写真と共に記録します。

 Posted by at 9:58 PM