5月 192024
 

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Beach Uppama

上陸の翌日、いよいよ本格的に沖縄本島を走り出す。
名護から、まずは今帰仁(なきじん)方面へとS2000を走らせる。

ルーフはもちろんオープン。まとわりつくような湿気が、容赦なくコックピットに入ってくる。

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市街地を県道を頼りに抜けていく。
上陸直後から、見る青看がほとんど剥げていて用を為していない。これが沖縄スタンダードなのか。
ただでさえ解読が難しい地名を、看板でも判別できないので、想定のルートをトレースすることだけでも難易度が高い。

ナビという文明が存在しないR styleの世界では、ツーリングマップルが必需品。
2024年度版を新規購入し準備万端だったが、こと沖縄のページに関しては、縮尺が小さ過ぎて、市街地の中の道を判別するのは相当難しい。(一度見てもらえればわかるはず)
名護市内のルーティングの難しさもなかなかのもの。郊外であれば問題はないが、本島南部ではどうなることか。。

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県道72号で今帰仁村の中心部を過ぎ、両脇に農地が広がる道を行く。
これだけ見てると沖縄感はそれほどないのだが、異国感があるのは民家の佇まいの方である。
本土とは全く異なる鉄筋コンクリート造の町並みが、島旅の情緒を刺激する。

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K72をずっと走っていたら運天港に出て行き止まってしまったので、近くの展望緑地のようなところに来てみた。
展望台から、崖下の海原に横たわる長大な橋を一望。

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今回の沖縄ツーリングは、本島とそこから陸路(橋)で行ける島々に限定して巡ることをテーマに据えていた。
まずは本部半島北部に浮かぶ古宇利島へと渡る。

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古宇利島へはまず屋我地島に橋で渡り、そこから古宇利大橋で渡る。先程、展望台から見た橋が、その古宇利大橋だ。
ほぼ円形の古宇利島へと渡る橋は全長1,960m、2005年に開通した通行無料の橋。
観光素材として申し分のない絶景ロードの反面、思い切り生活道路のようで、地元と思われるクルマが行き交っている。

薄曇りから時折日が差す天候で、ターコイズブルーの海面を疾走する快感を少なからず味わうことができたことは幸運だった。

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古宇利島を一周し、再び橋を渡って、屋我地島経由で国道58号へ。
R58を北の方角に進路を取ると、やがて大宜味(おおぎみ)村に入る。

国道沿いにある道の駅「おおぎみ」で、最初の大休憩。
比較的新しい道の駅は、開店前の時刻だったので、缶コーヒーを飲みながら少しの間だけ待つことにした。

沖縄県の道の駅は、全部で10箇所。全て沖縄本島にある。
道の駅ハンティングをツーリングの楽しみの一つとしている身としては、今回、全ての道の駅に立ち寄ることを目標としていた。
滅多に来ることができない沖縄、いま存在する駅だけでも、足跡を残したい。

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道の駅「おおぎみ」の次は、道の駅「ゆいゆい国頭」へ。
国頭(くにがみ)村は、沖縄本島最北端の行政区域。いわゆる「やんばる」と呼ばれる地域の中枢だ。

その「やんばる」に向かう表のルートが、国道58号。通称「ゴッパチ」である。(と聞いた)
R58(ゴッパチ)は、鹿児島県鹿児島市と起点とし、沖縄県那覇市を終点とする一般国道。
総延長約880kmで、国道4号を凌ぎ日本一長い国道だが、そのうち約600kmは会場にあり、大半がいわゆる海上国道ということで有名だ。

鹿児島港から種子島と奄美大島、沖縄本島を縦断して終点に至る。
昨年GWに種子島を走り、過去に2度奄美大島を走っていることから、今回沖縄本島のR58を走れば、自走が可能である範囲でほぼ走り切ったことになる。

そんな感慨を感じながら、快適なシーサイドルートを行く。
国頭村の中心を過ぎると、周囲を走るのは明らかにドライブ&ツーリング目的のクルマ&オートバイばかりとなり、快適なクルージングが続く。

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そしてたどり着くのは、沖縄本島最北端である辺戸岬。ゴッパチはこの先の漁港まで延びているが、この岬付近が本島最北地点となる。

沖縄本島は南部に人口が集中しており、北部は言ってみれば未開の地。賑わう沖縄本島のイメージからはかけ離れた、自然豊かで静かな場所だ。
その中で最北端となる岬には、思いのほか多くの人達で賑わっていた。オートバイも多いことから、地元のツーリング目的地としても愛されているのだろう。

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S2000を降りて、花と緑に囲まれた散策路を行く。

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太古の昔、溶岩が流れ出て冷えて固まったかのような地形。沖縄と火山は結びつかないが、島である以上、そういった地形的歴史はあるのかも知れない。

辺戸岬はとても眺めが良い。
海の向こうには、与論島が見えた。昨日寄港した、最後の島だ。

眺めが良い代わりに風も強く、なかなか長居はしづらかった。
ならば休屋に寄ってみようということで、海の家のような開放的な建物を覗いてみる。

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軽食コーナーのメニューを見て、腹の虫が鳴ってしまった。
大宜味の道の駅でジューシー(沖縄の五目飯みたいなやつ)のおにぎりをかじっていたが、どうにもその誘惑には勝てず。

注文したのは、沖縄そば。三枚肉のトッピングにインパクトがあるが、あっさりスープが何とも心地良い。
暑い日差しを避け、岬から流れる風を身体に感じながら食すソウルフードの味は、格別なものがあった。

・・・・・・・

辺戸岬からは、島の東側に回り込む。
奥という集落で、道はR58から県道70号に切り替わる。
ここから今度は島の東海岸沿いに何かを続けるわけだが、このルートのドライビングプレジャーが半端なかった。
あまりにプレジャー過ぎたものだから、写真がひとつもない。なので雰囲気のみ。

南北に細長い沖縄本島は、東側と西側でまるで様相が異なる。
西側が表で、東側が裏。ぱっと行って感じた印象は、まさにそんな印象だった。
ウラである東側の島北部は、まさに未開の地。密林の中を、道がウネウネと続く。

シーサイドビューが素晴らしいR58に対して、道からの眺望はほとんどない。
却ってそれが、ドライビングに没頭させる要素となっている。

この「やんばる」と呼ばれる島北部には、ヤンバルクイナをはじめとする固有種が豊富らしく、島で原初の自然が残る貴重な地域となっている。
ロードキルを発生させないように、厳重な注意を払っての走行になるが、それを差し引いても、島内でドライビングを堪能できる随一のエリアだ。

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爽快な走りに没頭していると、道の駅があった。道の駅は路上に案内板が必ずあるが、ここにはそれがなく、危うく通り過ぎるところだった。
クールダウンを兼ねて小休憩とする。

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道の駅「やんばるパイナップルの丘 安波」は今回行った道の駅の中でもっとも新しい道の駅だった。
道の駅の名前にもなっている、特産のパイナップルを使用したスムージーで火照った身体を冷ます。

安波から先は、更に内陸に入り込む。右へ左へ大きく弧を描くコーナリング、コーナーが続いた後に現れる豪快なストレート。
道路に覆い被さる南国の密林の中に、軽やかに回るF20Cの乾いたサウンドが響き渡る。

視界が大きく開いてくると、車窓の右手側に厳重に巡らされた柵。広大な米軍の演習場が続く。
道端に民家はほとんどなく、交通量も極小。前走車に出会っても、すぐに譲ってくれるので、多くの区間で単独行が楽しめた。
交通量の多い沖縄本島の道の中では、奇跡的なドライビングヘブン。ドライブ中のGoPro動画を見返して楽しめるのだから、間違いはない。

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東村の道の駅で、OKINAWA driving heaven K70はいったんの区切り。国道331号にスイッチする。
少し走るとマングローブ公園があったので、立ち寄ることにした。

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慶佐次川のヒルギ林。ヒルギとは、潮の満干の関係で海水と淡水が混ざり合う河口付近に植生する植物で、マングローブ林の中心になるもの。
ここでは、オヒルギ、メヒルギ、ヤエヤマヒルギの3種類のヒルギが見られるのが特徴のようで、特にヤエヤマヒルギはここが分布の北限だとか。

慶佐次川に沿って遊歩道が整備されているので、少し散策することに。
ちょうど潮が引いた後で、露出した川の底面には、小さなカニがおっかなびっくり歩き回っている。

30℃近い気温と高止まりの湿度で、長時間歩き続けると想定以上に体力を消耗しそう。
ある程度まで歩いたところで引き返すことにした。

・・・・・・・

既に昼の時間を大きく回っているが、このまま走り続けると、本日の停泊地には早めに着いてしまいそうだ。

沖縄に上陸して実際に走り出すまで、島の大きさ、距離感が全くわからなかった。
やんばる地方をぐるり周回するルートを取っているのだが、果たしてそれがどれほどのボリュームなのかが今ひとつ掴めずにいた。
実際には、本日ここまでで約150km。名護を起点に往復すると約200km、というのが走ってみての実際の距離感だった。

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それはさておき、事前の予報では雨天の可能性が高かったにも関わらず、この晴天。
明日からも天気はあまり良くない予報なので、この機会を無駄にする手はない。
せっかく沖縄に来たのだから、ビーチのひとつくらい味わっておきたい。

というわけで刹那的にノーズを向けたのは、慶佐次のウッパマというビーチ。
案内看板に記載されていたウッパマという語感に惹かれた、というのが動機だったので、それ以外に情報は何もなかった。
案内の通りに集落の先の、農地の中を抜けたその先に、ビーチへと続く抜け道が。

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その先に広がっていた景色に、思わず息を呑んだ。

白砂にターコイズブルーという、沖縄の海として思い描く通りの色彩。
ビーチという割には何の設えもなく、人工物が一切ない自然そのままの景色が眼前に広がっている。

砂浜には遠くでタープを張っているグループが1組いるのみ。ほぼ貸し切りと言っていい状態。なんということか。

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ただぼーっと突っ立っているのが勿体無く、ビーチでカフェタイムとすることにした。
ツーリングのお供に携行しているコーヒーセットを、S2000のトランクから引っ張り出す。Helinoxのチェアとテーブルも。

陽光を遮る木陰はこの上なく気持ちが良く、いくらでも長居ができそうだ。
心地良い風は携帯性優先の超軽量ストーブにはやや厳しく、適温の湯が沸くまでやや時間がかかったが、待つだけの時間が無駄だと思うことは一切なかった。

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ドライビングシューズをサンダルに履き替え、波打ち際へ。
恐ろしいくらいに澄んだ海に素足を浸してみる。いくら年を取ろうが、波打ち際では無邪気な心に帰ってしまうものだ。

ウッパマでのひと時は、この旅の中でも指折りの時間となった。
想像を超えた鮮やかな色彩だけでなく、その時の空気感や時間の流れも含めて、記憶に刻まれる光景となるに違いない。

・・・・・・・

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ウッパマでかなりの時間を過ごしたことで、この日の残りのルートは自ずと決まった。
R331を南下し、国道329号にスイッチして、宜野座(ぎのざ)村を目指す。

途中、極めて物々しいエリアを通過する。辺野古地区である。
大勢の警備員が、微動だにせず道行くクルマを睨みつけている。

沖縄を知るとき、見過ごすことはできない基地問題。
恥ずかしながら地理感がまったくなく、このとき初めてここにある、ということを知ったのだが、実際の状況は、この国と沖縄の現在の姿を強烈に示しているような気がした。

宜野座の道の駅に立ち寄った後、県道104号で西海岸へ。R58を名護方面に走り、幸喜ビーチにあるホテルに滑り込む。
既に夕刻となっており、ビーチ兼ホテルの駐車場はあらかた埋まっていたが、運良く空きを見つけて駐車することができた。

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いわゆるリゾートホテルの類だったので、周囲に街はなく、夕餉の選択肢はほとんどなかった。
ホテルに着く前に、ホテル前の居酒屋に連絡してみると、テーブルがひとつだけ空いていた。

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時間通りに行くと、カウンター以外は既に満席。奥のロフトの席に通された。
席数は限られているが、フロアに余裕があり、ゆったりできる雰囲気。
幹線道路沿いという立地だからなのか、街中ではないからなのかわからないが、開放感があって雰囲気のいい店だ。

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意外と言っては失礼なのだが、料理がとにかく美味だった。何を頼んでも想像以上のものが出てくる。
↑は島らっきょうの和物。島らっきょうって、こういう料理で出てくるのを初めて見たが、これが酒に合うこと合うこと。。

この他にも極上のツマミのオンパレード。ヤバい店に来てしまった。

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冷たいオリオンビールで、この日のオープンドライブで干上がった身体を潤した後は、いよいよ泡盛祭り。
沖縄に来たからには!ということで、普段飲むことのない泡盛を銘柄ごとにいただく。何が有名で定番なのかさっぱりわからないので、そこは語感と勘で。。

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ホールのお姉様方も、明るく元気でとても心地が良かった。
沖縄は食も酒も、想像以上に楽しめそう。翌日以降の市街地編も、にわかに期待が膨らむ。

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ホテルは外国人向けの大雑把さで、まぁこんなもの?という感じだったが、贅沢は言うまい。
道の駅で調達した海ぶどうをつまみつつ、地図片手に明日の作戦を思い描き、夜は更けていく。

 Posted by at 10:40 PM

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