8月 282016
 

2016 08 27 36

徐々に近づきつつある迷走台風の影響で、この週末は雨。
こんな日はツーレポを集中執筆するチャンス(笑)ですが、せっかくなので普段あまりしない話のひとつでもしてみましょう。 

現在連載中の道東ツーリングを含め、ツーリング時に携帯している写真機材の話。
長らく読んでいただいている方なら覚えているかもしれませんが、Canon EOS 5D Mark II というモデルを使用しています。
もう何年使ってるかなぁ・・・わかんなかったので調べてみると、2009年最初のツーレポから使用してました。つまり7年以上ですか。
モデルサイクルの早いデジカメにしては、非常に長期間使い続けていることになります。

購入当時、思い切ってフルサイズにしたことによって、長い期間使用できてるってのはありますね。
数年で買い換えるくらいなら、当面の間は本体を買い換えないで済む選択をした結果。これは正解でした。
その後、後継機(Mark III)が出て、つい先日更なる後継機(Mark IV)が発表になっています。
それでも、2世代前のコイツでもまだまだと思わせるくらい、タフで奥の深いメイン機となっています。

その5DIIと一緒に使うレンズなのですが、長らく2本で運用してきました。(単焦点も何本か持ってるけど、ツーリングには携行しないので)
ひとつは本体と同時に購入した、キットレンズの「EF24-105mm F4L IS USM(FIATのステッカー貼ってるやつ)
もうひとつが、いつの間にか手元にあった?通称バズーカこと「EF70-200mm F4L IS USM(MARTINIのステッカー貼ってるやつ)
いわゆる標準ズームと望遠ズームの2本で、これ以上レンズにはお金をかけずに、クルマの維持費に回す方針でやってきました。

ただ、いくつか不満があることはありまして。

広角の絵は基本的にあまり必要としなかったのですが、、
5DIIを導入する前にメイン機だったキスデジの時に使っていた、10-22mmの面白さを思い出してしまうことがありました。
道北ツーレポの北太平洋シーサイドラインの回で、過去にフォトコンテストで入賞した時のことを書きましたが、思い起こせばあれも10-22mmの絵でした。
10-22mmはAPS-C専用レンズだったので、フルサイズ移行の際に親父に譲ってしまい、以来広角レンズは使っていません。

また、標準ズームの24-105mmが、Lレンズの割に甘々なのが、ずっと気になっていました。
一番よく使う領域のレンズなのに、肝心の絵がピリッとしない。70-200mmがキリキリっとシャープなので、余計にモヤモヤ感が。。
レンズ前面がせり出してくる設計もイマイチ。かなり古い設計のレンズなので、致し方ない気もしますが。。

そんな不満もありながら、のうのうと使い続けてきましたが、先日遂に掟を破って、これらをカバーするもう1本を導入してしまいました。
それが上の写真で本体に装着している「EF16-35mm F4L IS USM」です。 

いわゆる広角ズームのF値4通しのモデルで、2年ほど前に発売された比較的新しいモデル。
軽量小型、防塵防滴という、自分の使い方に最適なスペック。
さらに現状の2本にない画角と、開放から思いっ切りシャープという24-105mmにはない特性が、上記の不満点を解消してくれると考えたのが最大の導入理由。
確かにこれだと35mmから70mmの間は相変わらず甘々な状況は続きますが、それはおいおい解決するとして、、まずはシャープな広角域を手に入れることとしました。

不足はあるけど、F4通しで16mmから200mmまでカバーできるようになりました。
個人的にはこれまで望遠域の方を重視してる傾向にありましたが、広角にも挑戦していければと。
クルマ入れて撮るのは難しそうですが、一風変わったイメージの絵も織り交ぜていければと思います。

 Posted by at 9:08 AM
8月 272016
 

2016 08 27 15

ルシャ海岸の後にカメラの設定を変更したことで、より現実に近い色合いの写真になっているので、後編として特集します。

またまた奇岩奇景の連続。
非日常の景色とはいえ、ずっとこればっかりだったら飽きもそうだが、これがまた飽きないのである。
何度も来れるわけではない希少性が、そう感じさせるのだろうか。 

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断続的に現れる絶景を堪能し続けて、さすがに感覚がマヒしそうになってきた頃、いよいよクライマックスを迎える。

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知床岬

出向から1時間半。遂に知床半島の突端に到達。初めて目にする知床岬である。

岬はなだらかな丘陵になっていて、先端を見下ろす位置に灯台が立っている。

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灯台は、世界遺産登録時に立て替えられたそうだ。
それまでディーゼル発電だったのが、太陽光発電に切り替えられている。こんなに雲の多そうな場所で、ちゃんと発電できるのだろうか。
光源はLED。灯台も進化しているらしい。

突端に来たものの、周囲の分厚い雲はまったく晴れる素振りも見せず、却って更に濃度を増してきて覆いかぶさってくるかのようだ。
晴れていれば、間近に国後島が見えているはずだが、それも叶わず。残念。

初めての到達で、もっと感動するかなーと思ったら、意外なほど冷静にあっさりと捉えている自分がいた。
やっぱり自分の足で来なきゃなー。足って言っても歩いてというだけではなく、運転して、あるいは船漕いで(笑)来て初めて、爽快な到達感が得られるような気がする。
ま、知床岬には常識的にはこの方法しかないから仕方ないけど。それに、快晴だったらまた違った印象を受けたかもしれない。

2016 08 27 23

大型船も追いついてきたので、クルーザーは踵を返して、再び波を切り始めた。
帰りは一直線に進むらしく、スピードを上げて沖合を一直線に行く。船体後部の屋外席に巻き込んでくる風が冷たい。

ぼんやり海面を眺めていると、イルカの群れが海面を跳ねていく。
咄嗟にカメラを向けるも間に合わず。再びクルーザーのエンジン音だけが鳴り響く時間が流れていく。 

2016 08 27 24

ルシャ海岸では再び、クマの姿を探して海岸近くを進む。先ほどの親子グマの姿は、既になかった。
ちなみにこのルシャ海岸が、知床岬クルーズでの一番のヒグマ遭遇ポイントで、この時期はかなりの高確率で見ることができるらしい。
たった1組の親子連れのヒグマだったが、見ることができてよかった。(ドライブ中は絶対に遭いたくないが) 

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ルシャ海岸以外は、とにかく一直線に帰る感じ。往路は断崖の近くに寄りながら、間近に奇景を楽しんだりして時間を忘れることができたが、復路はひたすら長い。
海上の風は冷たく、時折雨粒が落ちてくることもあり、体感上はかなり寒い。乗船時は全員船上に出ていたが、一人、また一人と船内に避難していく。
防寒用に持参した上着と、雨具代わりのアウターを着て臨んだので、ずっと外にいても問題なかったが、夏服のままだと耐えられるものではなかった。

外に出て間近に秘境の空気に触れることに意味はあるにしても、この天気だと少々忍耐が必要かもしれない。
それに、やっぱり晴天の光り輝く岬を見たかった。

・・・・・・・ 

約3時間の航行を終えて、ウトロの港に到着。身体は完全に冷え切っていた。

ウトロの道の駅で支度を整えてから出発。
国道334号を走り出すと、既に本降りになっていることに気が付いた。船上でこの雨に遭わなかっただけでも良かったな。

途中どこにも寄る気がしないまま、斜里方面へ。
斜里の街中にある道の駅に着いた時、どこか身体の調子がおかしいことに気が付く。
長時間冷風に身を晒したからだろうか。実はこの前の週に熱を出していたため、ぶり返したのかと思い焦った。こんなとこで寝込むわけにはいかない。

斜里の街中でドラッグストアを見つけたので、薬とドリンク剤を購入。
以前ならこんなことはなかったのだが、一度体調を崩すとなかなか全快できないのがもどかしい。トシだな。

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斜里から国道244号へスイッチ。
小清水原生花園のパーキングにて、本日初めてツーリングらしい写真を撮る(笑
後ろに点々と見えているのは、放牧されている馬たちだ。

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ふと我が愛馬の脚元に目をやると、これが酷い。まぁ雨天続きだから仕方ないが。。。
それにしても天気である。数日前の道東地方の予報では、昨日から今日にかけてが悪天候のピークだったはずだが、実際には昨晩はさほど降らず。悪天候がずれ込んでいるような感じ。そしてこの先もぱっとしないときている。
この先どうしようか・・・

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そう、この先の行程は全くもってして未定なのである。
とりあえずの目的である知床岬は到達したので、残りの日程はある意味フリー。であれば、できるだけ天気の良さそうな方向に行けばいいのである。
ところが予報がまるでぱっとしない。その通り動いても裏切られる予感がムンムンするほど不安定な、夏の北海道の空なのであった。

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藻琴駅

この辺りのR244は、釧網本線と並行している。
駅にはなぜか観光客が溢れていたが、藻琴駅だけは誰もいなかった。一瞬通り過ぎたが、可愛らしい木造の駅舎が気になって、引き返すことにした。

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人の気配のない待合室。年季の入った羽目板と、図ってかそうでないのか微妙にカラフルなベンチに、何故だかソソられる。

さも当然のように無人駅なわけだが、かつて駅の事務室だったであろう部屋に、喫茶店が入っている。
身体が暖かい飲み物が欲して、客のいない店内へ。

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鉄道グッズに囲まれて、何の変哲もないブレンドコーヒーをいただく。冷えた身体の隅々まで染み渡る。
旅の途中にcoffeeでほっこりする時間というのは、自分にとっては珍しい。いかにもな雰囲気の店ではあったが、少し活力が戻ってきた気がした。

・・・・・・・

R244で網走市街に入り、道の駅で今夜の食材を物色。
そう、体調がイマイチなのに、今晩はキャンプなのである。昨日はウトロで少々高価な宿に泊まってしまった(内容は贅沢とは程遠い宿だったが)ので、今晩は野宿しなければならない。
しなければならないということはないのだが、せっかく久々のキャンプツーリングだ!と息巻いているのに、宿ばっかりじゃあサマにならないし。。

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網走駅前を通過。駅前のビジネスホテルの駐車場に、赤いNSXが停まっているのが目に入った。
駅前通りに並んだホテルに泊まるチャンスもあったが、ここで泊まったらグランドツアラーの名が廃る。(なんじゃそりゃ)

網走周辺にはいくつか利用しやすいキャンプ場がある。
国道39号に入って女満別(現在は大空町)。石北本線女満別駅の真裏にある、女満別湖畔キャンプ場が本日の停泊地だ。

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林間の芝サイトで、湖畔はダート。2輪ツーリストは一様に湖畔に陣取っていたが、景色を楽しもうという発想はこの日はなかったので、駐車場に近い場所に幕営することにした。
一応有料で、駅裏の観光案内所みたいな場所で料金を払ったが格安。しかもゴミも引き取ってきくれるという。なかなか素晴らしいではないか。

2016 08 27 35

実はここに来るのは初めてではない。キャンプをするのは初めてだが、真冬にここから網走湖でワカサギ釣りをしたことがある。
網走湖なんかでそんなことしたらもう、入れ食いも入れ食い。却ってちっとも面白くなかったのを覚えている。
そんな昔の記憶を蘇らせながら、体調を回復できるよう努めて早めに就寝したのであった。 

 Posted by at 2:56 PM
8月 272016
 

2016 08 27 01

ウトロで迎えた朝、空は断然曇り。だが、雨が落ちていない。

この日は今回の道東ツーリングで唯一明確な目的地と言っていい、知床岬に向かう予定の日だ。
数日前の釧路でネット予約した観光船の集合場所へと向かう。エスは駐車場にてお休みである。 

ウトロから知床岬に向かう観光船には、大小いくつもの運航会社が存在するが、Webで目についたクルーザー観光船を選択していた。
さすがにハイシーズンということもあり、ほぼ満席。しかも予約順に席を取れるので、直前に予約した自分は、自動的に後方の余った席に。
写真を撮りたいので、雨風が当たらない外部という場所は、特段悪くはなかったが。

2016 08 27 02

午前10時出航。国道334号知床横断道路の登り口を横目に、クルーザーがスピードを上げていく。
後ろからは同時刻に出向したと思われる大型船がついてきたが、あっという間に引き離してしまった。

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のっけから奇岩奇景のオンパレード。クルーザーはその度に速度を落とし、可能な限り岸まで近づいていく。
とは言え常に動いているし、今にも降り出しそうな暗い空でシャッタースピードが極端に遅いこともあり、画像は流れ気味。

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フレペの滝(乙女の涙)

出航してそれほど時間も経たないうちに、最初の絶景スポットに到着した。
優しく流れ落ちる二筋の滝。よく見ると、岩の割れ目から直接流れ出ているのがわかる。
この滝には川がなく、地中に浸透した雨や雪解け水が、直接流れ出ているという珍しい光景。

ちなみにこの滝には、崖上に展望台があり、遊歩道を歩いて到達することもできる。

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湯の華の滝(男の涙) 

乙女に対して男の涙。
海上からしか見ることができないので、隠れて涙を流すという意味から、この通称があるらしい。

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奇岩にはそれぞれ名前が付いていて、事細かにガイドが説明してくれる。(覚えてないけど(笑)

海上には定置網の位置を示す浮きが並んでおり、クルーザーはその間を縫うように航行する。
ずっと岸辺を走っていてくれると、間近に見る圧倒的迫力の地形を楽しめるのだが、この時期はそうもいかないようだ。

この時期は樺太マス漁の定置網だそうで、例年より早く網が敷かれているそうだ。
昨年は爆弾低気圧で網という網が流されてしまったそうで、今年は漁師の気合いが違うとか。。

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象岩

これだけは覚えていた。見たまんまだし(笑

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野生動物の宝庫でもある知床。断崖には、羽を休める鳥たちも多く見られた。
これはオジロワシ、かなぁ。他の場所ではウミウも。写真は失敗したから載せないけど(汗

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カムイワッカの滝

あの有名な「カムイワッカ湯の滝」ではない。湯の滝が、海に落ちる滝のことだ。

カムイワッカ湯の滝は、札幌在住時に何度か行こうとしたことがあるけれど、結局行かずじまいだった。
有名になって観光客が多くなり、転落や落石の危険性から規制がかかっていると思っていたのだが、普通に自家用車で行けるらしい。(ただし時期によってはシャトルバス以外は規制される)
ただ、ダートを延々走るので、エスでは向かう気がしない。てゆうか温泉に対しては、もはやそこまでの情熱は無いので。。

2016 08 27 12

ルシャ海岸

このカムイワッカの滝から、断崖は影を潜めて、海岸に平場が続くようになる。
かなり大きな番屋があったりして、珍しく人の気配のするエリアだ。

2016 08 27 13

番屋には重機やトラックが停まっている。ここまでは林道がつながっているらしい。

知床岬クルーズの過程で唯一と言っていい人の気配が感じられるルシャ海岸で、遂に現れたこの訪問者。

2016 08 27 14

ヒグマの親子連れである。
大きな石の上をヨタヨタと歩く子グマを、母グマが時折振り返りながら連れ立っている。
至近距離では絶対に遭いたくないが、海上からだと、単なる微笑ましい風景になる。

しかしながら番屋の直ぐ側で、ヒグマが普通に散歩しているのには驚く。
知床は、ヒグマの密集度が世界有数であることが注目されているわけだが、人との共生の姿とその歴史も、注目すべき事実だと思う。
知床の住人たちとヒグマは、お互いに過度に干渉せず適度な距離を保ちながら暮らしてきた。その関係が、ここ知床の奥地では今も続いているのである。

野生動物との共生の、究極の風景と言っていいのではないだろうか。
わかってはいても、目のあたりにすると衝撃的だった。

(後編に続く)

 Posted by at 11:33 AM
8月 212016
 

2016 08 20 01

【道道142号 北太平洋シーサイドライン(の枝道)

道東ツーリング4日目の朝、テントのフライシートは、明け方に降った雨で盛大に濡れていた。
初日からフライシートを濡らすと、何かと面倒くさい。テント本体を濡らさないために、分けてパッキングすることになる。
それだけでも荷物が嵩張ってしまうのが問題なのだ。

2016 08 20 02

別海の中心部から、道道123号でスタート。走り出すと、再び雨が落ちてきた。
地平の彼方へと続くロングロングストレートを、水飛沫を巻き上げながら疾走していく。

飽きるほど真っ直ぐ、真っ直ぐな道をひたすら走り、国道44号を跨いで道道142号で突き当たる。
D142は昨日走った北太平洋シーサイドライン。未練がましく来てみたが、昨日のほうがよっぽど天気の状況は良かった。

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北太平洋シーサイドラインについては、今回は完全に嫌われてしまった。
まぁいい。それは裏返せば、再訪する理由ができたってことだから。

昨日は初田牛まで走って別海に向かったので、本日はその続き。D142を根室方面へと行く。
根室本線と並走しながら、駅を見つけては最果て感を味わってみる。

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駅舎の可愛い別当賀駅。

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時刻表を見ると、1日上り5本の下り4本。意外と走ってる方か?

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落石駅はパスして、その次の昆布盛駅。この駅、名前が忘れられない。
実際、コンブ漁している姿を見ることも多く、そのビジュアルとともに記憶に焼き付いている。

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ボヘっと写真撮ってたら、突然踏切が鳴り出した。
1日数本しか通らないはずの気動車が、根室方面から向かってくるではないか。何という偶然。

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停車し乗降のドアが開いても、誰も乗り降りする者はない。
それが当たり前かのように、前触れもなくドアが閉まり、再びディーゼルエンジンが唸りを上げる。

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すれ違いざま、中の様子が目に入ったが、意外にも多くの乗客が乗っているのには驚いた。
1両編成の普通列車なのに、まるで特急にでも乗っているかのようにくつろいでいる。窓際には弁当、お茶にワンカップ(笑

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ボックス席に座るオバチャンが、コチラに向かって手を降っていた。
釧路まで行くだけでも長旅なんだろう。内地では見られない風景にホッコリ。

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勢いで東根室駅にも来てみた。
コチラは根室市街にあって、これまでの駅とはちょっと様相が違う。
本当に利用されてるのか疑いたくなるほど、住宅地の裏手にひっそりとあるのだが。

2016 08 20 13

東根室駅は、日本最東端の駅だ。
根室本線が大きく半円を描く軌道で終着駅である根室駅に向かうので、その円弧の途中にあるこの駅が最東端に位置するということになっている。
その割には、扱いが地味だけど。板張りのプラットホームが渋い。白い鋼製の柵がなかったら最高にクールだ。

東根室駅からは道道35号で納沙布岬へ。
ここまで来たら、天気が悪くても行っておきたい場所、ではあるのだが、実際のところ、これが目的だったりする。

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日本最東端のコンビニ、セイコーマート歯舞店の筋子おにぎり。ホクホクのご飯の中に大量の筋子(っていうかほぼイクラ)を擁する、コンビニおにぎり界の帝王(?)だ。
セイコーマートの筋子おにぎりは北海道ツーリングの朝ごはんの定番中の定番。毎朝セイコマに寄っては筋子おにぎりばかり食べていたというのは事実である。
デリカコーナーにはたいてい存在するのだが、微妙に量と味が違ったりする中、歯舞店は別格。
自分にとっては、納沙布岬よりもこっちの方が重要(笑)だったりするのだ。

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そんなわけで、納沙布岬の扱いはこんな程度。

D35は根室半島を周遊する道路だが、納沙布岬から根室湾側に回り込むと、それまで視界を遮っていた霧は瞬く間に晴れていった。
夏の道東太平洋岸は霧に覆われるとは言うが、襟裳岬以東の沿岸部のみ、ここまではっきりと霧に阻まれるとは。

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根室市内に戻り、R44に入って春国岱と風蓮湖を望む日本最東端の道の駅「スワン44ねむろ」にて小休憩。
厚床から国道243号にスイッチして北上開始。昨日別海に向かったR243ともう片方のR244の分岐では、ルートが重ならないようR244を選択。尾岱沼まで一気に走る。

道の駅「おだいとう」で、その先のルートを模索。
2日目の夜に決めたように、明日の朝は知床で観光船に乗船の予定だ。
天気も悪そうなので、今晩はウトロに宿を取ったのだが、このまま直進してウトロに入るのはどうも安直過ぎる。
というわけで、R244と離別。道道363号で中春別へ。

2016 08 20 19

このD363、牧場の中を走る一本道なのだが、今朝のD123と異なって、路面の抑揚が無意味に激しい。
舗装状態も良いとは言えず、激しく車体を揺すられる。そんな道でも、エスは4輪で路面を捉えて離さない。
ツーリングでのドライビングに合わせ込んだ足回りが、トリッキーなコースでキラリと輝く。

中春別から道道8号で中標津へ。
中標津市街で、ちょっと行ってみたかった回転寿司屋に入店。さっきおにぎり食べたばっかだけど、、時間的にはちょうど昼になりかけていたのだ。

訪れたのは、国道272号沿いにある「花まる」という回転寿司チェーン店。
むかーし昔は、なんか違った名前だったような気がするが、場所的には記憶と相違がない。

中身はというと、右のとおり。
オレンジ色も眩しいサーモンは、標津産のトキシラズ。夏に穫れる若い鮭のことで、産卵のために栄養が取られない分、旨味が詰まっているようで美味しい。常識的な値段では、この近辺でしか味わえない逸品かと。

その他にも羅臼産、根室産、一部宗谷産と、近海物からオホーツク産まで地物のネタが豊富。
オペレーションにミスが目立つのはご愛嬌。はるばるここまで来て回転寿司!?というのが、決して損にはならない店だと思われる。

中標津市街で保険的に継ぎ足し給油。
中標津に来たのだから、開陽台方面にも行っておくかと空港方面に走り出すと、とたんに雨脚が強くなってきた。

道道150号から北十九号に入ると雨は更に強くなり、有名な直線道路に出た瞬間、図ったように土砂降りの雨。
降りて写真なんてもってのほかという状況になってしまった。

2016 08 20 20

北十九号線から道道975号、そして道道1145号へと乗り継ぐ。どの道も飽き飽きするくらい真っ直ぐな道。ステアリングを切る楽しみがまるでない。
景色が良ければまだ楽しみもあるが、雨降りの状況だと、轍に注意しながら路面を捉えることくらいしかやることがない。

2016 08 20 21

完璧な雨天となってしまった。これじゃどこに行ってもツマラナイ。
気にせず走り回ることも考えたが、せっかくの道東の旅、これ以上無意味に湿った景色を記憶に刻むのは却って勿体無い。
そう結論付けて、国道335号に入って羅臼へと向かう。今日は早めに投宿して、明日に備えるのだ。

いつもツーリストで賑わっている羅臼の街は道の駅に寄っただけで通り過ぎ、国道334号と1つだけ番号が変わった道を、知床峠に向かって登っていく。
北海道では珍しい部類に入る、峠道らしい峠道の知床横断道路の羅臼側。

2016 08 20 22

単独行でFun to drive !
タイトなコーナーが連続するハードなヒルクライム。
開削に数十年の歳月がかかった道路、知床横断道路。原生林の中をひたすら登り続ける道路は、まるでクローズドコースをヒルクライムしているかのような気にさせてくれる。

この道路は、世界自然遺産「知床」の指定区域内を走る、ただひとつのワインディングロードでもある。
開発が厳しく制限される同区域内を走るので、今後大幅に人の手が入って景色が変わってしまうことは、まずありえない。
また、北海道内の国道では唯一、冬期通行止めになるという側面を持つ。
それだけ道内でも極めて厳しい自然環境にあり、こんな道を自由に走れるだけでも涙モンなのである。

2016 08 20 23

標高を上げるにつれて濃度を増していった霧は、峠に着くと完全に視界を奪う形となった。
本来であれば、この画角から羅臼岳を望む絶景が拝めるはずなのである。
滞在すれば、いずれは視界がひらける日も来るだろうが、あいにく今自分が楽しみたいのはそういった旅ではない。
これも時の運。また来る時の楽しみにしようじゃないか。

知床横断道路のウトロ側は、打って変わって峠道とは思えないストレート区間が連続する。峠から下ると、国内有数の超ハイスピードなダウンヒルステージに。
しかも、ウソのようにいきなり霧が晴れた。ここぞとばかりにVTECサウンドを高らかに歌わせながら、一気に高度を下げていく。

峠をはさんでまったく異なるコースレイアウトを知床横断道路。北海道ではなかなか貴重な本格派のワインディングロードだ。
非常に遠い場所にあるが、峠から眺める景色と合わせて、ここを走るために道東に訪れる価値は大いにある。開通時期に合わせて、ぜひ堪能してもらいたい。

2016 08 20 24

・・・・・・・

ウトロに着いて、道の駅で情報収集した後、予約しておいたホテルにチェックイン。
北海道の果てなのに、結構なお値段がした。従業員はなぜかアジア系の人々。これも世界遺産効果だろうか。。

天候がすぐれず、16時にチェックインしてしまったこともあり、大浴場でノビノビと入浴。
その後、隣接していたセイコマで調達したスパークリングワインで、早々とイイキモチに(酔

明日はいよいよ知床岬へ。
悪天候の予報だが、船は無事出航するのだろうか。

 Posted by at 4:29 PM
8月 172016
 

2016 08 17 01

【道道808号 MGロード(霧多布湿原)】

胃をザンギと達成感?で満たした状態で、国道391号から国道44号に出る。
そしてすぐに、道道113号〜142号にスイッチ。ここから厚岸の尾幌までは、北太平洋シーサイドラインの未走破区間。地図で見る限り、とても期待のできそうなコースだ。

ところが、その期待とは裏腹に、走り始めから睡魔が・・・
天気は相変わらず優れず、薄暗いドライビングビューがそうさせるのか。
しかしながら、前走車のいないワインディングで、眠くて集中力が保てないなんてのは、ちょっと異常だ。

仕方なく、途中の大き目のパーキングで仮眠をとることにした。
コース自体は、景色はイマイチなものの高台のアグレッシブなワインディング。
天気と体調が揃えば、最高の体験ができたような気はするが・・・ 

尾幌でR44に復帰。厚岸で定番の道の駅「厚岸グルメパーク」に寄る。
北海道の中でも人気の道の駅で、この日も満車御礼。
厚岸といえば牡蠣だが、あいにく胃袋はザンギで満たされているので、食後のソフトクリームで我慢しておいた。

厚岸からは道道123号。ここから北太平洋シーサイドラインの中枢と言える区間が始まる。
個人的には、道内でも1,2を争うほど景色が楽しめる良道として評価する北太平洋シーサイドラインだったが、空の具合は好転せず。薄暗いドライブを続けることとなった。

2016 08 17 02

霧多布湿原

北太平洋シーサイドラインは霧多布湿原を貫く。貫くというか、湿原と太平洋に挟まれながら走っていく。それだけでも大きな価値がある。
湿原が目の前に広がる琵琶瀬展望台PAからの眺めは、その白眉。たゆたう琵琶瀬川と周囲の湿原が、悠久の時を超えて眼前に存在する様を、存分に楽しむことができる。

2016 08 17 03

霧多布湿原が面白いと思うのは、湿原の中に民家が集まる風景が見られるところだ。
厳密には海や沼沿いの湿原からは外れた土地なのかもしれないが、大きな景色として眺めると、湿原の真っ只中に人の営みが入り込んでいるようで、風景として特異に見える。
こんな状態を当たり前のように見ることができるのも、北海道ならではの面白さだと思う。

2016 08 17 04

浜中の中心街に入っていく手前で、正真正銘、湿原を貫く一本道があるのを発見した。
興味本位で入り込んでみる。どういった経緯で造られた道なのかはわからないが、これはなかなか。

2016 08 17 05

MGロード(道道808号)

観光案内用の看板も立っている。歩道も付いていることから、湿原散策路を兼ねているのだろうか。
MGロードという名の道であることも看板で知った。後から調べてみたら、MGはMarshy Grassland(湿原)の略だそうな。

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こんなとこに道路造って、湿原に影響はないのだろうか、という疑問が芽生える。
なんでも、道路の下に両側の湿原をつなぐパイプがいくつも通っているとかで、一応は湿原の生態系に配慮しているとか。(←これも後で調べて知った)

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釧路湿原では体験できないことなので、霧多布湿原をより身近に感じた一幕だった。

ここまで来たら、霧多布岬は外せない。
太平洋に突き出た半島にある浜中の街を通り抜けて、岬の先端へ。
広い駐車場のそのまた先端にエスを停め、ドライビングシューズをハイキングシューズに履き替えて出発!

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ところが、ここ霧多布岬も薄膜を張ったような霧の中。
読んで字の如く、霧の多い場所だから仕方ないが、眺望を楽しめる岬だけに何とも残念だ。

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霧多布岬の展望台。霧多布岬は通称で、正式には湯沸岬というので、この灯台も正確には湯沸岬灯台となる。

霧多布岬の先端に行くには、整備された遊歩道をそれなりに歩いていく必要がある。
周囲はうっすらと霧で包まれ、景色も遠望できず残念だなと思っていたが、斜面にはさまざまな花が咲き誇り、景色の代わりに目を楽しませてくれた。

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一際目を引く黄色い花がエゾカンゾウ。本州ではニッコウキスゲと呼ばれるアレである。
本州の山に登ると結構いろんな所で目にするけれど、こんなに海の近くの低い場所で見られるとは、やはり北海道である。 

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岬の先端に進んでいく。
徐々に岩礁に打ち寄せる波の音とともに、鳥たちの声が聞こえてくる。

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霧多布岬

抜けるような青空と大海原を望めないのは残念だったが、その雄大な自然の地形はかろうじて体感することができた。
霧多布岬。太平洋に突き出た小さな半島の先端だが、その荒々しい岩礁と断崖が生み出す景色は、北海道でも有数の絶景岬である(と思う)。 

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恐ろしいまでに雄大な地形も然ることながら、岬は鳥たちの楽園である。
無数の海鳥が強風に耐えつつも羽を休め、短い夏の時間を楽しむかのように喉を鳴らしている。

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まるで明け方のような色調だが、これが見た印象そのままの色温度だ。
夏の霧多布は、いつ来てもその度に印象が異なる。それは天気の違いに起因していることがほとんどなのだが、それはそれで面白いし、毎回違う表情が見られると思えば、何度でも再訪したくなるというものである。
あまりに印象的な景色を目の当たりにし、もっと、ずっとこの場に留まっていたい気持ちでいっぱいだったが、そうもいかない。後ろ髪を引かれる思いで、来た道を引き返した。 

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駐車場に戻ると、エスの近くに1台のバイク。ホンダから新しく発売になったアフリカツインではないか。
大排気量のエンデューロバイクながら、ツーリングを意識した機能と佇まいがなかなかカッコイイ。
ちょうどオーナーが戻ってきたので少し話をした。発売から間もないはずだが、既に8000kmを走ったとのこと。ちなみに横浜ナンバー。
普段何をしている人なのか、こっちが心配になってしまう。(人のこと言えないでしょうが(笑) 

こちらのバイクには、今晩の停泊地でも遭遇し、さらにはどこか忘れてしまったが、もう一度見かけることになる。
昨年の四国での白いS2000といい、意識すると再会する傾向になるのはナゼなんだろうか。

・・・・・・・

北太平洋シーサイドラインに復帰。道道142号を根室方面に走り出す。

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途中、幌戸で陽が差してきてラッキーと思ったら、湿原の沼にタンチョウを発見。こんな真夏でもいるんだ。

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でもここからは残念な景色の連続。濃い霧が、眺望を完全に奪ってしまっていたのだ。
北太平洋シーサイドラインでも、この辺りの区間がもっとも北海道らしい景色の中を疾走できるので、今回も非常に楽しみにしていたのに。

かつてここで撮影した1枚の写真が、フォトコンテストで入賞したことがある。
それは当時、ホンダが開催したS2000のフォトコンテストだった。獲得したのは開発者賞ということで、S2000の開発責任者の方々からコメントを頂いたという忘れ難い想い出がある。
ここがまさに、その素材となった場所なのだ。(その時の受賞結果はコチラ←いつまで掲載されてるんだろうか) 

今回、その想い出の地でもう一度エスを写真に収めたいと思っていたのだが、どうにも撮影場所が特定できない。
撮影当時の2007年とは逆走になっているというのもあるだろうが、一番の原因はこの天気。同じ季節ながら、まるで異なる周囲の様相に、当時とはまったく異なる道を走っているかのようだった。

結局特定できないまま、海沿いの絶景区間は走り切ってしまう。元々夏は霧に包まれることが多い道東の太平洋岸エリア。まぁこんなこともあるだろう。

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D142は内陸に入って、しばらく根室本線と並走になる。
そろそろ時刻もイイカンジになってきた。この日の最初に書いた通り、行程はその場その場で考えながら走っていたが、そろそろ寝床の心配をしなければならない。
今回の旅は、久しぶりのキャンプツーリングと言いながら、初日はフェリー、2日目は釧路でホテルと、まだテント泊はしていなかったので、今晩は野宿な気分。
とは言いつつ、それなりに安心して熟睡できる環境はほしい。

北太平洋シーサイドラインは初田牛でしばし中断。道道1127号(←これがなかなか豪快な良道)で厚床に出て、国道243号で別海へ。
この別海町の街中に、利便性のいいキャンプ場があるのだ。

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実を言うと2007年も利用した、別海ふれあいキャンプ場。その時の印象が良かったのを覚えていたので、ちょっと足を伸ばして今晩の停泊地とした。
ちょっと蚊が多いのは難点だが、まぁ細かいことは言うまい。これだけ整然とし、しかもクルマと至近距離で幕営できる(コレ非常に重要)のだから十分だ。

自炊環境も完璧。それなりの調理もできる程度に道具は持参してきていたが、今晩のメインはザンタレ(の残り)なので、あんまりその必要はない。
昼間はできなかった、ザンタレとビール、そんでもってワインのハーモニーを楽しんでいるうちに、急激に夜の帳が下りていった。 

 Posted by at 3:16 AM