2月 232012
 

ロフトへ上がる階段が出来上がっています。

行き先がロフトということで、スペースの事情もありかなり急な階段を計画してましたが、実際にできてみると、感覚的にはそんなには急でもない感じがします。

こういったふうに、できてみて「意外といいな」と思えるようなことばかりであればいいんですが、残念ながらその逆も少なくありません。
自分にはある程度明確なイメージがあるんですが、作り手に上手く伝わっていなかったり、計画時に煮詰め切れなかった部分が悪い状態で表出してきたり。。

一番多いのが、住宅をつくる上で常識と思われる仕様や納まりが、放っておくととても残念な感じになってしまいがちなこと。
この業界でやっている人には当然のことなのかもしれませんが、かなり違和感のあることが結構あります。住宅は、建築の中でもかなり特殊だということを身に染みて感じています。

何とか最後まで粘り腰で対応していかなければ。

 Posted by at 1:51 AM
1月 072012
 

年が明けて、初めて新築現場に足を運びました。
工事は来週からなので、現場は年末の状態のまま。最後に見に行った後の年末工事で、以前紹介した基礎に埋め込んだアンカーボルトに、柱の取付け金物(写真の黒い物体)が据えられています。

今後の工事で、この黒い柱脚金物に直接柱を立て込んでいきます。
この金具が、構造計画上のポイントになる部分。

普通の木造住宅では、このような金物は使わず、基礎上に敷き込んだ土台上に直接柱を立てていくのが一般的かと思います。
それに対して今回の計画では、柱は土台から独立させ、基礎から直接立ち上がる特殊な工法を採用しています。
こうすることで、柱に対する引き抜き耐力(接合強度)を、従来の工法よりはるかに高く確保することができるからです。

建物(木造住宅)には地震時に、基礎上部の上物が揺すられることで、柱の根元に引き抜きの力が加わります。ここが破断する(柱と土台が離脱する)と建物は更に傾いて揺れの力が加速してしまい、最悪の場合倒壊してしまう恐れがあります。
なので、この柱脚部分の耐力確保は非常に重要。通常はホールダウン金物で引き抜き耐力を確保しますが、柱脚金物は更に大きな耐力を確保できます。

その分コストもかかるし、基礎から直接柱を立てるので、アンカーボルトの精度、更には基礎の精度が必要で、施工にも監理でも気を使うけれど、建築にとって生命を守る構造性能は最も重視すべき部分のひとつですからね。
金具自体の強度も必要で、当然経年による問題は懸念されますが、塗装は自動車と同じような電着塗装が施されていて、いかにも堅牢な感じです。

もちろん構造計画のポイントはこれだけではないですが、まずは足元からっていうことで。

 Posted by at 11:24 PM
12月 242011
 

基礎は耐圧版と立上がりでコンクリートを打ち継いでいます。
打ち継ぎ部分は漏水の原因にもなるので、厳密にはこの部分で打ち継ぐのは良くありませんが、耐圧版が仕上げ面ではないので標準的なこの施工でOKとしました。

その代わり、打ち継ぎ箇所に防水剤を塗布してもらっています。
セレシットDSという簡易的な塗布防水で、水のしみ込みをシャットアウトできるように配慮。
打ち継ぎ部分は特にそうですが、コンクリートはその印象に反して水を通すので注意が必要です。

 Posted by at 9:16 AM
12月 232011
 

週末の現場偵察が、またやってきました。

多少気温が低い日が続きましたが、予定通り昨日、型枠が外れました。
コンクリート基礎が露になり、一気に家の形状が見えてきた感じです。

仕上げとなる部分ではない(外周以外は)のでコンクリート表面の仕上りは荒いですが、設定した強度がキチンと発生していることが重要です。
前も書いた通り、この季節だと強度発生が緩やかで、今現在もコンクリートは徐々に固く締まりつつある過程にあると思われます。
ここで一気に建て方だの何だのと上物の工事を進めて荷重をかけてしまうのはあまり良くない気がするので、ほぼこの状態で年を越す予定。その間に更に「熟成」が進むのを待つ感じです。

 Posted by at 1:26 PM
12月 172011
 

土曜日になって一週間ぶりに現場に行くことができました。
工務店から逐一報告は受けているので常に状況はわかっているんですが、自分の目で見たい気持ちがあり、現地を見られる毎週末が楽しみになっています。

基礎のコンクリート打設後、コンクリートが固まるまでの間、養生を行っています。
立上がりの型枠の上部には、フィルムと断熱材のような毛布が被せられていました。冷気や雨を遮断して、コンクリートの固化を確実に進ませるためです。見た目にもコンクリートを熟成させてる感じ。
特にコンクリート打設後の数日間の養生は、しっかりとした構造的性能を確保する上で重要ですからね。

型枠は所定の存置期間経過後、次週の冬至の日辺りで解体する予定。
どんな基礎ができているのか、今から楽しみです。

 Posted by at 4:07 PM