【白島展望台】意味ありげな立て札
五箇に戻ると、程なく国道485号に合流する。
西郷から島を縦断するR485は、北端をかすめて島の東肩の布施という集落まで続いている。五箇からはR485を走り、東側海岸線を辿っていくこととした。
R485に入るなりハイウェイ。新しく開通したと思われるトンネルを抜け、北端の岬に向かう。
途中から未改良の道となり、いかにも離島らしい風情が色濃くなってきたところで、白島展望台への入口を発見。
この展望台の駐車場には、今までになく多くのクルマが停車していた。
白島展望台
うん、まぁね。って感じかな。
(^ ^;;;
続いて布施へ。
R485をぎゅわ~~んと走っていくと、布施の漁村集落で、国道は途切れる。
そこからは県道47号にスイッチして、海岸線を時計回りに西郷まで辿ることになる。
と、その前に、県道と反対側に曲がって、次なる絶景スポット。
浄土ヶ浦海岸
宮古の辺りにも同名の海岸があるけれど。。
クルマから降りて歩くと、岩礁の風景が目の前に現れる。
これまでと異なり、海面レベルの風景。透き通った海水が足元で揺らめいている。
波は穏やかで、磯の香りもほとんどしない。
どこから見ても海の風景には違いないが、五感で感じるものは、どこか普通ではない。
当たり前だと思っていた風景が、その場に身を置いた瞬間、そうではないことに気付く。そして記憶に刻まれる。
旅をして訪れてよかったと思える、ひとつの瞬間かもしれない。
駐車場では、隣に横浜ナンバーのコペンが停車していた。モスグリーンのボディにレカロのシート。当然ながらルーフはオープン。
このコペンとは、この先行く先々で見かけることになる。
・・・・・・・
県道47号を南下していく。
島の東側とは異なり、海を眼下に従えるワインディング。道は狭いが走りにくくはない。
ここまで頻繁に停車しながらのドライブだったので、東側ルートは西郷までノンストップで駆け抜けた。
西郷まで走ると、島一週を成し遂げたことになる。
日没まで時間にはまだ余裕があったので、島後探索を継続。
まずは西郷を通り過ぎたR485沿いにあるこのスポット。
玉若酢命神社(たまわかすみことじんじゃ)
隠岐造と呼ばれる茅葺きの大屋根が見事な社殿。
加えて、参道に立ち塞がるようにして根を下ろす「八百杉」が圧巻。
樹齢千数百年。歴史ある神社と神秘的な巨木の組み合わせに、隠岐の深い歴史を感じ入る。
古くから隠岐国として統治され、中性は遠流の地として名の知れる隠岐。
本土から遠くはなれているが、大陸と挟まれた地ということもあり、古くから文化が根付いていた痕跡が見え隠れする。
R485を北上していくと、島の中心部あたりにも古社が。
水若酢神社(みずわかすじんじゃ)
五箇の村の中心となった隠岐国一宮の社殿は、五月の西日に照らされ、憂いを帯びた表情にも見える。
島後の自然と文化に触れた一日も、そろそろ終わりに近付こうとしている。
水若酢神社から先のR485は、先程五箇から布施まで走った区間。
その区間をもう一度走り、布施より手前の集落で県道316号へとスイッチし、島中心部を南下するルートを取ることにした。
西郷からR485とこのK316を走ることで、島をX状に2度縦断することになる。
ここからは島後ツーリングの最後の仕上げとして、山中のワインディングロードを思いっ切り走り抜けることにしたのだ。
これまでのどのルートより深い森を貫くコースは、既に薄暗かった。
前半はダム湖畔の道を含んだ高速区間。アクセルを踏んで走り抜けると、R485とクロスする。
後半はテクニカルなワインディングが待っていた。クルマの向きを一瞬で変えることを要求するような、尖ったコーナーが次々に現れる。
水を得た魚のように舞うS2000。島後の森に、凝縮されたエネルギーが弾けて木霊する。
濃密なドライビングを味わい尽くし、島の西側の屋那まであっという間に完走。満足の後にK44を西郷まで戻った。
西郷の民宿に投宿し、夕飯は街の居酒屋に繰り出し、新鮮な隠岐の味覚を楽しんだ。
明日は朝一の便で、島後の西、島前に向かう予定だ。