12月 062011
 

新築計画の主たるものは、やはり設計です。
設計と言えば、nLDKとか、いわゆる間取りを思い浮かべるのが普通でしょうか。あるいはテレビで見かける「〜の匠」みたいな建築家を想像するのが一般的でしょうか。

でも、R style Houseはそのどちらにも属していません。
そもそも部屋割りという発想がないのでnLDKという感覚が存在しないし、建築家が提案するような刺激的なデザインがあるわけでもありません。
あくまでコンセプトに忠実に、その軸線上で自分が欲しいと思う空間を組み合わせ、それをシンプルなひとつの箱に収めたのがR style Houseだからです。

では、R style Houseのコンセプトとは、一体何なのか。

家の計画コンセプトは、思いっきり拘る部分がある場合、ある程度までは明確です。
ただ、それだけでは計画は完結せず、その他の要因によって様々な付加コンセプトが生まれ、たったひとつのオリジナルな家が誕生する、と考えています。

今回、家をつくる上で、柱となるコンセプトとしては当然ながら、「クルマ」というものが挙がります。
しかし、単にクルマと言っても捉え方は様々。修理工場のようにイジる場所をつくるのか、ピカピカに磨いて眺められるようにするのか。休日、洗車するのを楽しむのか、どこかに走りにいくのか。
自分の場合は、まずクルマは走らせてナンボだと思っているので、クルマがいつでもスタンバイ状態にあることが必要。
それでいて、基本サンデードライバーだから、限られた時間でメンテナンスができる空間、不在時にセキュリティ上安心できる保管の仕方が重要になる。
そういうCar life styleを空間に落とし込むことが、重要なコンセプトの柱になっています。

また、家を計画する上でのデザイン根拠となるものとして、土地の属性というものを重視しました。
属性とはここでは、敷地周辺の雰囲気とか、町並みの状態、敷地の形状や隣接環境といったことを想定しています。そういった土地が持つ雰囲気によって、家を建てる上で目指すテイストが微妙に異なってくると考えています。
例えば今回の敷地の場合、以前書いたように長閑で都会の中にあって静かでのんびりした雰囲気があることから、家の有り様を発想することができます。これが今回の付加コンセプトとなっています。

この第一の「柱」と第二の「付加」コンセプトを軸に設計を進めていったわけですが、最初序列があったコンセプトも次第に並列になり、面白い効果を生んでいきました。
コンセプトから様々な発想を得ていくことで、ロジカルに空間を構築し、形状を決めていく。家に限らず、それがデザインをする上での、ひとつの方法ではないかと考えています。

もちろん最初からこんな文書にまとまったものではなくて、何となく頭の中に思い描いていた決めごとのようなことなんですけどね。
でも、この敷地に決めた、あるいは決める以前から、そういったコンセプトから得たイメージがあります。

そのイメージを表すのが、「基地」「山小屋」という2つのキーワードです。

(つづく)

 Posted by at 1:36 AM

  2 Responses to “設計(1)〜コンセプトとは”

  1. 基地、山小屋っていうワードだけでもワクワクしますね!本当に楽しみo(^o^)o
    しかし1059さんのサイトは相変わらず臨場感が凄いです。もう自分が家を建ててる気になってます(笑)
    車が車だけにセキュリティは万全にしたいところですよね。
    都会で良く見掛ける二階にリビングがあるstyleはやっぱり人気があるのですか?
    熊本ではほとんど見掛けませんが、半年くらい前に見に行った中古物件で
    玄関が二階にある不思議な家がありました。
    一階に玄関があって、入って二階に上がっていく階段がある、とかでは無く、
    一階にいきなり階段があって二階に上がりそこに玄関があるんです。
    んでそのまま二階がリビングでそこから一階の子供部屋とかに降りる階段がついてるんです。だから子供部屋へは地下に降りる感覚なんですよね~。
    陽当たりは二階にリビングがあったほうがいいのはわかりますが、一階に子供部屋があるのは防犯上大丈夫かな?と思った次第です。
    長々とすいませんでした(^_^;)家だけは結構見て回ってるので(汗)

    • 設計というのは、単純に間取りを考えることだけではないと思ってます。家の設計だけでなく、あらゆるデザインに言えることだと思いますが、意外とロジカルに物事を組み立てる作業なんですよね。

      そう考えてる自分からすると、2階にリビングとかそれに伴う変わった動線とか、そういったものはいくらでもアリですね。
      実際にTSUYOSHIさんが見られた家が、論理的に考えられた家なのかどうかはわからないですが(^ ^;)、それがあるコンセプトに則った結果であれば、それが必然的な結果なんだと思います。(もちろん防犯などの基本的な機能は満たしているという前提ですが)

      家というのは、その人のライフスタイルや価値観に忠実であると思うので、既製品の家に生活を合わせるより、自分たちのスタイルに合わせて家をつくる方が合理的ではないか、と思っています。
      ハウスメーカーが市場の大半を占めている現状では、なかなか既成概念の外側が見えてこないのが実情。
      その既成概念をいかに取り払って考えられるか。そうすることで、本当に求めている家が見つかるかもしれません。
      今回紹介しているコンセプトから導く計画手法(特に珍しい方法ではないとは思いますが)は、そのための一助になる!?(という期待も込めて書いてます(^ ^)

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