9月 012013
 

足回り異音解決シリーズその2。
左リアのゴトゴト編です。
この異音にはずーーっと付き合っていて、半ば無視していたんですが、この夏の自主集中診断で、ようやくその謎が解けました。

異音は右コーナーで、左リアに荷重がどっしり乗った状態に連続的に鳴るので、ダンパーやサスペンションアームのガタを当初は疑っていました。
SRE(車高調)のOH前から音は鳴っていたので、ダンパーはシロ。サスのガタも特には見当たりません。
ハブにも目立ったガタはなく、ドラシャも健全。スタビも特段に異常があるようには見えない。
意外にありがちなとこで、トランクの中で暴れてるモノがあるとか、スペアタイヤが遊んでるとか、フューエルパイプのガタ(左リアのダンパー取り外しの際に必ず外すので)とかいうとこまで調べてみましたが、異常なし。
また迷宮入りなのかと諦めかけましたが・・・

・・・・・

思わぬところに疑惑を発見してしまいました。

その思わぬところとは・・・・

2013 09 01 01

マフラーです!
厳密に言えば、マフラーのサイレンサー。

ご存知の通り、R style S2000には無限マフラーが装着されてますが、そのマフラーの何が疑わしいかっていうと、このサイレンサーを手で押すと、簡単に左右に動くんです。
左右に動く結果、リアバンパーに当たるってことを発見。

マフラーのサイレンサーは、車体から専用のゴムブッシュ(吊りゴム)を介して吊り下げられています。
これを支点に、振り子のようにサイレンサーが動き、ちょうど出口のパイプ辺りがバンパーに当たってしまう。

これって正常な状態なのか?

下に潜ってよくよく観察してみると、車体とサイレンサーの後部から生えているハンガーを、吊りゴムによって接続しているわけですが、接続されているハンガーは車体側もサイレンサー後部側も1本のみ
が!サイレンサー後部側には、ハンガーが2本生えている。これって変じゃない??

2013 09 01 02

早速、パーツリストで確認。
すると、純正マフラーハンガーには、現状付いている吊りゴムとは異なる3穴の吊りゴムが使用されているではないか!

2013 09 01 03

2穴の吊りゴムだと、サイレンサーが振れて動くのは当然。
3穴で、マフラー側から生えている2本のハンガーとも吊りゴムに繋げれば、振れる動きが抑制されることは想像に難くない。

マフラーの取付が正常ではない→マフラーがコーナーGによって動く→バンパーに当たる→跳ね返る→振り子の現象でまた当たる→これが連続してゴトゴト鳴るということか。

なんでまたこんな状態になってしまっているのか。
これが調べてくと、なかなか味わい深い(?)背景が見えてきまして。。。

以降、かなりマニアックな内容になりますので、S2000好きな方は続きをどうぞ(笑

 

僕のエスは、いわゆる04modelで、2リッターエンジンの後期型。無限のマフラーも、前期型用と、04model以降の後期型用で形状が異なります。

今付けている無限マフラーは通算2本目。
だいぶと前にはなりますが、 最初に交換した時に付いてきた無限の説明書がこれ。

2013 09 01 04

サイレンサーから生えているハンガーが、左右それぞれ1本ずつになってます。
また、吊りゴムが付属し、純正から交換して付属品を使うよう指示されています。

そして昨年無償交換となった際に、付いてきた無限の説明書がこちら。

2013 09 01 05

サイレンサー後部から生えているハンガーは、左右それぞれ2本
しかも吊りゴムは付属せず、純正品をそのまま流用することになっています。

ということは、何が起こっていたか、想像するに・・・

  1. 最初の無限マフラーは、付属ブッシュを使用して説明書通りに交換。
  2. 2本目の無限マフラーは、純正品を使用する指示となっていたので、既存のブッシュを使用することとなったが、1本目の無限マフラー付属の吊りゴムを使用した状態だったので、それをそのまま使うことになった。
  3. 結果として、ハンガーが2本あるのに、1本しか使わない状態で吊り下げることになった。

パーツリストによると、AP1-130〜200の吊りゴムは3穴。(ちなみに前期型は2穴。マフラー本体の品番も異なるので、ハンガーはたぶん1本ではないかと思う。未確認だけど)
純正マフラーの頃は3穴のブッシュだったと思われる(未確認)が、最初のマフラー交換時に、1本ハンガーの無限を装着するために付属の専用品に交換。その結果、純正品を流用する2本目の無限のハンガー本数と合わなくなってしまったってこと。 

そもそもびっくりなのは、S2000後期型無限マフラーには、仕様違いが存在してたってことですが・・(知ってました?)

これは想像ですが、、最初の1本ハンガーの後期用無限マフラーは、Gがかかった際に動いてしまうという不具合が発生し、知らないところでハンガー本数を増やして対策したんだと思います。。2本の説明書が手元にあるので、その違いは明白です。(こんな奴、なかなかいないと思いますが(笑) 
その際の吊りゴムは純正流用で十分と判断したのか、単なるコスト削減だったのか。

ただ、これって誰も責められることではなく(だって誰も間違ってないんだから)、たまたま流れ上、今の状態になってしまったってだけで。
無限の仕様変更が、僕の不具合仮説の対策が目的だとしたら、ブッシュを純正に戻せば、音は鳴らなくなるはずです。
そうとなれば善は急げ。さっそくディーラーで吊りゴムを発注、翌週には交換。
マフラーはかっちり固定され、ものの見事に異音は鳴らなくなりました。

2013 09 01 06

もしエスに乗ってて無限マフラーを付けてる方がいたら、マフラーの仕様が後期の前期型か、後期の後期型(笑)ぜひ確認してみてください。

1本ハンガーだと、サイレンサーをちょっと揺らしただけで、エキマニ以降から結構大きくギコギコ動くと思います。
走ってる時でないと異音は発生しませんが、何か異常があった際は、疑ってみる価値はあると思いますよ。

 Posted by at 5:35 PM

  8 Responses to “左リア異音の意外な犯人”

  1. 灯台下暗し、とは違うかもしれませんが、よく発見されましたねぇ。
    説明書保管がこんなに大事とは。

    • 最初に無限に替えてから、かれこれ6年。
      十分遅過ぎな感が強いですが(^ ^;

      エスに関しては、パーツの説明書はもちろん、作業明細も一応全て保管しておりまして。
      新車で買ったらディーラーが主治医になったりするんでしょうけど、中古だとどうしても自分で管理する以外なくなってしまうので。。

  2. これはマフラー交換を作業した人は気付かないものなんですかね?
    ハンガーが明らかに1本余ってるから気づきそうですが、やはり小まめに仕様変更してると気付かないものなんですかね〜。

    • 2本目のマフラーには吊りゴムが付属していなかったので、交換する側にしてみたら、今付いてるやつを使うんだなと思っても仕方ないかな、と思います。

      が、説明書には確かに3穴の吊りゴムの絵が描かれていますし、仰るとおりハンガーが余るんだからおかしいな?と思ってくれてもいいような気もしますね、確かに。
      2穴でも普通に交差点曲がるくらいだったら異音が鳴ることはなかったし、これでも問題無いと判断したのかもしれません。
      でもエスはスポーツカーなので、負荷のかかり方が普通の車とは違うわけし、これだと不具合が出るかもしれないということは、経験豊富なメカニックだったらおそらく気付くでしょう。
      プロとはいえ、そういうクルマをメンテナンスする機会がないと、なかなかこんなところにまで感性がはたらかないのかもしれません。

  3. 以前に書き込みをさせて頂いたS2000乗りです。

    S2000が好きなので最後まで楽しませて頂きました。
    ありがとうございました。
    この手のマニアックな記事が大好きなもので(笑)。

    大変な経験をされましたね。でもこれは素晴らしい経験です!
    中々、体験出来ない事だと前向きに捉えて下さい。
    同じS2000のオーナーとして羨ましい限りです。

    ドライブに、整備に、参考にさせて頂いております。
    またこのようなマニア好みの記事(笑)を待っています!

    • どもです。

      S2000好きの心の奥底に響くマニアックな記事、楽しんでいただけて幸いです。
      この手の内容はホント、リアルなオーナーのブログのようなソースでしか得られない情報ですから、自分自身もこれまで重宝させてもらってきたし、自分もこれからはその一助に慣れればと思って積極的に書きたいと思っているところです。

      S2000オーナーでありながら、サーキット仕様でなく、純粋な街乗り仕様でないという中途半端な立ち位置ではありますが、参考になる記事をできるだけ書いていきたいと思ってますので、ぜひこれからもヨロシク!

  4. マフラーの干渉でしたか!
    それにしても穴が3つあるマフラーハンガーは初めて見ました(汗

    私も、意外な異音と言えば、フロントロアアームのボールジョイントが外れかかって発している異音がありました(ちょっと笑えないですが(^^;A)

    • マフラーのタイコがぷらんぷらんしたまま走ってたいうのも、実にお恥ずかしい話ですが(^ ^;
      マイナーチェンジ時の3穴ハンガーへの変更には、それなりの理由があったわけですね。

      負担かけてれば、かけてるなりに点検整備を継続することは重要ですね。

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