12月 312011
 

コンセプトからイメージを引き出し、それを空間構成として具体化して初めてプランニング、いわゆる「間取り」の作業に入ることになります。

プランニングとして作成するのは、間取り図として比較的馴染みのある設計図面です。
家を平面的に、真上から見た際の状態を考える行為なわけで、この部屋がこの位の大きさで、部屋の数がこれだけで、収納がこのくらいで、とやっていくのが通常だと思います。
実際、誰でも考えやすいので、まったく建築のことを知らない人でも使うことができる間取り作成ソフトなんかが存在したりします。

でも、ここでひとつ気を付けたいのは、プランニングは決して平面的な要素で成り立つのではないということ。当然ながら家というのは立体的な存在であり、間取り図というのはあくまで3次元の物体を2次元に簡略化して示しているということを忘れてはなりません。間取り図には示されない高さの情報を並行して考えながら、プランニングすることが重要になってきます。
間取りをつくるというより、「空間をつくる」という意識が大切ですね。プロの設計者は、常にこの「空間」を脳内に描きながら建築を考えています。

そういった意識を持ちつつ、空間構成の章で組み立てた内容を、紙上に平面図として落としていきます。ただし、この時はまだ、厳密な寸法は無視して、「だいたい」の寸法に従いながら進めていくことにします。
それにもちゃんとした理由があって、最初から寸法に縛られ過ぎると、自由な発想を制限してしまうから。できるだけ理想の空間を組み立てておき、後で実際に実現可能な寸法に落としていく、という作業がベターですね。

最初に考えたプラン(平面計画)は、大きなコア空間に小さな空間がいくつか繋がっているものでした。家の形状は、ごくシンプルな長方形。出っ込み引っ込みは全くなく、上下階とも同面積の3層建てとしました。
ただし、面積や高さの制限によってフル3層の家はつくることができないため、2層+ロフト的なプランです。

事前にある程度コンセプトによる構想が進んでいたので、最初に考えたイニシャルプランが既に、最終的に決定したプランにかなり近いものとなっていました。
最初に考えたプランから、細かい変更や修正を加えることにかなりの時間を費やし、熟考に次ぐ熟考を重ねています。
しかし、基本となる空間構成はプランニング以前に固まっていたので、大きく方向性を変更しなければならないような場面には遭遇せずに検討を重ねていくことができました。

(具体的なプランについては、また来年・・・)

 Posted by at 5:04 PM

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