吉備高原道路から国道429号に戻り、国道180号と繋いでやってきたのは吉備津神社。
ツーリング的には御用のなさそうな岡山周辺なのだが、ここはちょっと興味惹かれるスポットだったのだ。
無料の大きな駐車場に停めて散策開始。したけれど、さほど敷地が大きくなく、見所も限られていた。
参道入ってすぐにもう本殿。神宮のような思わせぶりな空間構成とかは一切なし(笑
室町時代建立の本殿・拝殿が吉備津神社のシンボル。
入母屋の屋根が2つ並んだ姿はが特徴的で「吉備津造」と呼ばれるものの、そんな様式の建物は唯一ここにあるだけ。
伊勢神宮にしろ出雲大社にしろ、古来からの神社は固有の建築様式を持っていることが多いよね。
その本殿より印象的だったのが、本殿脇から続く回廊。
総延長400mとかで、起伏のある地形に添って奥の奥まで繋がっている様が面白い。
伏見稲荷を彷彿とさせる、連続要素による空間の妙。
とりあえず端まで歩いて引き返す。
かなり玄人向けのスポットではある。
次に向かったのは、備中国分寺。
岡山から総社にかけての一帯は、いわゆる吉備路と呼ばれる古道のエリアで、古代ロマンを感じるスポットが点在している。
備中国分寺もそのひとつ。
自分の中では、国分寺の中でも郡を抜く知名度、という印象で、一度は訪れてみたかった。
田園の中に突如として現れる五重塔。
これが備中国分寺の全景。ここまで人工物の要素のない背景に佇む五重塔の風景も珍しい。まるで古墳。
それは言い過ぎにしても、どこか廃寺を思わせる光景だ。
訪れてみるまで知らなかったが、備中国分寺は奈良時代、聖武天皇によって全国に建立された国分寺のひとつではあるのだが、やがて廃寺となり、その後まったく異なる寺として復興、名前だけが残っているらしい。
何だ、そうだったのか。お寺自体は、どこにでもある普通の寺で、境内の中に普通に住職のクルマとかが停まっている。
五重塔も、近くで見上げるより、遠巻きの風景として眺めていた方が断然面白い。
漂う空気感は奈良の明日香村周辺に似ているが、五重塔がこんな田園風景の一部になっているっていうのは、他で見た記憶に無い。
寺の中より周辺の雰囲気がとってもいい。
五重塔と周辺の田園が一体となったランドスケープに価値が置かれているようで、その風景をできるだけ保存しようとしている努力が感じられる。
田畑ひとつ他人の手に渡っても、まったく異なる風景になってしまう。そう考えると、すっごく繊細な風景だなぁ。
畦道に入り込んで、田園の中の寺と佇むエスの風景を撮るのもはばかられるくらいだったので、野暮なことはしないでおくことに。
県道沿いの無料の観光駐車場(寺の駐車場ではない)から、遠巻きにパチリ。
そろそろ停滞のことを考えなければいけない時間だ。
今日は福山で羽を休めるつもりだったので、このまま倉敷に出て、国道2号で向かうのが順当だろう。
でも、ここから早くもクルージングではちょっと物足りない。
一考の末、国道2号には出ずに、手前の倉敷ICから山陽道へ。
向かう先は広島方面、ではなく岡山方面。倉敷JCTで瀬戸中央道にスイッチ。
あれれ、広島ツーリングのはずが、四国ツーリングに趣旨替えか!?
吉備津神社は行ってみたい場所の一つです。
それと国分寺付近の道路にある「KIBIJI」の案内が気になります。
自転車でのポタリングも面白そうかも?
(^^)
吉備津神社は思ったより小振りで、回廊とかが目立つせいか、ちょっとお寺っぽい雰囲気の神社でした。
駐車場も広いし、クルマで訪れやすいスポットだと思います。
「KIBIJI」の路面サインは、まさに備中国分寺の畦道みたいな道で見かけたものです。
イラストレーション的にシンプルで洗練されて美しいと感じたので記録していました。
ツーリングマップルによると、総社から備中高松にかけてサイクリングロードが設定されているみたい。
吉備路には古墳も多いですし、ポタリングも楽しそうですね。