【国道336号 黄金道路】
静内からは大人しく国道235号を東へと走ることとした。
三石、浦河、様似と続く海沿いの単調路で、距離が長く交通量も多い。
襟裳岬に向かう道であることから、バイクをはじめとするツーリストが特に多い。
岬に近付くにつれ、気持よく晴れ渡っていた空に徐々にモヤがかかり始める。
と思ったら、突然視界が晴れたり。
風と霧の岬、襟裳岬が近い証拠か。
この日以降、太平洋沿岸のドライブは、この霧によって阻まれるなんて、この時は思いもしなかったけど。
襟裳岬
そんな中だったので、岬は霧の中だった。深い霧ではなく、浅い霧。夏の岬らしく、風情はあるけれど。。
襟裳岬に訪れるのはかなり久しぶりだ。以前のツーリングでは訪れていないので、最後に訪れたのは札幌在住時代。相当昔の話になってしまう。
だだっ広い大地が海に落ち込む印象が残っていたが、実際に訪れてみると、持っていたイメージとは少々異なっていた。
長大な日高山脈が太平洋に落ち込む場所、襟裳岬。地形学的には特異点で、その視点で周囲を見渡すと、景観の味わい方も異なってくる。
残念なのは「浅い霧」で周囲を覆われていること。強風が売りモノの襟裳岬だが、この日は風はそうでもなく、ひたすら浅く漂う霧に覆い尽くされていた。
岬には「風の館」という展示&展望施設があった。
昔はなかったような気がするが、風の強い日でもゆっくり見学できるように設えられたようだ。しかも入館有料。さすが有名観光地。
今日は霧で景色は見えませんよ、と入館前に受付にて丁寧なアドバイスを頂いたので、入館料は節約することができた。
観光地といえば、お決まりのこういう物産店。現代では役目を終えて廃墟となっているケースが多いが、ここ襟裳岬はバリバリ現役。
やはり北海道の突端は、人気の度合いが違う。次から次へとクルマやバイクが入ってきては出ていく。
長い間訪れていなかったことからも想像できる通り、襟裳岬は日高山脈の末端という以外は、これといった魅力を感じない場所というのがホンネである。
その理由は、ここまで来る道に選択肢がないこと、アプローチ路が長くて単調なことに尽きる。
それだって、日高山脈に阻まれている地形の特徴に起因するものではあるのだが。
黄金道路
襟裳岬を離れて、岬の東側海岸を走ると、「黄金道路」と呼ばれるドライブウェイが待っている。
黄金に光り輝く美しい景観の道、という意味ではない。黄金を敷き詰めるほどカネがかかった道、というのが正解である。(改めて語るようなことでもないか)
長大な覆道が次々と現れ、所々トンネルにて岩壁を貫くシーサイドウェイ。
なのだが、今こうして十数年ぶりに走ってみると、正直このくらいの土木構築物を伴った道路は、全国どこにでもありそうな気がする。
ただ、それでも「黄金道路」と揶揄されるのは、ほとんどクルマが通らないような場所にもかかわらず通してしまったからではなかろうか。
「黄金道路」という名前が、半分以上皮肉にしか聞こえない(少なくとも自分の耳には)のは、そんな解釈をするからかもしれない。
霧に包まれたり晴れたりの繰り返しは相変わらず。
運良く霧が引き切ったところでエンジンを止め、波の音に聞き入る。
黄金道路は思いのほかあっという間に終わってしまう。
豊似で国道236号にスイッチ。直線路ばかりで退屈。忠類まで走るが、道道657号でR336に戻ることとした。
これがクルマも人家もまったくない、異世界を走るかのような寂しいルート。
十勝平野と帯広を避けて、直接釧路方面を繋ぐ短絡路に見えなくもないが、走ってみるとそんな便利な立ち位置の道路にはまったく見えない。
その分、アクセル踏みつけて疾走する楽しみを味わうことはできるのだが。
途中、道道1051号で湧洞湖に寄り道。
何にもないただの沼。それが北海道の当たり前。
無に近い景色の中で、エスが佇む絵を期待したのだが、空を覆う雲はますます分厚く寒々しいので、早々に引き返してしまう。
R336に戻ると程なく、だだっ広い河川敷が特徴の十勝川に架かる十勝河口橋を渡る。
全長1km近くの長大な橋だ。相変わらず、他にクルマはまったくいないけど。
この十勝河口橋は、R336を語る上で欠かせない存在だ。
この長い長い橋が架かったのはそれほど昔のことではなく、それまでは川を渡る国道区間は不通だったという過去がある。
山を越えられない国道不通区間なら日本全国にまだ残っているが、川を越えられないというのはあまり聞いたことがない。
しかも、その不通区間にはかつて渡し船があったというからオドロキだ。国道の一部が定期航路ではなく、人力渡し船!
とてつもないロマンと興味をソソられるが、立派な橋で対岸が繋がった今はその面影もなく、残念な限りだ。
R336を浦幌に向かわずそのまま直進していくと、道道1038号にぶつかって途切れてしまう。この先が延伸される風情もなく、謎の多いR336に別れを告げる。
D1038は海沿いを走り、やがて国道38号に吸収される。
R38は幹線道路。釧路へのメインルート。クルマは多い。
白糠の道の駅で、この日最後の休憩。
ここの道の駅は、歴史ある?立寄り頻度の高い道の駅のひとつ。なぜか豚丼で有名らしいが、外の売店のソフトクリームが美味い。
ここまで来たら、釧路は目と鼻の先。
市街地に入って給油し、釧路駅前のビジネスホテルにチェックイン。
今回はキャンプツーリングを楽しむ予定だったが、前夜がフェリーで雑魚寝で距離も走ったので、初日だけは体力回復のためホテル住まいとした。
夕食は釧路の味覚を楽しめそうな近くの居酒屋に入ってみるが、家庭料理的でやや不発だった。
しかしこれだけは特筆できる。
釧路でウニ丼とは芸がないが、さすが北海道、やっぱり美味い。
もっとも驚くべきはその値段。この量で、なんと800円!素晴らしきかな北海道。
初日からグッと走り続けて道東入り。幸先がいい。
ここからは距離に拘らず、じっくり道東の道を噛み締めてみよう。
遅ればせながら、北海道ツーリングお疲れ様でした。
旅の始まりの記事にて、みっちり(綺麗に)積み込まれた旅の道具の写真に、どこへ行かれるのかと、ドキドキわくわくしておりました。
一日の中で天気がコロコロ変わっているように見えるあたりが北海道なのかな?と。(←そうか?)
黄金道路の“誰も走っていない感”も凄いですが、〆のウニ丼がたまりませんねえ(羨)
翌日以降の寄り道も楽しみにしています!
峠を越えただけで、天気が激変するシーンがこの後もいっぱい出てきます。
ひとくくりに北海道と言っても、場所によって天気が良かったり悪かったり、暑かったり寒かったり。
今回は特にそんなシーンが多かったような気がします。
黄金道路も一応国道なので、まったくクルマが来ないわけではなく、北海道の中ではむしろメジャー路線に位置付けてもいいのかもしれません。
国道から一歩入ったマイナー路線は、待てど待てど誰も通りはしない、なんてのはザラです。
今回は敢えてそういう道に突っ込んでくケースが多かったですから、今後の展開をお楽しみに^ ^
最後の写真、店としては特筆すべき所ではなかったので店名は伏せますが、、シメのウニにはやられましたね。
ただ、ウニはやっぱり礼文島のが忘れられません。保存剤のミョウバンに漬けられていない、潮の香りがプンプンするウニをたらふく食えるのは、礼文島だけだと思います。いつか是非、訪れてみてください。
このウニ丼、800円ですか? 信じられません。スーパーで売っているミョウバン漬けのチリ産とは
違うんですよね?
知床でも美味かった記憶がありますが、そんな値段ではありませんでした。 釧路のウニ丼とは・・・盲点でした。
ちなみに、私も積丹でバフンをオーダーしました。値段は・・・会った時にお話します。(苦笑)
ウニ丼は、本文では書きませんでしたが、釧路駅前の「酒楽」という居酒屋です。
正直、最後にウニ丼頼むまでは失敗したと思ってましたが(笑)、大逆転勝利です。
ただ、やっぱり礼文島のとは違います。やっぱりあそこのが一番。
シャコタンのは・・・そうですね、内緒で教えて下さい。