8月 272016
 

2016 08 27 01

ウトロで迎えた朝、空は断然曇り。だが、雨が落ちていない。

この日は今回の道東ツーリングで唯一明確な目的地と言っていい、知床岬に向かう予定の日だ。
数日前の釧路でネット予約した観光船の集合場所へと向かう。エスは駐車場にてお休みである。 

ウトロから知床岬に向かう観光船には、大小いくつもの運航会社が存在するが、Webで目についたクルーザー観光船を選択していた。
さすがにハイシーズンということもあり、ほぼ満席。しかも予約順に席を取れるので、直前に予約した自分は、自動的に後方の余った席に。
写真を撮りたいので、雨風が当たらない外部という場所は、特段悪くはなかったが。

2016 08 27 02

午前10時出航。国道334号知床横断道路の登り口を横目に、クルーザーがスピードを上げていく。
後ろからは同時刻に出向したと思われる大型船がついてきたが、あっという間に引き離してしまった。

2016 08 27 03

のっけから奇岩奇景のオンパレード。クルーザーはその度に速度を落とし、可能な限り岸まで近づいていく。
とは言え常に動いているし、今にも降り出しそうな暗い空でシャッタースピードが極端に遅いこともあり、画像は流れ気味。

2016 08 27 04

フレペの滝(乙女の涙)

出航してそれほど時間も経たないうちに、最初の絶景スポットに到着した。
優しく流れ落ちる二筋の滝。よく見ると、岩の割れ目から直接流れ出ているのがわかる。
この滝には川がなく、地中に浸透した雨や雪解け水が、直接流れ出ているという珍しい光景。

ちなみにこの滝には、崖上に展望台があり、遊歩道を歩いて到達することもできる。

2016 08 27 05

湯の華の滝(男の涙) 

乙女に対して男の涙。
海上からしか見ることができないので、隠れて涙を流すという意味から、この通称があるらしい。

2016 08 27 06

2016 08 27 07

2016 08 27 08

奇岩にはそれぞれ名前が付いていて、事細かにガイドが説明してくれる。(覚えてないけど(笑)

海上には定置網の位置を示す浮きが並んでおり、クルーザーはその間を縫うように航行する。
ずっと岸辺を走っていてくれると、間近に見る圧倒的迫力の地形を楽しめるのだが、この時期はそうもいかないようだ。

この時期は樺太マス漁の定置網だそうで、例年より早く網が敷かれているそうだ。
昨年は爆弾低気圧で網という網が流されてしまったそうで、今年は漁師の気合いが違うとか。。

2016 08 27 09

象岩

これだけは覚えていた。見たまんまだし(笑

2016 08 27 10

野生動物の宝庫でもある知床。断崖には、羽を休める鳥たちも多く見られた。
これはオジロワシ、かなぁ。他の場所ではウミウも。写真は失敗したから載せないけど(汗

2016 08 27 11

カムイワッカの滝

あの有名な「カムイワッカ湯の滝」ではない。湯の滝が、海に落ちる滝のことだ。

カムイワッカ湯の滝は、札幌在住時に何度か行こうとしたことがあるけれど、結局行かずじまいだった。
有名になって観光客が多くなり、転落や落石の危険性から規制がかかっていると思っていたのだが、普通に自家用車で行けるらしい。(ただし時期によってはシャトルバス以外は規制される)
ただ、ダートを延々走るので、エスでは向かう気がしない。てゆうか温泉に対しては、もはやそこまでの情熱は無いので。。

2016 08 27 12

ルシャ海岸

このカムイワッカの滝から、断崖は影を潜めて、海岸に平場が続くようになる。
かなり大きな番屋があったりして、珍しく人の気配のするエリアだ。

2016 08 27 13

番屋には重機やトラックが停まっている。ここまでは林道がつながっているらしい。

知床岬クルーズの過程で唯一と言っていい人の気配が感じられるルシャ海岸で、遂に現れたこの訪問者。

2016 08 27 14

ヒグマの親子連れである。
大きな石の上をヨタヨタと歩く子グマを、母グマが時折振り返りながら連れ立っている。
至近距離では絶対に遭いたくないが、海上からだと、単なる微笑ましい風景になる。

しかしながら番屋の直ぐ側で、ヒグマが普通に散歩しているのには驚く。
知床は、ヒグマの密集度が世界有数であることが注目されているわけだが、人との共生の姿とその歴史も、注目すべき事実だと思う。
知床の住人たちとヒグマは、お互いに過度に干渉せず適度な距離を保ちながら暮らしてきた。その関係が、ここ知床の奥地では今も続いているのである。

野生動物との共生の、究極の風景と言っていいのではないだろうか。
わかってはいても、目のあたりにすると衝撃的だった。

(後編に続く)

 Posted by at 11:33 AM

 Leave a Reply

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>