5月 202017
 

2017 05 20 05

【国道194・439号 道の駅「633美の里」】

京柱峠を何とか、えっちらおっちら下りると、国道32号出る。
高松と高知を結ぶ大動脈をしばらく南下し、大杉で高知自動車道大豊ICの案内に従って、右に折れる。R439の後半戦の始まりである。

ここからは割と、どこにでもあるような普通の道になる。
土佐町に入り、早明浦湖の南端にある道の駅で小休止。小さな道の駅だが、休日の真っ昼間ということで、ごった返していた。
土佐町の地酒でちょっとした物を見つけて購入。最近は、その土地の地酒を土産に買って帰ることが多いけれど、今回はここ一つだけだった。

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ここから、R439は劇的に変化を遂げる。
目も覚めるような山岳ハイウェイ。ロングストレートが連続し、速度の乗るコーナーが、これでもかこれでもかと挑んでくる。

R439にこんな区間があるとは思いもよらなかった。バイパスやトンネルが開通して、とんでもないハイスピードコースになっているのだ。
おそらく数年前までは「酷道」の一部で、こんな快走なんてとてもできる状況じゃなったであろうと思われ。。。

土佐で前を走っていたヤンチャな軽四が、道を譲ったと思ったら、猛烈な勢いで追い立ててきた。
軽四と勝負する気にはさっぱりならないので、5割程度のペースで流していたけれど、後ろの御仁がターボの過給音とタイヤのスキール音を撒き散らしながら、煽る煽る。

・・・すんません、一人でやってもらえますか? (頼まれたって相手しないですよ)

そんなKYな軽四もいつの間にかいなくなり、またしても快走の連続。
R194と合流し、道の駅「633美の里」に立ち寄るも満車のため、すぐさま立ち去ることになる。

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R194とはすぐさま別れ、単独区間で大峠を長大なトンネルで越え、今度は仁淀川町で国道33号に合流。
しばらく並走して、また単独区間に。少し走ると、京柱峠以来、久しぶりに狭路区間が始まった。

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場所的には、四国カルストのすぐ東側だが、カルストには寄らず、一心不乱にR439とお付き合い。
国道197号に合流した後、梼原方面に少し行った後、分岐するような絵が地図には描いてあったが、この分岐をナチュラルに見落としてしまう。

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すぐに気付いて引き返した分岐は、トンネル出口の青看もない寂しい交差点だった。
これが始まりの合図みたいなもので、ここから大正までの区間は、とにかく長い。
檮原川(とその支流)沿いに延々と行く谷筋の道は、険しくはないものの、見通しの悪い狭路がとにかく、とにかく、とーにかく延々と続く。ほんと飽きるくらいに。

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この区間だが、走ってて、どうもどこかで体感したことあるなぁ、って思ってた。後で確認したら、この区間、以前一度走った経験のあるルートだった。
まったくもってして忘れていたが、記憶の片隅に残ってたがゆえにデジャブー感じて、それが当たっていたというのは、ある意味恐ろしい。。

めちゃめちゃ長く感じる川沿いの狭路区間を完走したら、国道381号に合流。大正の道の駅でトイレ休憩を済ませる。
ここまで来たら、R439もあともう少し。想定外の快走区間のおかげで、当初の想定よりも1時間も早い。もう勝ったも同然 !?

しかし、ここからが難敵だったのだ。。

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大正を出た途端、遂に土砂降りに。
しかもR439は、R381から離れた途端に狭路が始まっていく。
今までの川井峠、見ノ越、京柱峠と寸分違わぬ悪路が待ち受ける。

土砂降りはやがて、霧となって視界を奪う。
狭路にもかかわらず、霧で周囲の視界が失われた挙句、強雨で路面は散々たる状況に・・・

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今回、R439でもっとも過酷だったのは、結果としてこの大正〜中村間の杓子峠だった。
それは天候によるところが大きかったに違いない。雨によって路面は荒れ、視界も奪われる。(写真がマトモに残ってないのは、それどころじゃなかったから)
また、R439の峠としては例外的に、とにかく交通量が多かったのだ。

次々現れる対向車。しかも路幅は極度に狭い。
離合するスペースも極端に少なく、延々後退を強いられる。それがかなわない時は、路肩から左側車輪を落としてやり過ごすこともしばしば。
この天候なので、路肩に逃れることは相当の勇気を要するが、極微低速でおそるおそる車輪を落とすことで何度か難を逃れる。
途中、対向してきたデリカの運転手に、哀れんだ表情で「この先ずっとこうだよ」と声をかけられた。

わかってます。わかっててやっている。

でも傍から見たら、迷い込んだにしか見えないよなぁ。

R439の走破は、天候が悪かったらヤメといた方がいいなと思っていたのだが、ここまでギリギリ空がもってたので、最後の杓子峠は勢いで突っ込んでしまった。
これまでの経験と度胸があったから事なきを得たが、状況が悪かったら到底オススメできない。ましてやS2000でなんて・・・

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杓子峠を何とか無事に乗り切り、住次郎の集落に辿り着くと、そこからは快走区間。
しかし折からの強雨(てか、豪雨)で、道路は所々浸水気味。
万が一のことを考えて慎重に走って、中村の市街地に到達した。

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R439終点は、四万十市(旧中村市)で国道56号に当たる交差点(交差点名不明)。めでたくゴールに到達。想定より1時間早い17時の到着だった。
今朝6時に出発して、約11時間。約350kmをこの時間で、と思うとペースが悪い気がするかもしれないが、その大半が極狭路なので、これでもいい記録だろう。
途中の超快走区間がなかったら、到着した頃には周囲は暗くなっていたと思われる。

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無事完走した達成感に包まれて、中村市街で給油。その後、抑えておいた民宿に投宿。
そう、今日は民宿である。しかもビジネス民宿という微妙なジャンル(笑
GW真っ最中のこの時期、こんな辺鄙な地方都市だから、ここしかなかったのだ。

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案内されたのは六畳一間の寂しいお部屋。トイレもお風呂も、当然共用。ま、泊まるだけだからこれで十分なわけで。。
駐車場は道路向かいの荒地に詰め込む方式だったが、「明日早いんです!」と主張したら、建物下のガレージに収納していただけることになった。ラッキー。

さて、中村である。
中村と言えば、2年前の秋に訪れた際に、なかなかいい思い?をした街である。
その再現を、と思っていたのだが、前回訪問した居酒屋は超満員で、まったく受け付けてもらえない状況だった。

ならばと思い、手当たり次第に当たってみるのだが、、どこもかしこも超満員。ケンもホロロな扱いを受けて、傷心気味となった。
街にはあぶれたと思われる集団が闊歩している。こうやってツーリングして、連休最中に地方都市に泊まる機会があると、地方都市ならではの「帰省」宴会に阻まれることが実は多々あり、今回もそれにハマってしまったようだ。
散々街中を歩いたが、結局良い対応をしてもらえる店はなく、最後は投げ出すようにホカベンで処理することに。。

ビジネス民宿で食すホカベンは、まったく美味しいことはなく。
R439を走破した祝杯を上げることもできず、四国中村の夜は、何の華やかさもなくいつの間にか終わってしまっていた。

 Posted by at 11:32 PM

  4 Responses to “四国四都物語 〜激走!S2000でR439完全制覇(後編)”

  1. 439完全制覇、お疲れ様&おめでとう?ございます。
    今回は天候も影響したとは思いますが、R439の難所は私も杓子峠付近あるいは、その前の川沿いだと思います。TTRSでもSLKでも走りましたが、なんかこうリズムに乗れず、走りにくいなと思った記憶が鮮明です。

    中村での宿泊は残念でしたが、GWはあの小さな町も大賑わいなんですね。

    • 何とか、所要11時間で攻略しました。

      最後は悪天候でどうなるかと思いましたが、意地でしたね。
      R439の峠の中でも、杓子峠はもっとも狭い部類でしたが、そこに雨と霧。路面状況も最悪で、エスから「いいかげんにしろよ」という悲鳴が聞こえてくるようでした(笑
      梼原〜大正の川沿い区間、今回が2度目だったわけですが、今回も本当に長く感じました。
      走っても走っても同じような景色、コーナーが延々続いて。。リズムに乗れない、っていうのはわかる気がします。
      京柱峠と見ノ越がクローズアップされがちですが、徳島側から走ると終盤にこれらが待ち受けていているところが、R439のいやらしさ、じゃない走破のポイントですね(笑

      中村に限らず、今回は夜のお店?に悩まされる傾向が。。
      実は数日前に、前回と同じ店を予約を入れようとしたんですが、既にどうしようもないくらい満席でした。
      今度訪れる時(←リベンジするつもり)は、1ヶ月くらい前に予約して行くことにします。

  2. R439完走、お疲れ様でした。
    終盤に待ち受けていた、気が遠くなるほど長い極狭路、悪天候、押し寄せる対向車・・・想像するだけでも恐ろしいです。
    1059さんのツーリング・レポートはいつも「私も行ってみたい!」と思うものですが、R439に関してはちょっと真似ができません。
    まだまだ、修行(?)が足りませんねえ、私(汗)

    ところで土佐で出遭われた「ヤンチャな軽四」、とある山の中にて私も同じようなものに遭遇したことがありました。
    譲ってくれたので前に出ると、スキール音炸裂でフラッフラになりながら張り付いてくるので、ちょっとこれは正気の沙汰じゃないな、と思ったものです(笑)
    何コーナーか抜けてようやく我に返ったのか、ペースダウンして追いかけてこなくなりましたが・・・謎です。

    • ツーリング前半戦にして、最大のヤマ場、R439走破の顛末でした。

      酷くマイナーなルート設定の400番台国道ではありますが、実は改良が進んでいて、目もくらむような酷道からは徐々に脱却してるなぁという感想も持ちました。R439より酷い国道は、まだ五万とある気がします。なので、ここが最凶とは言い難い。
      ただ、総延長約350kmという距離に関しては、他にはない特徴ですね。これを全線走り切る冒険は、四国ならではの題材だと思います。
      かと言って、是非走ってみてくださいとは決して言えません。特にSho-zさんのようなピカピカの愛機で攻め入るような場所ではないかと(笑

      今回みたいな勘違いしたクルマが追っかけてくるような経験はほとんどないですが、同じように抜かれまいと必死になって逃げようとする前走車に出会ったりすると、オイオイ・・・と思いますね。
      そういう場合に限って、タイヤのグリップとか関係なしの、メチャクチャな操縦だったりします。
      現代のクルマは性能が上がり過ぎていて、ゲームみたいにスイッチ的な操作でもある程度クルマがカバーしてくれるからできる芸当ですが、クルマというのはあくまで物理の法則の範囲内で動くものなので、危険だなぁと思います。
      そういうのには極力構わず、スマートなドライビングを心掛けたいものです。

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