【県道34号 高茂岬】
外泊地区のある西海町の半島には、狭いながらも周回する道路が敷かれている。
鬱蒼とした道を反時計回りに走り続けると、やがてぱっと視界が開く。
そこが高茂岬だ。
エスを停めたその場で、なかなかいい眺め!と鑑賞していたのだが、よくよく散策すると、岬の先端に下りていけるようで。。
まるで南国の離島のような風情じゃないか。(少なくとも四国っぽくはない)
その先には、まさに絶景が。
いやいや高茂岬、こんな景色を潜ませているとは思いもよらなかった。
大昔に訪れているはずなのだが、まったくこんな印象はない。おそらく、歩いていないのだろう。
しかも運の良いことに、岬の先は青空ゾーン。
ここまで来る県道34号は霧雨状態だったのが、この変わりようである。
コロコロと変わる空模様に翻弄されているが、ここぞのポイントでこの空なら、文句は言うまい。
駐車スペースに戻っても、明るい日差しが途切れない。
そんな時は、絶景をバックにコーヒーブレイク。
今回の旅には野営道具は持参していないのだが、こんな瞬間のためだけに、「無駄」な荷物をトランクに忍ばせるのが、R styleの流儀なのだ。
一つの場所に留まる旅ではないので、過剰に手間はかけたくないが、せっかくなら美味しいのを用意していくのが贅沢でいい。
昨日、奥祖谷で汲んだ湧き水を、ジェットボイルで沸かす。これで飲むちょっといいトコのコーヒー。このシチュエーションだから、これだけでも格別な味わいだ。
最高にキモチイイぜ。
ちなみに、「高茂岬」をずっと「たかもみさき」だと思ってたのだが、この時初めて「こうもみさき」と呼ぶことを知ったというのは内緒である(笑
高茂岬からは、県道番号が300号に切り替わる。
それだけで狭路悪路を想像したが、意外とそんなことはなく、比較的走りやすい道だった。
それもこれも、前日の酷道の影響と思われ。。(笑
途中、入江の港の風景に心奪われ。。
透き通った静かな海辺を眺めていたら、大きな魚が飛び跳ねる光景を何度も目にした。
決して走りが楽しめるようなコースではないし、観光ルートでもないけれど、静かにその土地の風景を楽しむことができる。
旅慣れた方にこそ、訪れてほしいコースだ。
国道56号に戻って、宇和島方面へ。
須ノ川を過ぎると、宇和島道路との分岐が現れる。宇和島は前回の四国で訪れたので、ここはバイパスでひとっ飛び。
そのまま松山自動車道に入って、三間ICでいったん下りる。ICの目の前にある道の駅で、愛媛の定番、じゃこ天1枚。
再び松山道に乗って、次の西予宇和ICで下りて、今度は道の駅「どんぶり館」に立ち寄り、またしてもじゃこ天。
ここのじゃこ天は絶品だった。
その場で練り物の塊から作っていて、揚げたてを提供してくれる正統派(!?)
思わず2枚をget。熱々をハフハフしながら食べたら、それだけでお腹一杯になってしまった。
県道29号を東に向かい、国道441号。さらに県道35号、国道197号と繋いで、大州方面へと向かう。
肱川沿いの道を快走して、またしても道の駅。ここではさずがにじゃこ天は食べなかったが、目の前にある農家のガレージに目が釘付け。
ミュージアムですか、こんなとこで(驚
しかも、S600はこの裏にもう1台、現役っぽい(ナンバー付きの)白いのが停まっていたという。。
大州で県道24号。やっぱり肘川沿いを河口まで走って国道378号へ。
この辺りで、周囲はすっかり夕方の風情に。瀬戸内海沿いを走るR378は、通称「夕やけこやけライン」と呼ばれるほど、夕陽の風景がもてはやされるルートだが、雲の多い本日の空だと期待薄だ。
その代わりではないのだが、並行する予讃線のこの駅に寄ってみることにした。
全国一、海に近い駅とかで、よく耳にする下灘駅。
よく耳にするだけあって、大変な盛況のようで。。。
無人駅前は、大渋滞のお祭り騒ぎ。
ぜんぜん、風情もへったくれもない。(エスは国道の駐車帯に置いて、ここまで歩いてきた)
当然、プラットホームはこの惨状で。。
海に近い、というのがウリで、確かにそうなのだ。
そうなのだが、現地に行ってみたわかったのは、高台にあって下を国道が通っているという、「一見、海に近そうに見える駅」というのが真実、ってことだった。
戻る途中、松山行きの一両編成が駅に向かっていった。
あの人混みの中で、一人でも列車に乗車する人はいたのだろうか。。
R378をブンブン走って、伊予でR56。今日走った分を給油しつつ、松山市内へ。
松山市街に入ってきた頃には、周囲は薄暗くなっていた。
マトモに市街地中心部に乗り込むと、目の前に松山城。目指すビジネスホテルは、市街地のど真ん中にあった。
ホテルの付属立体駐車場は、既に満員。まぁ空いてても、断られるケースが多いんだけどね。(最低地上高が理由で)
提携駐車場はかなり離れた所にあるとのことだったが、明日の朝が早いことを告げると、隣のコインパーキングを勧められた。
時間料金の関係で、ある時間まではコッチのが安く済むという。
そんなわけで、松山の繁華街のど真ん中で、エスをデポ。ホテルにチェックインする。
部屋に荷物を置いたら、早速、夜の街散策。
実は初・松山である。
松山の近くで泊まったり、昔はそれこそ車中泊したことはあるものの、街中で宿泊するのは初めてで、街を見るのも初めてである。
普通に観光するなら松山城とかあるけれど、既にそれに適した時間ではない。となれば、行く先は迷わず繁華街である(笑
繁華街をそぞろ歩くことで、その街の雰囲気が感じ取れるというものである。
結論から言うと、松山は都会だった。
四国四都の中では、やはり別格。人も多いし、店も豊富なのである。
アーケード街から一歩逸れると、そこは歓楽街。
客引き防止を謳う放送がそこかしこで流れ、この一帯に限っては、寂れた地方都市という雰囲気はまるでない。
繁華街と思われる一帯を歩き回り、街の雰囲気を一通り感じ取った後、適当な店に入ることにする。
大都会?松山なので、敢えて郷土料理に拘らず、一番得意なバル形式のお店へ。
歓楽街のど真ん中、入口がスナックのようなスペインバルを発見。
若干、扉を押すには勇気が要ったが、何か間違ったとしても(?)旅の恥はかき捨てである。
扉の向こうは幸い、どストレートなスペイン居酒屋だった。
早速、泡で喉を潤す。泡とはこの場合、麦酒のことではない。
景気付けが済んだら、リオハのボトルに移行。
本日の走行距離は大したものではなかったものの、朝からこの時間まで走った余韻が心地良く、加えて昨夜の反動から(笑)ワインが進む進む。
凝ったアテもなかなかで、即席で見付けたにしては満足度の高い店だった。
二軒目は、アーケード街のカジュアルなお店へ。
店内の大画面でずっと「ワイルド・スピード(のリオが舞台のやつ)」が流れていて、ギネス片手に思わず見入ってしまった。
遠く知らない街の夜でも、特にその土地ならではに拘らないのが1059流。
そんな異邦人でも、松山の夜の街は快く受け入れてくれたのだった。
こんばんは。
下灘駅について、「一見、海に近そうに見える駅」という表現ですっきりしました。
なぜって、どう考えても鶴見線の海芝浦駅の方が海に近いですから。ずっと下灘駅のキャッチコピーは嘘じゃないの?ってモヤモヤしていました。
1059さんの表現であれば、納得です(笑。
まさに「キャッチコピー」だと思いました。
現地に行ってみれば、一目瞭然。あれは「近い」とは言わないでしょう(笑
正直、あの程度の駅なら、全国各地にもっといい場所がある気がします。昨年のGWに訪れた「鎧駅」とか。。
青春18きっぷのポスターかなんかになったから?、もてはやされているんでしょうか?
情報に踊らされずに、自分の感性で、本当にイイ!と思った景色を発信していきたいと、改めて思った次第です。
高茂岬、静かな雰囲気でなんだか素敵な場所ですね。
・・・で、“無駄な荷物”がカッコ良すぎます(汗)
ここぞという場所で最高の贅沢、R439で蓄積した疲れも吹き飛んだのではないかと想像します。
カッコいいと言えば、夜の街歩き・お洒落なお酒(笑)
(安物の梅酒しか飲まない私には真似できそうにありません・・・)
中村の街が残念だっただけに、大都会・松山を存分に楽しまれた様子が伝わってきましたよ。
「無駄な荷物」ってある意味、贅沢なんですよね。
小川テントのリラックスチェアなんて、トランクいっぱいにして持っていく必要があるわけです。一瞬しか使う時ないのに。
無くても全然OKなモノではあるのですが、こういう工夫が、ツーリングのちょっとした味付けになると思ってて、相変わらず無駄なことを考えています(笑
松山の夜は良かったですね。
カジュアルな店も充実していて、地方都市にありがちな、部外者にとっての「入りにくさ」はあまり感じませんでした。
自分もSho-zさんくらいの頃のツーリングでは、キャンプで缶ビール1杯が関の山、でしたので大丈夫??ですよ(笑
朝から寄り道しながら昼間はクルマ走らせて
陽が落ちたら、夜の帳が下りた街を歩いてお酒は
贅沢この上ないですよね。(酔)
旅にハマってしまう要因のヒトツだと思います。
今年のGWに自分も堪能できたからこそ、共感できます。
にしても、スペイン⁉ワイン⁉ チョイスされたお店、私には敷居が高いデス・・・笑
朝からクルマを走らせて、知らない土地を楽しむことは長年やってきましたが、夜の街を意識的に取り込むようになったのは最近のことです。
今では、旅の醍醐味のひとつだと思ってます。
スペインバルもスペインワインも、自分にとっては基本中の基本ですよ(笑
それを松山で行くというのが、ある意味、贅沢というわけです^ ^
高茂岬って眼中にありませんでしたが、こんな素晴らしい景色なら
前回ツーリングの時に行けばよかったです。
途中で四国に飽きちゃって早めに引き上げたので、失敗しました。
地方都市の夜は本当楽しいですね。特にガイド誌にも掲載されていないような店を
発掘するのが醍醐味。
昼の走りと夜の食・・・・・一粒で二度おいしいグリコのキャラメルのようなツーリングだから
止められません。
自分も高茂岬がこんなに開放感のある景色の岬だとは思ってませんでした。
室戸岬も足摺岬も見飽きたツアラーの方々には、俄然おすすめです。
半島を周回する道も、それほど悪くはありません。
夜の街の徘徊、サーベイと称してそれを目的に、渋めの地方都市をわざわざ訪れるというテーマにハマっています^ ^;
昼間散々走り回った後、投宿して繰り出し味わう夜街は、格別の余韻を感じさせてくれます。
当たりもあればハズレもあり。それもまた、旅の醍醐味ですからね。