2月 182012
外壁にラス網が張られました。
通気胴縁に取付ける形で、網目状の金物が付いたシートが外壁全体をくるむように張られています。
これは外壁仕上材の下地となるモルタルを塗り付けるために必要なもの。モルタル下地は、目地の無いシームレスな左官外壁を実現させるために取った工法です。
最近ではコストや工程の面から採用されることが少ない左官仕上ですが、その質感による表情は、他に代え難いものがあります。
目地が入ることを許せば下地を他の乾式のものに変えることも可能でしたが、イメージにそぐわないので、多少コストをかけてでも拘った部分。古びても味のある質感・デザインを念頭に置いて考えています。
改めて思いますが、自分は左官の質感が好きなんですよね。
以前紹介したことのある、富山にある家の改修では、壁面は内部も含めて漆喰塗りで拘り切りました。
あの家とはコンセプトも目指す方向性も異なりますが、そんな中でも共通する点があります。それが伝統的なものやその質感に関わる部分。
自分が良いとか大切にしたいと思っている部分は、過剰と思われたとしても、できるだけ自分の家をつくる上でも採用するようにしています。家だって、そこに住まう人間のアイデンティティを表現する媒体ですからね。