2月 242019
 

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【国道389号 雲仙南山麓の樹海ロード】

まだまだ続く、灼熱の九州ツーリング。旅は遂に6日目を数える。

熊本市中心街を出発し、熊本駅前を経由して、一路熊本港へ。
前日夜の作戦会議で、この日はまず、船で島原に渡ることになったからだ。

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島原湾に向かってまっすぐに突き進む県道51号をひた走って熊本港へ。
人工島にある熊本フェリーのターミナルにて乗船券を購入。やがて洋上の人(&クルマ)となる。

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島原までたったの30分。桜島フェリーよりは長いが、実にあっという間。息つく暇もない。
ちなみに熊本フェリーに乗ったのは、初めて九州ツーリングしたとき以来。あの時は逆向き(島原→熊本)だったが。

島原港に到着してまず向かったのは、道の駅「みずなし本陣ふかえ」。
ここには、雲仙岳噴火の土石流被害を伝える被災家屋の保存展示がある。
これらを(暑さ凌ぎに)見学した後、島原まゆやまロードへ。

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たぶん初めて走る、島原まゆやまロード。
走れるワインディングというよりは、常に雲仙岳の威容を眺めながら走る展望ロードの趣が強かった。

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ちなみに、島原半島の中心にある雲仙岳は、普賢岳を中心とした複数の山の総称である。
多くの犠牲者を出した平成3年の大火砕流被害は、いまだに記憶に新しい。あれ以来、日本列島は数々の天変地異による自然災害に飲み込まれてきた。
かつての災害の教訓から、雲仙の東側斜面には巨大な導流堤が連続して設置されている。その光景はまるでここが日本はでないような、殺伐とした印象を与えている。

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まゆやまロードから県道58号を経由して、国道389号へ。
雲仙岳に向かって一気に登るヒルクライムルート。登り切ったところで国道57号に合流、その先に雲仙温泉街があるが、反対方向に舵を切る。
この先に、久しぶりにどうしても走ってみたい道があるのだ。

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仁田峠循環道路

普賢岳山頂に最も近付く観光道路である、仁田峠循環道路。かつては有料道路だったが、現在は無料開放されている道・・・のはずだったが、環境保護協力金なる通行料金を徴収していた。都井岬でも同様の徴収がある。九州の常套手段なのだろうか。
でもまぁ100円(「目安」というのが微妙だ)である。有料道路時代はそこそこの通行料金を取られた、と記憶している。

この道、熊本フェリー同様、初めての九州ツーリング(2004年のことらしい)以来、走ったことがない。
これまで走りたくて訪れたことはあるのだが、濃霧だか大雨だかで通行止めで、思いを果たせなかったのだ。
山頂近くを走るがゆえに、山岳気候の影響をモロに受けるという立地条件が、レアさ加減を増長している。

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・・・のだが、もっとレアなのは、一方通行の道だということ。反時計回りにしか走ることができないのだ。
これが何を意味するかと言うと、対向車が来ないということ(当たり前だが)。道はそれなりに狭いが、走りにくいというレベルではない。むしろ、ここより狭くて双方向の道なんていくらでもある。
純粋観光道路の為せる技だが、これによって実におもしろい走行体験が可能なのだ。

対向車が来ないので、ライン取りが自由自在。道幅を一杯に使って、アウト・イン・アウトで次々にコーナーを駆け抜けていく。
これだけでも非日常。かつて14年前に走った際には思わず、「なんなんだこの道は!!」と叫んでしまったほど楽しめてしまったのを、今でも鮮明に覚えている。
今回は前走車に追い付いてしまったのが残念だったが、あの時と同じような気持ちで、ステアリングを切りアクセルを踏み込んだ。

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途中停車が許されない仁田峠循環道路には2ヶ所、駐車場がある。
その駐車場にエスを停めると、ひんやりとした空気に身を包まれる。
あれだけ暑かったのに、ここは別天地か!? 雲の中で展望はないけど。。。

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本来であれば普賢岳、そして平成の噴火で隆起した平成新山を間近に眺めることができる絶景展望台なのだ。
この日は分厚い雲に覆われて、まったく展望は効かなかった。
残念だが、遠い地から訪れるロングツーリングでは時の運。またの機会を楽しみにするしかない。

仁田峠を越えれば、一気に下って先程のR389に合流する。
距離的には長くはない(むしろ短い)が、やはり面白いコースである。雲仙に来たら、これからもマスト。走れるかどうかは運次第だが、また訪れたい。

・・・・・・・

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R389に戻って、今度は雲仙温泉に向かう。
今回は、雲仙温泉には立ち寄らず。温泉天国の九州の中でも、屈指の泉質を誇る温泉なので、こうも暑くなければ是非ともオススメである。

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R389でぎゅいいいいっと山麓を駆け下り、もう少しで海まで到達しようかというところで、広域農道にスイッチ。
島原半島の南側中腹を走る、雲仙グリーンロード。これを反時計回りに半周。

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広域農道らしい?展望ロード。
海沿いを走る国道251号と迷うところだが、ハイスピードワインディングを楽しむなら、断然コッチだろう。

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島原半島は、走って楽しい道が盛り沢山なエリアだ。中心には雲仙温泉もあって、滞在にも向いている。
今回のようにフェリーを使わないとアクセスが非常にしづらい地形なのと、阿蘇の影に隠れてしまっているのでマイナーなのかもしれないが、実はツーリング適地。
個人的には九州の中でも非常にポイントの高いエリアなのである。

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・・・・・・・

国道57号に突き当たったら、広域農道はおしまい。
そのまま海に向かって下ると、小浜温泉街だ。

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小浜温泉は、山頂付近にある雲仙温泉とR57で結ばれた海沿いの温泉地。雲仙温泉に負けず劣らずの泉質と湯量を誇る、隠れた名湯だ。
高温の源泉が、いたるところから湧き出しており、温泉宿も多い。オススメは共同湯。脇浜共同浴場での入浴体験は、今でも鮮明に記憶に残っている。
今日は暑いからとても温泉などどいう気にはなれないが、小浜温泉が誇るあの名物を、もう一度味わってみたくなった。

それは「小浜ちゃんぽん」。
ちゃんぽんといえば長崎が有名だが、小浜温泉には独自の小浜ちゃんぽんという文化がある。(小浜だって長崎県ではあるが)
かつて訪れたであろう店の記憶を手繰り寄せ、何とか見つけたのがここ。

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えーと、何ていう店だっけ?(笑
うっすらと覚えているこの辺か?という場所と店の佇まいの記憶だけで辿り着いた。 →「海花亭」というらしい

辿り着いたと言っても、ちょっと自信がない。たぶんこれだというくらいで確証のないまま中に入る。

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たぶんこれだ(笑
濃厚なスープと生卵。満足感100%の大盛り(胃袋はキャパオーバー)。間違いがない。
決して涼しいとは言えない店内で、メニューを団扇代わりにしながら大汗を掻きながら食す。

単なる食堂の風情だが、店内は満員に近かった。おばちゃんの人柄も良く、過去に訪れたのがここであってもそうでなくても、もはやどうでもいいと思った。
小浜温泉に来たら、小浜ちゃんぽん。これ絶対。

・・・・・・・

余談。
今回レポするにあたって、前回訪れた際の写真を探してみたら見つかった。
それがコチラ。

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店は正解だった。なんという記憶力!(自画自賛)
そして純正ホイール!w 

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ちゃんぽんは・・・見た目がだいぶと違う(笑
前回はエビが入っていて、スープが少ない。これは進化なのか、退化なのか。(たぶん偶然)

このちゃんぽん、過去のレポには登場していない。
なぜならこの翌日、かの「断崖上のミステリー」に遭遇したから。。(それどころではなかったのだ)

しょっぱい思い出の中で、燦然と輝く?ご馳走なのだった。 

・・・・・・・

満腹を抱えてエスの狭いコックピットに乗り込み、R251を北上する。
すぐに県道201号に入ると、これがなかなか面白い道。
なんだかわからないけど、緑の切通しを抜ける感じで、すれ違いにも相当気を使う狭い道だった。

これを抜けて、再びR251。
延々と行って、国道34号と出会うところで県道34号へ。
このスイッチに手間取って、若干右往左往したが、何とか天草灘を望むK34ルートに沿うことができた。

K34は、びわ畑ルート。
残念ながらそのビワは季節外れで熟した果実を目にすることもない。
ウネウネとした半島の絶壁路をひたすら走り続ける。
長崎の裏街道的なK34は、走りを楽しめるというよりローカルな景色を楽しみながら走るルートだが、混雑した街から離れてのんびりと半島を行くには最適かもしれない。 

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野母崎

半島の先端には来てみたものの、暑くて歩く気にならない(笑

すぐに折り返して、今度は半島の反対側へ。国道499号を行くと、すぐにあの「軍艦島」が見えてくる。
過去のレポにも登場歴のある軍艦島。かつては上陸手段がなかったはずだが、昨今の産業遺産ブームによってツアーが組まれているようだ。

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実に魅力的な話(産業遺産も廃墟も大好き)だが、突発的に行けるものでもない。これが行き当たりばったりツーリングのツライとこ。
好きでこのスタイルでやっているわけだから、仕方ないんだけどね。

船に乗るのが遅かったのか、雲仙で遊びすぎたのか、結構時間が経ってしまっていた。
とは言っても、このまま長崎に到達してしまうとその先が繋がらない。
ちょっと寄り道という気分で、県道29号へ。三菱重工の造船所がある一帯を通過して伊王島大橋を渡る。
先程までの工業地帯とは打って変わって、リゾートちっくな景色に様変わりする。

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伊王島灯台

その伊王島の先端にある灯台まで行ってみることにした。
長崎湾の湾口に位置する伊王島灯台。長崎港を発着する船はすべて、この灯台を目印にやってくるのだろう。
小さな灯台で何があるわけでもなかったが、野母崎とは異なって吹き抜ける風が気持ちよかった。

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・・・・・・・

 

R499に戻り、長崎市街へ。交通量はどんどんと多くなっていく。
平坦な地形の少ない長崎の街は、狭い中心部に市街地が集中している。道路には市電も走り、路上はどこも混雑している。
この雑多な状況の中、市街地の中心部にある宿を目指してグイグイと入っていく。
繁華街の立体駐車場にエスを停めたら、長崎の市街地(繁華街)探索。 

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思っていたより時計の針はずっと進んでいて、既に18時。
繁華街が色めき立ち出す時間になりつつある時間だが、平日の長崎の街には少々早過ぎるようだ。思案橋横丁も、まだ準備中といった感じ。
街の雰囲気を味わいながら、しばらく散歩を続けてみることにした。

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地方都市に来たら、アーケード探索することになっている?が、長崎ではこんなレア物を発見!

繁華街ど真ん中のアーケード街の入口に、堂々と掲示されるおにぎり標識。日本に2例しかない、アーケード国道だ。(もう1つは確か大阪にあったはず)
大勢の人が行き交うアーケード街なので、クルマで通行なんてまず無理。
午前10時から翌日の朝5時まで歩行者専用道路ってことは、5時から10時を狙うしかないわけで、国道全制覇を目指す人にとっては、難関のうちのひとつだろう。

ウロウロしすぎて疲れてしまった。
そろそろ休憩しようとお店を探すものの、これと行った店が目に入らない。
中華街に行くのも芸がない。いつものように地味な居酒屋を探して入ったのがここ。

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長崎名物とか全く関係のない、いつもの選択(笑
ただ、これが案外当たりで、新鮮な魚介類や野菜を中心とした酒の進むメニューに目移りしてしまうほどの良質店だった。

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思えばこの旅、大分から始まって、宮崎、鹿児島、熊本、そして長崎と、ひたすら九州の県庁所在地の居酒屋で酒を嗜んでいる。
旅も後半になり、残り少なくなった日数(あと2日)の道のりを地図見ながら考えていたら、ここまでまったく考えもしなかったアイデアが頭に浮かんだ。
俄然テンションが上がって、この日も酒が進む進む(笑

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長崎の夜に身を任せ、ここまでの旅程に思いを馳せる。
いよいよ旅は終盤。ここに来て、意外な展開へと向かいます。

 

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 Posted by at 2:28 PM

  4 Responses to “灼熱九州/ちぎれ雲はぐれ旅 〜火山と海と夜街と”

  1. 熊本・雲仙〜長崎市泊って好いですね。
    長崎は何度も訪れていますが、また行きたくなる街です。
    連休を利用して訪れたいが、今年のGWは難しいかなぁ。

    • 雲仙は阿蘇や霧島に比べてマイナーですが、良質なワインディングと温泉が揃っているので、個人的には評価の高いエリアです。
      地続きですが、離島のような利便の悪さがレアさを助長しているようなところがあり、それが却って良い印象を残すのかもしれません。

      長崎の街も、何度行ってもいいですね。
      毎回訪れるエリアはだいたい決まっているのですが、掘り下げるとディープな部分がまだまだあるのかも。
      今回も歩きはしましたが、開拓し切れていないと感じています。

      今年のGWはヤバイです。いろいろと考えを巡らせてはいますが、、もう遅い!?

  2. 島原も雲仙も長崎も、完全に未知のエリアだけに近いうちに走ってみたいものです。
    仁田峠循環道路は一方通行路というのが“走り”の面で魅力的ですね。真夏でも涼しそうです(笑)
    長崎の市街地(繁華街)の写真・・・不覚にも、真っ先にコスプレカラオケに目がいってしまいましたが(汗)アタリの店を探し出す1059さんの嗅覚はますますグレードアップしているように思いました。
    「意外な展開」が楽しみですね!

    • 長崎や雲仙は、そこを目的に行こうと思わないと行けない地理条件にありますからね。。(通りすがりで行くような場所ではない)
      九州には阿蘇があるので、島原半島には特に足が向きづらいかもしれませんが、ドライブ&旅好きならきっと満足できると思いますよ。
      今回の熊本ルートを上手く利用すると、意外とハードルは低くなると思います。

      この時の長崎の夜は、割と徘徊しまして、イチかバチか!で入った店が非常に良かったという好例です。
      レポにはありませんが、この後続けて入った店(コスプレカラオケ¥2500ではない)もまぁまぁで、仰る通り、旅が進むにつれて嗅覚が鋭くなってきてるような。。
      「意外な展開」と煽ってしまいましたが、走り系ではないので期待しないでください(笑

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