9月 102023
 

2023 09 09 01

北海道レポの中でも話題として出しましたが、現在、ミッションのオーバーホール中です。
バラして加工までは早かったけど、交換部品が揃うのに時間がかかったりしているため、およそ1ヶ月経った今もまだバラバラのまま。
急ぎではないので、問題はありません。むしろ、不安要素は全部しっかり潰しておきたい。

とはいえ分解中はヒマなので(笑)、バラバラになった部品を見ていろいろと考察してます。

2023 09 09 02

27万km走行で初O/Hですが、症状とは裏腹に、各パーツは思いのほかキレイな状態でした。
摩耗が進んでいて交換した方が早い、というパーツも無いことはなかったですが、距離を考えると許容範囲かと。
交換かどうか迷うパーツは、新品が出る限り、基本的に交換。それ以外は洗浄、一部研磨加工していただきます。

シンクロを司る金色と銀色の2つの山型の突起部分の隙間に、スリーブが嵌まり込むことによってギヤチェンジが完了するわけですが、その際のスリーブの接触によって、金属の先端が摩耗していきます。
激しく摩耗し角が丸まっているような状態は見られず、距離の割には状態は良い模様。
それでも手には引っかかる感触があったわけで、人間の手の感覚って鋭いってことです。

2023 09 09 03

再利用するシンクロナイザーの突起部分については、ひと山ずつ手作業で研磨を入れてもらいました。
なかなか骨の折れる作業ですが、単純に新品部品に交換して組み上げるよりも何倍も効果がありそうなわけで。
ただのO/Hではなく、オリジナルのミッションを制作してもらってるような感じです。

2023 09 09 04

一つ前の写真の金色の歯車(シンクロナイザーリング)の拡大写真。
ピンボケで見づらいですが、、内側が黒っぽくなっているのは決して汚れではなく、カーボン素材です。

AP1後期モデル(04〜05)より「カーボンシンクロナイザー」採用というのは有名な変更点ですが、その実態がコレ。
たったこれだけの変更ですが、シフトフィールや耐久性は激変するらしく、同時に2速がトリプルコーンシンクロからダブルコーンシンクロ、3速と4速がダブルコーンシンクロからシングルコーンシンクロと、シンプルな構造に変更されています。

AP1前中期モデル(99〜03)のシンクロナイザーリングは真鍮製で、これはこれでダイレクト感のある操作性になるとか。
その結果、後期はスムーズなシフトフィールで、対する前期はガチッっと入るようなダイレクトなフィールという噂は、コレが要因でしょう。
部品の違いを理解しつつ、乗り比べてみると一層興味深いかもですね。

(つづく)

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 Posted by at 1:20 PM
4月 162023
 

2023 04 16 01

エスの車検は、隔年4月にやってきます。
今年は車検ではないので入出庫はありませんが、日常的な点検は、車検に関わらず行うのが習慣です。

それが功を奏しているのか、車検時に何か不具合が発覚したりしたことはなく、消耗品ですら交換をしたことがありません。
油脂類ひとつとっても、自主管理のサイクルで車検に関わらず交換しているので、車検時は形式的に24ヶ月点検を行ってラインを通すだけ。
ずっと付き合いのある近所の整備工場に持ち込んでいるのですが、毎回これといってやることないので、つまらない客?だと思います。

毎年4月はプラグ交換と決めているので、休日のスキマ時間を利用して、交換作業を行いました。
4本の焼け具合が均等に揃っているか、緩みなどが発生していないかを、ついでにチェックします。

プラグは距離管理ではなく、一定の期間で交換する時間管理としています。
定期的に発注して、定期的に交換するサイクルを作っておけば、うっかり忘れたなんてこともないです。
同じような時間管理としてはバッテリーやフルード類がそうですね。

逆に距離管理はオイル類。長期スパンの消耗品も、距離管理としています。
例外はタイヤですかね。これは目で見てわかるので、見た目判断の消耗品になります。
ブレーキパッドも、5mm切ったら交換します。

それなりに長い間乗っていますが、各消耗品の銘柄についてはお気に入り製品が決まっていて、銘柄を変えることはほとんどありません。
ただ、最近になって手に入りづらくなってきた製品や、技術向上により陳腐化している製品も見受けられるようになり、一部について変更を検討しています。
長く使っているものを変えるというのは、そこそこ勇気がいるのですが、次のスタンダードを見定めていくことも、定期的に必要なのかもしれません。

 Posted by at 11:12 PM
3月 252023
 

2023 03 25 01

10数年ぶりに、クローズドコースを走りました。

コースと言っても、富士SWの駐車場にパイロンを立てたスクール形式の練習用コースです。
この手の練習会は、もてぎのハンクラ以来。あれはS2000に乗り出して間もない頃なので、本当に久しぶり。
しかも、練習には最適な台風まがいの風雨の中という、恵まれた?天候でした。

自己流のまま17年も乗っていると、いつの間にか操作が雑になり、不得手な部分は不得手なまま、という自覚があります。
それを客観的な目を通して矯正しようというのが、今回の目的。
走行会ではなく、インストラクター付きのスクール形式を選んだのは、そのためです。

座学からロジカルにドライビングを紐解き、コントロールを実践する方式は、やはり身に付く濃度が違います。
自動車の動作は物理なので、様々な力のかけ方かかり方を判断しながら、フィジカルな操作につなげていく大切さを再認識させられます。
同時に身体のセンサーも大切で、瞬時に繰り出す柔軟かつ的確な動作は、齢を重ねた身体にはかなり困難というのが現実だったり。

ステアリングで姿勢を作りつつ、ABSを効かせながらクリッピングポイントへ。
出口では、慣性とトラクションを計算しながら、次のコーナーのラインに乗せていく。

コーナリング中の一連のコントロールには、自己流がゆえに固定概念にとらわれていた部分や、雑すぎる操作を認識することができました。
特にブレーキについては、エスのスタビリティをもっと信用して、大胆に攻めることができることを経験できたのは大きな収穫。
また、視覚から得られる空間認識についても課題が見つかり、意識的にトレーニングする必要性も見い出せました。

普段のワインディング・ツーリングでのドライビングにおいても、常に意識して取り組みたい課題を再認識した今回のトレーニング。
クルマのコントロールというのは、いつまで経っても勉強あるのみですね。

(写真は主催者のHPより拝借させていただきました。インストラクター澤圭太選手による同乗走行です)

 Posted by at 3:04 PM
5月 262019
 

2019 05 26 01

GWの九州ツーリングレポート途中ですが、備忘録的に。
先週と今週の土曜日朝、二週連続でビーナスラインを走ってきました。
この時期恒例となった、「定点観測」です。

昨年から続けている調整ごとと、GW前のささやかなメンテナンスが功を奏したか、非常に調子が良い2019年夏前のS2000。
操作系のフィーリングと、それによってついてくるパワー感、サウンドがよくバランスされていて、エスのドライブが輪をかけて楽しいこの頃なのです。

最近の定点観測の中では、一番のフィーリング。
一連の操作感は非常に滑らかで、細かいコントロールも意のまま。
ひとたびアクセルを踏み込めば、粒の揃ったビート感のあるエンジンパワーが湧き出してくる。

なんというか、抜群に呼吸が合った感じとでも言いましょうか。エスと自分のキモチがシンクロ。晴れて両想い!?
とにかく今、気持ちがイイ。良過ぎるくらい、イイのです。

 

こうなった要因はいろいろある中で、特に効果があったのは、GW前に紹介した触媒の更新。
壊れたから新品に換えただけですが、思った以上にフィーリングが変わりました。
多少なりともヌケの良さが改善されるということでしょうか。高価なパーツなのでオイソレとはいきませんが、距離によっては交換すべき部位であることを、身をもって認識しました。
シフト&クラッチ周りももちろん。人馬一体フィールには、不可欠なメンテンスでした。 

それともうひとつ、これはGW後に行ったメンテナンス。プラグ交換です。

何も目新しいことではなく、オイル交換同様、定期的に交換するおなじみの部品。
ECUに手を入れる前から、ずっとNGKレーシングプラグを使用していますが、今回ももちろん同じ。
20,000kmを目安に交換ですが、頻度としては年1回交換というサイクル。毎年同じ時期に換えるようにしていれば、忘れることがない。
今回は本当に20,000km程度走行後の交換でしたが、15,000kmでも10,000kmでも、回す人ならこまめに交換した方がベターだと思っています。

2019 05 26 02

プラグ交換自体も、エンジンフィーリング改善に非常に効果があるのですが、今回は同時にイグニッションコイルも新調しました。
イグニッションコイルを交換するのは、通算2回目。GENROMを書き換えした際に、一度、純正新品に交換しています。
交換からまだ5年しか経っていませんが、80,000km程度走っているということ、点火という重要部位であることを鑑みて、今回プラグと同時交換。

ただ、純正部品でなく、今回は社外品にしました。

2019 05 26 03

NGK製、補修用パーツとしてのイグニッションコイル。
社外品と言っても、天下のNGK。プラグもNGKなんだから、きっと相性は抜群。(純正はDENSO製)
更には、こちら比較的新しいパーツ(2015年発売)で、最近の技術が盛り込まれていると想定。20年以上前の純正品とは一味違う何かがある予感。

2019 05 26 04

さすがはNGK、S2000適合品も当然ラインナップされており、純正よりお安いときている。
取り付け状態は若干窮屈。純正のように、嵌めるときのパコッという節度感がなかったり。専用品じゃないので、この辺は割り切りが必要。

でもですね、そんなことは走り出せばどうでも良くなる。

エンジンの回転が恐ろしくスムーズになった上、クラッチの繋ぎからしっかりとコントロールできるきめ細やかさも。
それでいて、しっかりとしたパワー感があり、下の回転からでも力強く加速していきます。
加えて、アイドリング時の静かさ。停車している時、ふと周囲の音がいつもより身近に聞こえることに気付く。足元には野獣が眠っているのに。

2019 05 26 05

・・・これは素晴らしい。費用対効果抜群。
かけたコストからすると、感動レベルです。

もちろんプラグが新品になった影響もありますが、それにしても違います。
同じイグニッションコイルでも、何かが根本的に違うような。何かはわからないですが。

身も心もトロけるような官能フィール。滑らかなのにソリッド。
この二面性が堪りません。

 

話がやや大きくなりましたが、、13年目の定点観測。
エスとの蜜月は、2日後の5/28から、いよいよ14年目に入ります。

惚れ惚れすることばかりではなく、今回の定点観測ではブレーキ関連に課題がはっきり見えました。(制動時に微妙にふらつく、効きが安定しない)
ドライビングについても、課題を見据えて走り込んだ結果、ちょっとだけわかったことがあったり。
そういうことをしっかりと教えてくれる、ビーナスライン(の一部区間)はいつもすまし顔。そんなホームコースの存在に感謝。
走り込みの成果は、次の課題として取り組みます。 

S2000との(時間的な)旅はまだまだ続きそう。
14年目も、じっくり楽しんでいこうと思っています。 

2019 05 26 06

 Posted by at 7:59 PM
4月 212019
 

2019 04 21 01

終わりなき道である、エスの維持管理計画。
今回は、このようなものを交換しました。

2019 04 21 02

パーツ名「コンバーターCOMP.」
いわゆる「触媒」というやつです。

交換の理由は、「壊れた」から。
S2000ではたまに聞くトラブルですが、中のセルが外れてしまいました。
排気を浄化する触媒は減るものではないので、外れても機能しますが、問題なのは外れたセルがセカンダリーO2センサーを叩いて、センサー破損を引き起こしてしまうこと。
結果、正確な排気状態を計測できなくなり、燃料噴射量が狂ってエンジンチェックランプが点灯、となるわけです。

2019 04 21 03

エンジンチェックランプ点灯まではいきませんでしたが、O2センサーの取り付け穴から内部を覗いて発覚。セルがセンサーに当たって、キレイに削れて(変形して)ました。
ここまでセルが変形していたにもかかわらず、O2センサー自体にはほぼダメージがなかったのは不幸中の幸いでしたが。

走ってる最中はゴトゴト音がするほどでもなかったんですが、外して振ってみたら、中のセルは完全にフリーになっている状態。
内側にて点溶接で固定してあるだけなので、何かしらの衝撃で外れてしまうのは予想できなくもない。
こういう状態になったら、他の部位の状態がどうであろうと、交換が吉と判断すべしということで。

2019 04 21 04

こやつが新品です。スポーツキャタライザーではありません。後ろの箱にあるように、正真正銘の純正です。
AP1の純正触媒は、見た目も機能もアフター品さながらというのが定説。オーナーの満足感は、こんなところにも(笑
カバーはそのまま今のを着けるので、見えなくなってしまうんだけど。(つまり、交換前後で見た目変化なし)

20万km超使用してススの張り付いたメタルハニカム触媒を更新したことで、排気がスムーズに流れるようになったのか、純正交換でも多少は変化が。
吹け上がりやや軽くなったというか、滑らかになったというか。表現が難しいですが、そんな感じ。劇的ではありませんが。

積極的に換えるものではありませんが、同種の破損が起こったら速やかに交換したいもの。
なお、部品価格は他と同様に高騰していて、今回の調達価格は10年前価格のおよそ6割増!
もともと高価な部品なので、破損の疑いのある場合は、早めに対処した方が良さそうです。 

2019 04 21 05

 Posted by at 10:49 AM