9月 152023
 

2023 09 09 05

#1と同じような写真ですが、わかりやすいのでもう一度眺めてみます。
左側がメインシャフト側で、上から3速ギヤ、シンクロとスリーブを挟んで4速ギヤ、5速ギヤ、シンクロ・スリーブ挟んで6速ギヤ。
右側がカウンターシャフト側で、上からリバースギヤ、1速ギヤ、シンクロ・スリーブ挟んで2速ギヤ。

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これらギヤの集合体は、ニードルベアリングを介して、それぞれのシャフトに取り付けされます。
真ん中がメインシャフト、下がカウンターシャフト。(上はセカンダリーシャフト)
メインシャフトには3〜6速のギヤが取り付きますが、左から2速、1速の各ギヤが最初からシャフトと結合しています。

対するカウンターシャフトには1〜2速が取り付きますが、左から6速、5速、4速、3速の各ギヤが最初からシャフトに結合しているのがわかります。
つまりメインとカウンターは、ニードルベアリングを介して取り付くギヤと、シャフトに結合しているギヤのそれぞれが向かい合うように配置されることになります。
ギヤは常時噛み合って回転し、シフト操作によりスリーブが動くことで、シンクロを介して動力が伝達されるわけです。

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このシャフトに「結合している」ギヤは、よく見たら何と一体成型!、つまり削り出しなんですね。
もちろん剛性があったことに越したことはない部分ですが、コストも技術も求められる部分に妥協がないのは、さすがホンダのスポーツモデル。
金属加工技術が生み出す芸術と言っていいレベルの機能部品に、ずっと眺めていたいくらい惚れ惚れとしてしまいます。

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先程スリーブという部品が出てきましたが、シフトフォークによってスライドするこの部品の内側には、剣先状の突起が成形されています。(写真上部の部品)
これが写真中央のシンクロナイザーハブに嵌合していて、一体となって回転しているのですが、スライド方向の動作を許容します。

シフト操作を行うと、スリーブが動いて剣先状の突起がシンクロナイザーリングを介して、各ギヤの突起と噛み合います。
シンクロナイザーハブはシャフトとセレーション結合しているので、スリーブがスライドして噛み合った先のギヤに動力が伝わるという仕組みなわけです。

で、その剣先状の突起ですが、これがシフト操作の度にシンクロナイザーリングやギヤ側の突起に点的に衝突を繰り返すので、スリーブ側とギヤ側の突起が摩耗します。
これが度を過ぎると、ミッションのフィーリング悪化やトラブルにつながるというわけ。

逆に言うと、この部分の金属同士ができるだけスムーズに当たるようにすれば、フィーリング改善には大きな効果があるわけで。
なので金属干渉が起こるこの部分を加工してもらっている、ということになります。

(つづく)

 Posted by at 8:32 AM

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