ツーレポをすると言ってる矢先に、エスのメンテ記録をレポしてしまう、いつものパターン(笑
最近は維持管理目的の地味なハナシが多いですが、今回のも残念ながら?それです。
またかと思ったでしょう?
ただ、ちょびっとだけ味わい深い話もあるので、紹介します。
今回、メンテナンスの意味合いで交換したパーツは、かなりの大物です。
上の写真が取り外した状態。正面に見えるのはミッションケース。
そこから生える長物が、この夏のお題。そう、プロペラシャフトです。
換えるなんてあんまり聞かないパーツですが、R style S2000(別名Black Devil号)のプロペラシャフトは、結構前からガタが出ていました。
ガタが出ることによる具体的な症状としては、アクセルオフ時、あるいはパーシャル時からアクセルオンした際に、急激にドンッと前にでるような挙動。
アクセル操作によって、結構ギクシャクするような場面があるわけですが、これはどうもプロペラシャフトが原因のようで。。
また、これはガタではなく経年劣化によるものかもしれませんが、ある速度域で、笛を吹くような音が床下から出たりします。
こういうもんだと思ってましたが、そうではないことをASMで入庫時に解説していただいて、症状とその改善方法を教授していただきました。
その改善方法が、なかなか魅力的な話だったので、パーツが揃った時点で交換、と相成ったわけで。
プロペラシャフトと取り外した状態を、もう少し引いて見るとこんな感じ。
S2000は巷のFRとは異なって、一本の棒状のシャフトでミッションとデフがつながれています。
両端はダブルオフセットジョイントなので、ぶっといドライブシャフトのような感じです。
これが新品のプロペラシャフト。古い方は、撮り忘れました。
付け根のダブルオフセットジョイントは、こういう形状です。
このパーツ、Assyです。部品単体では出ません。
ダブルオフセットジョイントはO.H.可能なので、その選択肢もありますが、今回は別の意図もあったので、まるごと交換としています。
その別の意図とは何か。
この新品プロペラシャフト、実はAP2用です。
パーツリストによるとプロペラシャフトには、AP1用に2種類、AP2用に1種類存在するようで、AP2用のみ価格が異なります。(AP2の方が高価)
仕様としては、AP1とAP2とで異なります。シャフトは見た目上あまり違いがわからないのですが、確実に仕様違いのようです。
もっともわかりやすいのは、付け根のフランジとの結合部分。
これがAP2用新品フランジですが、ミッションケース及びデフケースとプロペラシャフトを繋げるボルト径が、まるで異なります。
右がAP1用(取り外したもの)、左がAP2用のフランジボルト(新品)です。
古い新しいの差ではなく、注目すべきはそのゴツさ。まるで太さが違います。
つまり、AP1とAP2のプロペラシャフトは、その取付剛性がまったく異なり、プロペラシャフト本体の剛性差も相まって、相当強化されているようなのです。
AP1から見ると、AP2のプロペラシャフトは純正強化品。
交換時にこれを使わない手はないと思った次第で、それがO.H.ではなく、アッセンブリー交換を選択した理由だったわけです。
で、取り付けが済んだ状態がコチラ。(リアのロアアームバー取付後なのでイマイチですが)
フランジも交換することになるので、あっさり装着、というわけにはいかないのですが、着いてしまえば何の違和感もありません。
強化フランジ部分。
ガタの直接的原因が、プロペラシャフト本体にあるのかフランジにあるのかはわかりませんが、AP2でガタが出るという話は、今のところほとんど無いようです。
その反面AP1は、プロペラシャフトの劣化症状を抱えているケースが多いとか。
まぁ、個体差はあるので、ケースバイケースでしょうけど。
プロペラシャフトをAP2化した結果、ガタツキ解消と共に、仕様的にも強化されて、将来的な経年劣化を遅延させることができたと思われます。
乗ってみた印象としては、やはりアクセルオン時のピックアップが違う。ドンという衝撃と共に駆動が伝わるのではなく、ごく自然に力が伝達していくのが体感できます。
それと、少しだけ騒音が少なくなったような。。。帰り道だけでもこれだけ印象が変わったので、結構効果の大きなメンテナンス&仕様変更かもしれません。
プロペラシャフトには社外強化品という選択肢もありますが、AP2用という純正強化という選択もあるという今回のテーマ。
定かな話ではありませんが、AP1用とAP2用では、生産している場所も違うようです。(どうもそうらしい、という程度の話です)
そのせいか、部品の調達も時間がかかるみたいなので、懸念があるAP1乗りの方は、マトモに部品が出るうちに、早めに検討してみてもいいかもしれません。