10月 022014
 

イタリア路上観察記を続けます。

イタリアの古都にはやっぱりイタリア車が映えるし、実際に占有率も圧倒的ですが、少なからず外国車も走っています。
先にも書いた通り、日本車は少数派。となると、イタリア車以外でもっとも目につくのは、やはりドイツ車ということになります。

2014 10 02 01【Mercedes-Benz M-Class, E-Class / Corso del Rinascimento】

独車の中でも勢力がひときわ大きいのが、メルセデス。
Romaの空港に到着後、旧市街までハイヤーで移動したのですが、これが先代のEクラス。
細身のスーツでビシッと決めた初老のイタリア人ドライバーによって、抜群の安定性で高速道路をバビューン。

この時のドライバー氏は特にそうでしたが、イタリア人は運転上手いです。
MTで旧市街の狭い道を自由自在。信号も少なく、車線はあってないようなもの。そんな道に更に歩行者やバイクが入り乱れているのに、まるで無線で意思疎通を行ってるかのような阿吽の呼吸でstop and goを繰り返して走り去っていく。
日本ほど交通事情が親切でない分、運転技術の水準は数段上。感服しました。

話が逸れましたが、メルセデスは大きいのから小さいのまで、いろいろ走ってます。
それに比べて、BMWは明らかに少数派。でも白バイはBMWでした。

2014 10 02 02【BMW police motorcycle / Piazza del Campidoglio】

白バイは、イタリアでも「白」なんですね。

2014 10 02 03【Audi RS6 / Via Fontanella Borghese】

アウディは、特に先代辺りの和田智センセーがデザインしたモデルが好き。
印象的だったのは、スペイン階段に向かう通りで見かけたRS6。
5リッターV10のモンスターですが、こういうハイパフォーマンスなモデルをRomaで見かけることは珍しいです。

なので、こちらのメーカーは全く少数派。

2014 10 02 04【Porsche 911 / Via Bocca di Leone】

いることはいるんですけどね。
見方を変えれば、Romaの石畳の狭い道をスーパースポーツで走りたいなら、唯一の選択なのかもしれません。

ところで、イタリアに限らず欧州の国では大概そうかと思いますが、ディーゼルエンジンを積んだクルマばっかりでした。
日本にはディーゼルのモデル自体が入ってきていないので意外かもしれませんが、FIATだってアルファだって、ベンツだってBMWだってほとんどディーゼルばっかりです。さすがにポルシェやRS6みたいなのは違いますけど。

ディーゼルの技術は進んでいて、これだけ走っていても空気が悪いとか全然ありませんでした。空の青さは東京のそれをはるかに凌いで鮮やか。
さすがに音はディーゼルの音で、個人的にはこれがちょっとダメなんですが、世間的には日本にもこういう選択肢がもっとあってもいいのになぁと常々思ってます。
ハイブリッドだけが正義であとはダメみたいな税制と風潮は、技術発展の観点からすると、間違いなく将来に負の遺産を残してしまう気がします。

 Posted by at 2:03 AM
10月 012014
 

イタリアの交通事情(?)についてのレポの途中ではありますが、、、
ここで急遽、先週末のことを書きます。

かねてから同僚のAさんから山に連れて行って欲しいとの話があり、久しぶりのテント泊で計画していました。

行き先は、僕のススメで長野県の某所。

前日の夜、同僚AをアルファGTに乗せて出発し、深夜に登山口に到着。
早朝、別の同僚Bと合流して出発。予定では、途中のテン場でテントをデポし、正午前に登頂する予定でした。

予定通りテン場に着きましたが、テン泊初体験の同僚Aは、膝が悲鳴をあげてここでリタイア。
同僚Aをテントに残し、経験豊富な同僚Bと共に、予定通り頂上へと向かいました。

急坂、階段、そして岩場を登ること1時間半、予定通り頂上へ 。

この時、時刻は正午前。

 

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2014 10 01 01

そこは見事な青空。

長く細々と登山を続けてますが、360°見渡す限りこれほど晴れ渡った景色は初めてかもしれません。

しかし、ある方角に、ドス黒い雲が塊となって浮かんでいます。
それは、この世のものとは思えないほど、異様な光景でした。

御嶽山の方角であることは気付いていましたが、なぜか言ってはいけない気がして、口にはしませんでした。
ただ、それが噴火直後の噴煙だったということは、その時は全く想像だにしませんでした。写真に収めることすらしていません。 

2014 10 01 02

先週の土曜日正午、僕が登頂したのは、八ヶ岳最高峰、赤岳です。
僕も同僚Bも含めて、そこに登頂した人々は、この上ない最高の景色に歓声を上げ見惚れているだけで、誰一人あの雲が死の噴煙であることに気付いていませんでした。

登山に最適な秋、それも9月最終週の土曜日。2000m超は紅葉が色づき始め、一番景色が映える最高の週末。
しかも天気は、低気圧が過ぎ去った直後の快晴、どピーカン。ヤマ屋なら誰もが早朝に麓を出発し、昼前に登頂を計画し実行します。
その週末は、自分もその一人でした。ただ、行き先が長野県の高峰でも、行き慣れた八ヶ岳でした。

ほんの少しの差だったと思います。
同僚Aのリクエストが、「泊まりで山に行きたい」ではなく「3000mに登りたい」だったとしたら、かなりの確率で御岳を選んでいたと思います。
距離にして100km程度は離れていると思いますが、まったく同じ時刻に同じような標高に登っていたことを考えると、、、命を落とした方々には大変申し訳ないですが、運が良かったと思わずにはいられません。

 

年に数回も登らないヘタレヤマ屋ではありますが、今回の惨事は、まったく人事には思えません。
正直、入山規制でもされていない限り、火山だからといって登らないという感覚は持ち合わせていませんでした。
その週末も多くの登山者の笑顔と歓声に囲まれながら、最高の景色に至福の時を過ごしていたので、御嶽山頂の景色が暗転するその時の様子がリアルに想像できてしまいます。

噴火というほぼ予測不可能な自然の脅威の前に、命を落とさざるをえなかった同じ登山者に、深く、深く冥福を祈るしか、今の僕にはできません。
本当に、本当にみんな、大好きだったヤマで、どうか安らかに眠ってほしい。祈りを捧げるばかりです。

 

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そんな大惨事になっているとは露知らず、次の日の朝、下山しました。
噴火で命を落とした人、恐怖の現場から生還した人に比べれば、こんな不幸、まったくどうってことないでしょう。

悲劇は、帰りの林道から出る直前に起こりました。

 

2014 10 01 03

彼女との蜜月の終焉は、想像以上に早く訪れることになるのかもしれません。

 Posted by at 12:34 AM