【県道36号都井岬線 終点】宮崎県最南端。空とS2000。その他に何もない時間。
日南フェニックスライン、南郷より南のR448区間は、輪をかけて気分のアガるワインディングロードだ。
海岸線を走る割にコースのバリエーションが豊かで、眺めのいい区間も点在する。
加えて周囲の植生が南国の色濃さを増し、透き通った空と相まって、絵画の中を走っているかのような気にさせる。
日向灘の南端、都井岬の入口へと到達。
日向灘と志布志湾を隔てるように突き出た岬には、R448から突き出た県道36号が先端に向かって通っている。
その県道の入口には、有料道路のような料金所が。
都井岬の先端には必ずここを通るので、400円の支払いが自ずと必要になる。名目は協力金だが、通行料と言っても不思議ではない。
なぜわざわざ「協力金」なのかって、それは半島の全域に野生の馬が生息しているからに他ならない。(野生馬保護協力金ってとこ)
御崎馬と呼ばれる都井岬の馬は、下北半島の寒立馬と並んで、野生馬と戯れる?ことができる貴重なスポットなのだ。
小さな半島はアップダウンが多く、軽めのワインディングだが、ブラインドコーナーの先には馬がいるかも知れないし、彼らの排泄物も豪快に散乱してたりするので、気持ちよく飛ばすというわけにはいかない。
ソロソロと走って岬の先端駐車場まで到着。 高台にあって眺めのいい広い駐車場に停まっているクルマは1台もいない。
岬の灯台までわずかだったが、そこまで行く気にならず、駐車場からの眺めで満足。
その絶景に、この先更なる絶景が待っている予感がした。
御崎馬はと言えば、途中で1ヶ所、数頭が草を喰んでいるのを見かけただけ。
道路上にうじゃうじゃいるものでもないらしい。
それよりも、岬の眺めのいい場所に放置された、ホテルの廃墟に惹かれた。
この地に建物が生まれ、賑わった時を経て人が立ち去り、いつか忘れられて朽ちていく儚さ。
巨大な鉄筋コンクリートの建物であるがゆえに、その冷たさが強調され、時間が凝縮されているような感覚が何倍にも増して感じられるのだ。
都井岬まで来といて、ちょっと違うだろって感想だな。
随分前に訪れた時は濃霧で何にも見えなかったので、こんなに眺めのいい半島だとは初めて知った。
空と海を眺めるには事欠かない。観光ホテルは朽ち果てても、まだまだ魅力的なスポットなのだ。
ここの馬はサラブレッドと違い、気持ちを和ませてくれますね。
それにしても都井岬観光ホテルが閉館したのは知りませんでした。
確か宮交さんが経営していたはずですが・・・・・
ツーリングで全国を徘徊していると、朽ち果てた、所謂 「バブルの塔」 を見かける事もあります。
コンクリート打放の建物なんかだと、逆に情緒を感じたりします。
その場所、建物に夢を見た人々がいた時間を、廃墟となった風景を見ながら想像することに廃墟の魅力を感じてしまいます。
建った時には特にこれといって惹かれるものがないのに、廃墟になって初めてその魅力に気付く建築。。皮肉ではありますが、関わる者として深く考えざるを得ません。