既に時刻は夕刻に近く、そろそろ本日の宿に向かわなければならない。
この日の宿は佐賀市内。一気に高速で走ってちょうど18時頃着というところ。
九重ICから大分自動車道へ。
しかし、この日は午前中を熊本観光に費やしていたこともあって、いくら阿蘇を走ったとはいえ、少々物足りなかった。
せっかくなので、暗くなるまでもう少し粘ることにする。
日田ICで下りて、県道671号。
ツーリングマップルに走りが楽しめる峠道とあったけれど、これは不発。
国道211号に出てすぐに福岡県入り。小石原方面へ。
小石原の交差点から2km程手前から渋滞が始まる。
こんな山奥で渋滞!?小石原は山間にある焼き物の集落。そのせいか?と思ったが、単なる信号待ち渋滞だった模様。
その小石原の道の駅に立寄り、物産館を物色する。
さすが焼き物で名を馳せる小石原。あらゆる窯元の作品が一同に集まり、お手軽に品定めができるようになっていた。
閉店間際の店内で、しばらく品定め。陶磁器を眺めていると、時が経つのも忘れてしまうほど熱中してしまう。
この小石原の近くには、小鹿田焼の里がある。人里離れた桃源郷のような陶器の集落だ。
九州ツーリング唯一の未収録「九州再探訪[前編]」 で訪れたことがあり、その際は異世界の風情に大感動した思い出がある。
今回も訪れたかったが、時間が押していたので泣く泣くパス。
というか、あの時の異空間に迷い込んだかのような体験を、もう少し澄んだ記憶に留めておきたくて、わざと足を遠ざけたというのがホンネかも。
ここからは3年前、残暑厳しいある日の出来事。
山間に隠れるようにして佇む陶器の里の風景である。
集落を貫く小川の流れ、陶土を砕く唐臼の響き。唯一無二のサウンドスケープ。
五感を刺激し、心の奥底に染み入る里山の桃源郷。それが小鹿田焼の里なのだ。
・・・・・・・
小石原からは国道500号。小石原川沿いの薄暗いワインディング。
時間が時間だからだろうか、前後に全くクルマはおらず、すれ違うこともない。そこそこのペースでワインディングを楽しんでたら、あっという間に秋月。甘木ICから再び高速に乗る。
既に周囲は真っ暗。さすがにもう佐賀に向かおうということで高速を西進するが、ここで想定外の渋滞。鳥栖JCTから九州道で福岡方面に向かう車列が車線を塞いでいたのだ。
これは右車線をキープすることで逃れたが、またまた想定外。今度は佐賀大和IC直前で謎の事故渋滞。
残り2kmほどの距離をたっぷり時間をかけて走り切り、ようやく佐賀市内へ。
ホテルは佐賀市中心部からやや離れたところにあった。
黒川紀章の事務所が設計したという割には、取り立てて特徴の無いホテル。
それよりなにより、そこそこ大きなホテルにもかかわらず、周囲に何にもない。真っ暗。
佐賀市ってまともに訪れたことがなかったから、どんな市街地なんだろう??って怖いもの見たさ(笑)で選んだという確信犯なのだが、想像を絶するほど人の気配の薄い街だった。
夕食を求めてひたすら歩く。
さすがに駅の方には何かあるだろうと歩くが、歩けど歩けど何もない。
ようやく人の姿を見かけたと思ったら、ホストの客引き(笑
まぁそういうとこには飲み屋の一軒くらいあるだろうと入りこんだ小さな路地で見つけた鉄板焼きの店で、本日の夕食とした。
佐賀の夜の街は寂しいですもんね。
ご苦労様でした。
当方なら手前の久留米に泊まるかな。
食べたいものがあるし。(^^)
全国の県庁所在地の中で群を抜く寂しさ(笑
我が故郷でも夜9時にはシャッター街になりますが、その更に上を行ってましたね。
どうりでホテルも少ないわけです^ ^;