6月 222016
 

2016 06 22 01

有福温泉の朝、空はどんよりと陰り、風もやや強く吹いている。
エンジンを十分暖気した後、県道50号を浜田に向かう。

国道9号バイパスにある浜田の道の駅で、朝食休憩。
この道の駅、立寄り率が非常に高く、もう何度も訪れている。
手軽なフードコートに加え、土産の品揃えが充実していることに起因していると思われる。

R9バイパスは山陰道扱い。走っていたら、知らない区間が開通していて、想定よりずっと西の方まで進んでしまった。
中国地方は山陰道をはじめ、松江道、鳥取道など、自動車専用道路が急激に増加しているエリア。
ちょっと古い地図では、対処し切れない状態になっている。

2016 06 22 08

当初の目論見からは相当西進した状態。ルートを切り替えて、県道48号にスイッチ。そこから石見西部広域農道へと入った。
これで益田の市街地を通過しようと思ったのだが、あいにく燃料が物足りない。
残量はまだ多少は残っていたのだが、これから先、中国山地の中に入っていく心づもりだったので、前もって給油することにして、益田の街中へと入っていく。

混み合う国道をノロノロと走って、ガソリンスタンドへ。いつぞやの中国山地ツーリングでも立ち寄って、覚えていたGS。
給油で降りたらとてつもない強風に煽られた。天気がイマイチだったため、ルーフは開けていなかったので気付かなかったが、大きな気圧の谷に飲み込まれつつあるようだ。

2016 06 22 02

益田からはこれまた広域農道、西石見グリーンラインを走る。
さぁ楽しむぞと意気込んではみるものの、折からの強風で、路面には木の枝やら葉が散乱している。
上の写真なんかはほとんど写ってないが、避けて走るのが難しいくらいに路面状況は悪化の一途を辿った。

県道17号に突き当たった所で右折、しようと思ったら、その先は極狭路で、遂に本格的に降り出した雨と強風とで、路面は最悪の状況へと変貌している。
エスでの走破はもはや自殺行為。ここは大人しく引き下がり、K17を逆向きへ走り出す。

2016 06 22 03

津和野へと繋がるこの道を走るうちに、雨は本降りに。
津和野の道の駅に着くと、雨というかもはや嵐。台風並みの暴風雨がエスの車体を揺らす。
せっかく道の駅に駐車しても、外に出る気にならない。 

県道13号経由で国道315号。
晴れていればきっと気持ちの良い快走路なのだろうが、もはや天候は最悪の状態。横殴りの暴風雨の中を、それでも突き進むしかない。

R315を進み、トンネルで野道峠を越える。その後にもしばらく小さな山道が続いたのだが、ここでちょっとしたハプニング。
上りの低速コーナーの立ち上がりで、リアが突如ブレイク。大きく姿勢を崩してしまったのだ。

直後にカウンターを当てて事無きを得たが、国道とはいえ広くはない山道、一瞬とはいえ対向車線に半身を晒してしまった。
たまたま対向車が来なかったから助かったが、この事象を避けられなかったのは大きなミスだ。

何よりも、想定外の状況で、原因不明のオーバーステアというのがキモチワルイ。
上りでリアには荷重がかかった状態でアクセルを徐々に開けていたにもかかわらず、ヌルっとした感触を伴って大きくグリップを失うことになった。
路面のミューが、局所的に極端に低下していたのかもしれない。とにかく、明確な原因がわからないままだったことが、ショックを大きくさせた。

そこからは幾分恐る恐るの心境だ。途中、リアタイヤの状態を確かめてみたが、異常があるわけでもない。
路面のせいか、あるいは無意識のうちにラフな操作になっていたからだと納得するしかない。
挙動を把握しきれなかったことに気落ちしながら、徳山で国道2号に出た。

もう今日は天候の回復は見込めそうもないのだから、徳山で映画でも見るとか、ドライブとは関係のないことで時間を潰そうとも一瞬思ったが、結局は走り続けることを選んだ。
流れのいいR2を走って、下松で国道188号。瀬戸内海に沿って走って、平生の手前から県道23号にスイッチ。

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何のことはない海沿いの道だが、瀬戸内海に突き出た半島の周遊道である。先端には上関の街。
その中心部にある道の駅で、おやつ休憩。揚げたてのかまぼこを食す。相変わらず風雨は強く、写真を撮ることすらままならない。

ここからどうしようかと迷ったが、せっかく先端まで来たので、その先の長島に渡ってみる。
この暴風の中、上関大橋を渡るのには勇気が必要だったが、無事渡り切って港の集落をウロウロ。
高台に洒落たカフェがあったので、ちょっとコーヒータイム。立地が海に面した高台だったから、台風のような暴風雨にまともに晒されて、恐ろしいくらいだった。

2016 06 22 04

それでも平然を装ってcoffee。店の名前は「瀬里家」と書いて、セリカと読む。同名のトヨタ車がいるわけではなかったが。
建物はともかく、エスが飛んでいってしまわないか心配(笑)で、長居はできなかった。

2016 06 22 06

本土に戻って、今度は県道72号で半島周遊。狭い断崖の道を、この天候の中走るのはどうかと思うのだが、好奇心が勝ってしまった。
幸い難なくクリアできて、柳井に到達。再びR188に復帰。

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ここからは、やや混み合う海沿いの1本道。周防大橋の下を潜って岩国方面へ。
岩国に近付くにつれて混雑度が増し、流れが滞るようになってきたが、今日はもういい。ちょっと早いけれど、岩国で停滞だ。
駅近くのビジネスホテルに投宿、したら雨はピタリと止んだ。

近くの居酒屋でビールを飲みながらテレビを見ていると、今日の暴風雨がいかに凄かったかというニュースが流れていた。(全国の中でも山口県がニュースになってたくらいだから、よほど酷い悪天候の中を突っ切ってきたらしい)
周囲を見渡すと、同窓会っぽい集まりが目立った。ちょうどGWまっただ中。帰省して旧交を温め合うのだろう。
自分はそういったことをしたことがほとんどない。ずっと昔から、休暇はクルマ旅に費やしている。今までも、これからもそうであり続けるだろう。

まだ明るいうちに居酒屋を出ると、空を覆っていた雲はちぎれ、青空が顔を出していた。
今日は天候の影響でほとんど楽しめなかったが、明日は再び期待できそうな予感がした。

 Posted by at 12:58 AM

  4 Responses to “島根 Touring /雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ”

  1. こういった暴風雨の日も小説の中の物語のようで読んでいて面白いです。

    ご心配ありがとうございます。こちらはいつもの日常に戻りました。
    あの壮絶な2週間がもう昔のことのような時が流れています。
    しかしちょっと西原村、益城方面へ車を走らせるとまた現実に戻されるかんじです。
    風化させない、忘れてはいけない、過去の大震災でそんな言葉を沢山聞きましたが
    その意味が少しずつ分かってきたよう気がします。

    カメラ、また新たに仲間が増えましたか?

    • 天気の移り変わりが早い季節のロングツーリングにおいて、悪天候がこの1日だけで済んだのは、かなりラッキーでした。

      いつもの日常生活が送れているとのことで、よかったです。
      今はまだ、地震後の風景が色濃く残っている残っているようですが、時間がかかっても少しずつ、元の風景に戻る日が来ることを信じています。
      そしてまたいずれ、熊本に走りに行こうと思っています!

      中古ですがコンデジを1機増やしてしまいました。ドイツ製のアレです^_^;

  2. こんばんは。

    基本的に、雨の日にSを走らせるのは好きなのですが、突然のオーバーステアという
    ものに多少なりとも、ビクつきながら走っています(^ー^;。。。そういう話を結構聞く
    からです。

    どこかだだっ広いところで、オーバーステア回避テクニックを学びたいものです。

    本日、待ちに待った「GR」が我が家にやってきました!

    いや、かわいいすぎる~!!手に持った時の感触が、スゴくしっくりときて、ああ、
    こいつとならずっと付き合っていけるな、、などと思いました(^^)

    今、充電中で取説をこれから目を通すのが楽しみです!

    因みに、今回購入したのは「GR」でも最初期モデルです。。

    • マイルドになったと言われるAP1後期なので、前期モデルのようなシビアさは無く、むしろ意外なほど安定感がある方だと思っています。
      しっかりと荷重をかけていれば、そうそう吹っ飛んでいくことはないんですけどねぇ。
      デフオイルを変更したことで、トラクションの掛かり具合が微妙に変化しているのかな、なんてことも考えたりしました。

      エスに乗り初めの頃、もてぎで開催されていたハンドリングクラブで、思いっ切り振り回す練習をしたことが何度かあります。
      これをやっておくと、どんな操作をした時にどれだけの挙動変化が生まれるのかがわかるのでオススメです。

      GRは質感ありますからね。
      質実剛健ではありますが、機能的であり所有感も満たせる優れたプロダクトだと思います。
      カスタマイズできる機能がやたら多いので、使いこなすのが大変ですが^ ^;

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