2月 022012
 

立面計画とはすなわち、外観のデザインのことで、いちばん想像しやすいけれど、何もない状態から生み出すのは結構難しい計画でもあります。

立面も断面同様、プランを考えるのと同時並行で進めていきました。
間取りだけを考えていると、立面は無秩序に配置された窓だらけな壁面になってしまいます。どこにどれだけの開口が出てくるのか、常に頭の中で想像しながらプランを考えていくこととしていました。

一方で、あまり凝った立面デザインにしたくない、という気持ちもありました。
極力シンプルな外観とするのがコンセプト。
ただ、シンプルと言って無表情にするのではなく、要素を限定することで、凛とした佇まいを表現したいなと考えていました。

特にこの家は、設計コンセプトから「基地」と「山小屋」というイメージが導き出されていたので、それらのイメージを外観にも表現する必要があり、そこから華美なデザインを排除した要素限定的な表現が自ずと求められていた気がします。
家の佇まいが、都会に住むための基地のような機能的でかつ遊び心に溢れていながら、どこか優しく包み込み教習を覚えるような山小屋のような存在であること。
それを形態と素材で表現することが、立面計画でもっとも重要視したことです。

形態は自然とシンプルな、片流れの屋根を持った箱状のものにすんなりと決まりました。
複雑な形状を強要するような敷地形状でもなかったし、単純な形は構造上有利にはたらき、余分なコストもかからないというメリットも考慮しました。

ファサードに表出する要素としての材料は、壁面を覆う材料に関しては1種類に限定し、色分けしたり模様を変えたりといったことはしないことに。
ただ、単一の材料でのっぺりとした表情にならないよう、テクスチャー豊かに感じる素材、模様を採用したくて塗り壁にするという方針はかなり早い段階で決めていました。
(サイディングのフェイク模様や目地がキライである、というのも大きな理由でしたが)

 Posted by at 7:19 PM

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