1月 202012
 

前にも書いた通り、プランを考える際は必ず高さ方向についても並行して考えていくことが大切だと思ってます。「間取り」をつくることが設計ではなく、「空間」をつくることが設計だと考えているからです。
平面的な広さ(何畳とか)を考えるのではなく、 空間ボリュームとその形態や繋がり方(シークエンス)について思考を巡らせることが、設計では重要だと思います。

R style Houseの設計においても、平面図を描く時は必ず、断面方向(z軸方向)を並行して描いていきました。
特に東京みたいな密集市街地では、法的な高さ制限が厳しく課されているので、断面方向の計画は常に念頭に置いておかないと、プランが成り立たないということが想像以上に発生します。

また、天井高が常に一定の空間の集まりは退屈なので、空間ボリュームに変化を持たせ、それが心理的に効果的にはたらくよう、空間の高さを調整する必要があります。とは言え、ただ広いだけの空間は拠り所がなくて落ち着かないし、狭いのに天井ばかり高くても不安定な感覚に陥ってしまうので、加減は必要ですが。
どのくらいの寸法がどのくらいの効果を生むかといった辺りは、かなり専門的です。それなりの設計者でないと、確信を持ってできない部分ですし、センスも問われます。

ひとつ言えることは、空間ボリュームが大きくても小さくても、それぞれにいい部分とそうでない部分があるということ。それらを繋げたり引き離したりして、ひとつのまとまった空間の集合体=家をつくっていくようなイメージ。
また、ただくっるけるのではなく、そこに身を置いた時の目線での空間の展開とか、機能によって空間に序列化するという概念も加わってきます。

あんまりマニアックな話になっても止めどなくなってきますのでこの程度にしておきますが(笑)、空間を考えるということはそれくらい濃密な作業で、精神的な行為です。
断面を考えるということは空間を考えるということで、その先には深遠なる世界が待っているような気がします。だからこそ重要で、面白い作業なわけです。

かなり概念的な話になってしまいましたが、具体的には吹き抜けの空間や、天井高を抑えた空間、部分的に狭く絞った空間を組み合わせ、それが法的に成り立つよう工夫しています。
生活の場ですので、動線などの機能面も当然無視できないので、そこはちゃんと想定した上で、断面計画を行っています。

決して大きな家ではないので、空間のボリュームはごく限られていますが、シンプルな外観からは想像つかないような変化のある空間の集合を目指して計画したつもりです。ちょっと言い過ぎかもしれませんが(^ ^;

 Posted by at 7:49 PM

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