8月 172016
 

2016 08 17 01

【道道808号 MGロード(霧多布湿原)】

胃をザンギと達成感?で満たした状態で、国道391号から国道44号に出る。
そしてすぐに、道道113号〜142号にスイッチ。ここから厚岸の尾幌までは、北太平洋シーサイドラインの未走破区間。地図で見る限り、とても期待のできそうなコースだ。

ところが、その期待とは裏腹に、走り始めから睡魔が・・・
天気は相変わらず優れず、薄暗いドライビングビューがそうさせるのか。
しかしながら、前走車のいないワインディングで、眠くて集中力が保てないなんてのは、ちょっと異常だ。

仕方なく、途中の大き目のパーキングで仮眠をとることにした。
コース自体は、景色はイマイチなものの高台のアグレッシブなワインディング。
天気と体調が揃えば、最高の体験ができたような気はするが・・・ 

尾幌でR44に復帰。厚岸で定番の道の駅「厚岸グルメパーク」に寄る。
北海道の中でも人気の道の駅で、この日も満車御礼。
厚岸といえば牡蠣だが、あいにく胃袋はザンギで満たされているので、食後のソフトクリームで我慢しておいた。

厚岸からは道道123号。ここから北太平洋シーサイドラインの中枢と言える区間が始まる。
個人的には、道内でも1,2を争うほど景色が楽しめる良道として評価する北太平洋シーサイドラインだったが、空の具合は好転せず。薄暗いドライブを続けることとなった。

2016 08 17 02

霧多布湿原

北太平洋シーサイドラインは霧多布湿原を貫く。貫くというか、湿原と太平洋に挟まれながら走っていく。それだけでも大きな価値がある。
湿原が目の前に広がる琵琶瀬展望台PAからの眺めは、その白眉。たゆたう琵琶瀬川と周囲の湿原が、悠久の時を超えて眼前に存在する様を、存分に楽しむことができる。

2016 08 17 03

霧多布湿原が面白いと思うのは、湿原の中に民家が集まる風景が見られるところだ。
厳密には海や沼沿いの湿原からは外れた土地なのかもしれないが、大きな景色として眺めると、湿原の真っ只中に人の営みが入り込んでいるようで、風景として特異に見える。
こんな状態を当たり前のように見ることができるのも、北海道ならではの面白さだと思う。

2016 08 17 04

浜中の中心街に入っていく手前で、正真正銘、湿原を貫く一本道があるのを発見した。
興味本位で入り込んでみる。どういった経緯で造られた道なのかはわからないが、これはなかなか。

2016 08 17 05

MGロード(道道808号)

観光案内用の看板も立っている。歩道も付いていることから、湿原散策路を兼ねているのだろうか。
MGロードという名の道であることも看板で知った。後から調べてみたら、MGはMarshy Grassland(湿原)の略だそうな。

2016 08 17 06

こんなとこに道路造って、湿原に影響はないのだろうか、という疑問が芽生える。
なんでも、道路の下に両側の湿原をつなぐパイプがいくつも通っているとかで、一応は湿原の生態系に配慮しているとか。(←これも後で調べて知った)

2016 08 17 07

釧路湿原では体験できないことなので、霧多布湿原をより身近に感じた一幕だった。

ここまで来たら、霧多布岬は外せない。
太平洋に突き出た半島にある浜中の街を通り抜けて、岬の先端へ。
広い駐車場のそのまた先端にエスを停め、ドライビングシューズをハイキングシューズに履き替えて出発!

2016 08 17 08

ところが、ここ霧多布岬も薄膜を張ったような霧の中。
読んで字の如く、霧の多い場所だから仕方ないが、眺望を楽しめる岬だけに何とも残念だ。

2016 08 17 09

霧多布岬の展望台。霧多布岬は通称で、正式には湯沸岬というので、この灯台も正確には湯沸岬灯台となる。

霧多布岬の先端に行くには、整備された遊歩道をそれなりに歩いていく必要がある。
周囲はうっすらと霧で包まれ、景色も遠望できず残念だなと思っていたが、斜面にはさまざまな花が咲き誇り、景色の代わりに目を楽しませてくれた。

2016 08 17 10

2016 08 17 11

2016 08 17 12

一際目を引く黄色い花がエゾカンゾウ。本州ではニッコウキスゲと呼ばれるアレである。
本州の山に登ると結構いろんな所で目にするけれど、こんなに海の近くの低い場所で見られるとは、やはり北海道である。 

2016 08 17 13

岬の先端に進んでいく。
徐々に岩礁に打ち寄せる波の音とともに、鳥たちの声が聞こえてくる。

2016 08 17 14

霧多布岬

抜けるような青空と大海原を望めないのは残念だったが、その雄大な自然の地形はかろうじて体感することができた。
霧多布岬。太平洋に突き出た小さな半島の先端だが、その荒々しい岩礁と断崖が生み出す景色は、北海道でも有数の絶景岬である(と思う)。 

2016 08 17 15

恐ろしいまでに雄大な地形も然ることながら、岬は鳥たちの楽園である。
無数の海鳥が強風に耐えつつも羽を休め、短い夏の時間を楽しむかのように喉を鳴らしている。

2016 08 17 16

2016 08 17 17

2016 08 17 18

2016 08 17 19

まるで明け方のような色調だが、これが見た印象そのままの色温度だ。
夏の霧多布は、いつ来てもその度に印象が異なる。それは天気の違いに起因していることがほとんどなのだが、それはそれで面白いし、毎回違う表情が見られると思えば、何度でも再訪したくなるというものである。
あまりに印象的な景色を目の当たりにし、もっと、ずっとこの場に留まっていたい気持ちでいっぱいだったが、そうもいかない。後ろ髪を引かれる思いで、来た道を引き返した。 

2016 08 17 20

駐車場に戻ると、エスの近くに1台のバイク。ホンダから新しく発売になったアフリカツインではないか。
大排気量のエンデューロバイクながら、ツーリングを意識した機能と佇まいがなかなかカッコイイ。
ちょうどオーナーが戻ってきたので少し話をした。発売から間もないはずだが、既に8000kmを走ったとのこと。ちなみに横浜ナンバー。
普段何をしている人なのか、こっちが心配になってしまう。(人のこと言えないでしょうが(笑) 

こちらのバイクには、今晩の停泊地でも遭遇し、さらにはどこか忘れてしまったが、もう一度見かけることになる。
昨年の四国での白いS2000といい、意識すると再会する傾向になるのはナゼなんだろうか。

・・・・・・・

北太平洋シーサイドラインに復帰。道道142号を根室方面に走り出す。

2016 08 17 21

途中、幌戸で陽が差してきてラッキーと思ったら、湿原の沼にタンチョウを発見。こんな真夏でもいるんだ。

2016 08 17 22

でもここからは残念な景色の連続。濃い霧が、眺望を完全に奪ってしまっていたのだ。
北太平洋シーサイドラインでも、この辺りの区間がもっとも北海道らしい景色の中を疾走できるので、今回も非常に楽しみにしていたのに。

かつてここで撮影した1枚の写真が、フォトコンテストで入賞したことがある。
それは当時、ホンダが開催したS2000のフォトコンテストだった。獲得したのは開発者賞ということで、S2000の開発責任者の方々からコメントを頂いたという忘れ難い想い出がある。
ここがまさに、その素材となった場所なのだ。(その時の受賞結果はコチラ←いつまで掲載されてるんだろうか) 

今回、その想い出の地でもう一度エスを写真に収めたいと思っていたのだが、どうにも撮影場所が特定できない。
撮影当時の2007年とは逆走になっているというのもあるだろうが、一番の原因はこの天気。同じ季節ながら、まるで異なる周囲の様相に、当時とはまったく異なる道を走っているかのようだった。

結局特定できないまま、海沿いの絶景区間は走り切ってしまう。元々夏は霧に包まれることが多い道東の太平洋岸エリア。まぁこんなこともあるだろう。

2016 08 17 23

D142は内陸に入って、しばらく根室本線と並走になる。
そろそろ時刻もイイカンジになってきた。この日の最初に書いた通り、行程はその場その場で考えながら走っていたが、そろそろ寝床の心配をしなければならない。
今回の旅は、久しぶりのキャンプツーリングと言いながら、初日はフェリー、2日目は釧路でホテルと、まだテント泊はしていなかったので、今晩は野宿な気分。
とは言いつつ、それなりに安心して熟睡できる環境はほしい。

北太平洋シーサイドラインは初田牛でしばし中断。道道1127号(←これがなかなか豪快な良道)で厚床に出て、国道243号で別海へ。
この別海町の街中に、利便性のいいキャンプ場があるのだ。

2016 08 17 24

実を言うと2007年も利用した、別海ふれあいキャンプ場。その時の印象が良かったのを覚えていたので、ちょっと足を伸ばして今晩の停泊地とした。
ちょっと蚊が多いのは難点だが、まぁ細かいことは言うまい。これだけ整然とし、しかもクルマと至近距離で幕営できる(コレ非常に重要)のだから十分だ。

自炊環境も完璧。それなりの調理もできる程度に道具は持参してきていたが、今晩のメインはザンタレ(の残り)なので、あんまりその必要はない。
昼間はできなかった、ザンタレとビール、そんでもってワインのハーモニーを楽しんでいるうちに、急激に夜の帳が下りていった。 

 Posted by at 3:16 AM

 Leave a Reply

You may use these HTML tags and attributes: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>