9月 232017
 

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細々と続く弘前ツーリング。まだ3日目です(汗汗

前日決めた通り、この日は半分、弘前滞在ということにした。
半分というのは、翌日は青森市街に停泊ということにしたので、そこまでの移動が含まれる。
ただ、弘前から青森までの移動なんてたかが知れているので、ほとんど弘前で終わることになるだろう。

朝はゆっくりめの出発。繁華街近くのビジネスホテルは、観光で出歩くにもちょうどいい。
エスを提携駐車場に停めたまま、徒歩でレッツゴー。

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駐車場から歩くこと数分で、旧弘前市立図書館の建物に出た。
明治39年に建設され、昭和初期まで市立図書館として利用されていた建物。
その後、移転を繰り返し、用途を変えながら現在の場所にて保存されている。
八角形の双塔が特徴で、瀟洒な窓の連続が可愛らしい。

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弘前城のお堀に沿って市役所前を通過すると、ちょっと印象的な佇まいのスタバを発見。朝食がてら、立ち寄ってみることに。

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1917年に陸軍の官舎として建てられた建物で、登録有形文化財に指定されているという。
そんな建物のデザインエッセンスを受け継ぎながら、現代のカフェへと見事に仕立て上げられていた。

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大胆な改修ながらも、大正ロマン漂う雰囲気が上手に残され、非常に居心地がいい。
和洋折衷の様式で、それぞれの部屋に明確な特徴がある。こぎん刺しをはじめとする伝統工芸を用いた内装も、主張しすぎず地味すぎずでいい塩梅。
その時の気分で席を陣取って、のんびりとした時間を過ごせそう。弘前市民がちょっと羨ましい。

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スタバを出て、また少し歩いていくと、今度は赤い尖塔が主張する洋館に出くわす。
弘前って、こんな趣のある歴史的建造物の宝庫だって知ってました??

この洋館のある藤田記念公園の前から、弘前公園へ。
公園に入ってすぐに目に入るのが、今回弘前に滞在した最大の理由であり、もっとも会いたかったこの建築。

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弘前市民会館

彫り深く分節されたコンクリートの壁面。
型枠の跡が表情豊かに残るその表面を愛でながら歩くと、天井高を極限まで下げた青い回廊が、訪れる者をさらに奥へと導いてくれる。
今から約50年前に竣工したこの建物は、今も現役で利用されているシティホールだ。

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回廊から管理棟に入ると、その空間に一瞬にして魅せられてしまった。
吹き抜けに佇む大階段。スチールのサッシにはめ込まれた、大判のステンドグラスから差し込む陽光が、青い光となって空間全体を包み込んでいる。

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吹き抜けに面して、会議室などの各室が配置される構成。
特にこの空間に機能的な意味はないのだけれど、この吹き抜け空間こそが建物の心臓部であり、すべての機能を繋ぐ幹となる。
その空間に造り付けられたコンクリート製のベンチには、カラフルなクッションが配され、大きな吹き抜け空間の絶妙なアクセントになっている。

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2階の回廊から見下ろす。
天井には星空を模したかのように散りばめられた、無数の小さな照明。下手に明るく照らさず、自然光を主としていることがまた、空間の質を高めているように感じる。

中2階のレベルにはカフェテリアが。
絶妙の階高設定。カフェにいても圧迫感はないし、他の2階部分から微妙に目線がずれることで、空間全体にリズムが表出している。

さて、このような素晴らしい公共建築を生み出したのは誰かというと、前川國男という戦後日本を代表するモダニズム建築家だ。
国立西洋美術館の設計者であるル・コルビュジエの弟子でもある氏は、その偉大な建築家の思想を受け継ぎ、戦後国内に数々の公共建築を残した。
そんな前川が、非常に数多くの公共建築を設計したのが、弘前という街なのだ。その密集率は群を抜いていて、現在でもどのほとんどが現役で使用されている。
何故、前川が出身地でもない弘前で多くの建築を残したかは定かではないが、母方の家系がこちらの方だったからという説が有力らしい。

熱っぽく語っている通り、自分は前川建築が好きだ。
特に前川國男自邸(江戸東京たてもの園に保存されている)は住宅建築の中でも一番のお気に入りで、自宅を設計した時、大いに参考にしたくらい。

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そんな前川先生の名作である弘前市民会館は、一度じっくりと体感したいと思っていた。
今回の旅で、成り行きで弘前滞在することになり、その願いが叶ったわけだ。
実際に訪れた市民会館の建築は、想像以上に素晴らしい空間だった。スケール感や色使いなど、どれをとっても考え抜かれていて、大いに刺激され、非常に有意義な訪問となった。

・・・・・・・

後ろ髪を引かれる思いで市民会館を後にし、隣接する弘前市立美術館(これも前川建築)を見つつ、弘前公園の奥へと進むと、弘前城の天守閣がある。

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建っている場所も大きさも、とっても不自然な感じだが、それは仮置きの状態だからだ。
本来この天守は、堀に面した石垣の上に設置された構造物だったが、その石垣が老朽化で倒壊の恐れが出てきたために改修中。
その間、上に乗っている天守は近くの広場にお引っ越し。数年前に行われた大事業「弘前城天守の曳家工事」を覚えている方もいるのではないだろうか。 

弘前城は現存天守のうちのひとつ。中に入れるが、この大きさなので、それほど広くはなかった。

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桜で有名な弘前公園の、夏の風景を楽しみながら回遊した後、再び弘前市街へ。
そろそろお昼ってことで、散歩途中で見つけたちょっとレトロな喫茶店でランチをいただく。 

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喫茶店のナポリタン大好き(笑

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その後も、弘前散策は続く。
明確に散策エリアがあるわけではなく、あてずっぽうに歩いてみただけだが、いくつか面白い雑貨屋や骨董屋に当たって、その度に品定め。

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ちょうど作家物の陶器を扱ってたショップがあって、地元弘前の作家によるぐい呑を購入。
これで昨日の「豊盃」を呑みたくなって、デパ地下で純米酒を仕入れる。

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大鰐線の始点、中央弘前駅。
いかにも雪国風情な味のある駅舎に、ステンレス素地という飾り気のない素朴な車両。
こういう風景が生み出す情緒が、たまらなくいいと感じる今日この頃。

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弘前市街を縦横無尽に歩き回って、駐車場に帰還。
ヘンな形のコインパーキングで、一見、妙な場所に駐車中のエスのエンジンに火を入れて、弘前を出発。

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国道7号は予想通り混雑気味で、多少時間はかかったが、程なくして青森市に到達。
青森バイパスに入らず、中心部に向かう途中、北海道新幹線が新青森駅に進入していく光景に遭遇する。

ホテルにチェックインし、ちょっと早めだったけれど、夜の宴へ。
青森の夜はこれまで、どっちかってゆーとイマイチなことが多く、今回もノープランでどうかなと思ったが。

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ホテルの近くを歩いてて、たまたま見つけた郷土料理居酒屋風な店に決めて入店。
思った以上に大衆居酒屋的な感じだった。当然のごとくカウンターに陣取る。

下調べもせず入った店にしては、結構グー。青森市編としては、近年ではダントツのような気が。。外観は全然そんな感じしないけど。

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郷土料理っていうより、雰囲気重視。味もそこそこ美味ければ、あとは旅の余韻で幸せに浸れるもの。

んなわけで、3日目はほぼ弘前で終了。走りずくめの旅先で、一服がてらの街歩きは楽しい。
でも、明日はキチンと走らせていただきます。

 

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 Posted by at 9:05 PM

  4 Responses to “弘前 touring 〜弘前建築行脚”

  1. こんにちは。綺麗な画像と弘前の風景に見入ってしまいました。
    北へのツーリング、憧れます。私も来年はメガーヌで東北へ出掛けてみたいです。

    • こんにちは。コチラでははじめまして!ですかね。
      ご無沙汰してました(^ ^;

      弘前はお城とサクラが有名ですが、建築も一見の価値アリでした。
      いつも夏から秋にかけて、吸い寄せられるように東北に向かってしまいます。
      走ってよし、見てよし。毎回ステキなグランドツーリングが楽しめてます。

      ぜひ愛車メガーヌで、東北のワインディングを思いっ切り駆け回ってみてください!
      東北に佇むメガーヌの風景、期待してます^ ^

  2. こんばんは。

    弘前の建築物、いいですねぇ。それが、カフェとして(スタバとか信じられない)機能しているところが価値を高めている気がしました。
    走ってばかりいないで、街歩きもしろということですかね(笑。

    • ていしあさん、どうもです。
      いやいや、自分の街歩きは完全に趣味なので、基本はやはり「走る走る!」にあると思います^ ^;

      今回の弘前は、一度は行ってみたいと思っていた街のひとつで、その期待に十分応えてくれました。
      そういう体験があると、たとえ夏の短いツーリングでも、特別想い出深いものになるような気がします。
      今までツーリングの付加要素として温泉とか山登りとかいろいろやってきましたが、街歩きに関しては、もうしばらくは続けてみようかなって思ってます。

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