12月 112011
 

昨日の朝、現地の日陰となる部分はバリバリに霜が降りていました。

明日、耐圧版のコンクリートを打つ予定です。先週末のように真冬並みの寒気だと「チョット待て」と言いたくなるところ。
というのも、コンクリートには水分が含まれている(コンクリート=セメント+粗骨材+細骨材+水) ため、あまりに気温が低いと水分が凍ってしまい、想定の強度が出なくなる恐れがあるからです。

また、コンクリートは打設後徐々に強度を発現していく性質があり、打設直後の気温が低いと、想定した強度が出るまでに時間がかかります。
凍害なくキチンと打ててさえいれば、いずれは強度は出ますが、管理上28日後に品質強度が出ているかを確認することになるため、気温が低くなる時期は、温度補正と言って強度を割り増ししたコンクリートを打つことになります。
そういった意味でも、冬場に打つコンクリートは心配事が多い。たまたまこの時期に着工になってしまったので仕方ないですが。

幸いここ一週間の練馬区の天気予報では、極端に寒くなる日はない模様。
とはいえキチンと養生、管理をして、しっかりとした基礎となるよう注視していこうと思います。

 Posted by at 11:59 PM
12月 102011
 

一週間ぶりに現地に確認に行くことができました。

基礎の配筋が済み、耐圧板のコンクリート打設直前の状態まで進んでいました。
出来上がってしまえば全く見えなくなってしまう箇所ですが、構造躯体の土台となる部分なので、家の強度という意味で非常に大切になってくる部分です。
鉄筋の種類、本数、寸法、配置、すべてに意味があります。計算された設計強度を得るためには、それらが設計通りに施工されている必要があります。

型枠と鉄筋の離れの寸法を、かぶり厚といいます。このかぶり厚についても、細かい決まりがあります。 かぶり厚が薄過ぎると、経年で中の鉄筋が錆びてしまいやすくなるなどの理由からです。

一部、そのかぶり厚が取れていないところがあったので、工務店の担当者に連絡をしました。

また、使わない部品やゴミが落ちていたので、その都度取り除いておきました。
業者にやらせるのではなく、自分でやれること、わかることは積極的に絡んでいきたいですからね。

 Posted by at 4:50 PM
12月 092011
 

ここまでかなり抽象的な話をしてきましたが、一方で、具体的にどれくらいの大きさでどんな形状の家が建つのかという部分についても検討していきます。
設計って言われると、とかく間取りに走りがちですが、それよりも先にこういったことを考えておくことで、より合理的で洗練された設計を生むのではないか、と思っています。

日本では、敷地の面積に対して建てられる規模が決まっています。いわゆる建ぺい率、容積率と言われる概念です。建ぺい率、容積率の制限値は、都市計画によってその敷地に定められている用途地域に紐付けて定められています。
ざくっと言うと、商業系用途地域は制限値が高く(床面積の大きな建物が建てられる)、工業系及び中高層住居系が中間、低層住居系が最も制限値が低く(敷地に対して床面積の小さな建物しか建てられない)なっています。

R style Houseの敷地は、用途的にも規模的にも最も制限の厳しい「第一種低層住居専用地域」に指定される一帯の中にあり、建てられる家に大きな制限がかかる代わりに、家並みが低密度で環境良く感じられます。
本当ならば、もう一段階緩い制限の用途地域の土地が良かったんですが、練馬区は区域の大半が第一種低層~であり、そうでない(条件の緩い)用途地域の土地は値段も段違いになるので、敷地面積がある程度広いことを条件に、この厳しい制限の土地を選択しています。

面積の制限の他に、家の計画で非常に影響が大きいのが、高さ制限です。
高さ制限は複雑に絡み合っていてなかなか理解しづらい概念ですが、都内で建てる場合、一番悩ましいのが「高度地区」による高さ制限だと思います。

高度地区は自治体によって指定の有無、内容が違うので、都内での話に限定しますが、今回の敷地はこれまた最も厳しい「第一種高度地区」に指定されていて、敷地の形状によってはかなりの制限を受けます。
ケースバイケースですが、この地区で3階建を建築するのはかなり難しくなってきます。

以上のような法的制限によって建てられる規模が必然的に決まってくるので、その制限を理解して家の大きさや形態を考えていきます。これをボリュームチェックと勝手に呼んでいますが、慣れてくるとその敷地の制限(属性)を見ただけで、建築可能な家の規模がだいたいわかるようになってきます。
必要になりそうな空間の規模や機能に対し、それを内包するだけのボリュームが確保できるかどうかを、敷地毎に検討していきました。

最も厳しい制限がかかる敷地でも、敷地の形状や道路の接し方等の条件によっては、望む家が建てられることがあります。逆に、制限は緩いのに、ほとんど面積が取れない場合も多々あります。
慣れてくれば、そういう目線からの敷地の価値が読み取れるようになってきます。
それはそれで面白い作業なんですが、一生の買い物なので失敗はできない(笑
当初の予定に反して制限が厳しい敷地を選んだわけですが、ボリュームチェックによってこれならイケるという確信ができたからこそ決断できたわけです。

(まだつづきます)

 Posted by at 1:11 PM
12月 082011
 

基礎の外型枠が立ってきました。
R style Houseの基礎は、ベタ基礎にて家の重量を支持地盤に伝える形式。その一部である耐圧版のコンクリートを打つための準備が始まっています。

今日から鉄筋を組み始めているはずですが、天気がイマイチなので進捗はどうかな。

photo by builder

 Posted by at 3:49 PM
12月 072011
 

ここで挙げたコンセプトは、それだけでは家をつくる上での具体的な指標にはなりません。
そこからイメージされる物体、環境、印象、感情などといった様々なものに置き換えて、空間や意匠的なイメージに繋げていくことが必要になってきます。

R style Houseにはまず、クルマのあるライフスタイル、敷地環境に相応しい佇まいといったコンセプトが、ごく初期の段階で定着してました。(そもそもR style的な発想の家という段階で、特に前者は必然なので当たり前なのかもしれませんが)
そこから具体的イメージに落とし込んでいきます。コンセプトから無制限に連想することによってアイディアを生み出し、潜在的に求めている空間・意匠的イメージを探し出していく・・

そこから生まれたのが「基地」「山小屋」というキーワード。

細かい連想の過程は省きますが、割とシンプルな発想です。
都会における生活。都会の利便性、先進性を享受し、感性を高めながら、仕事や趣味に打ち込む。その中でも生活の中心にあるクルマという存在。アクティブなクルマ生活を楽しみ、生活と趣味を豊かにする場所。
そういった発想から、「基地」というわかりやすいイメージのキーワードが生まれています。

また、敷地のある環境は、長閑で緑の残る場所。都会の住宅地でありながら、比較的低密度な町並みと屋敷林、畑地、すなわち土や緑の匂いが混在し、どこか素朴な環境が残っている。
そういった環境に建つ家。それは歴史風情に従順な形態や、モダンで鋭利なデザインでもない。むしろ郷愁を誘う、懐かしさと安心感のある存在が相応しいのではないか。それでいて、都会生活を営む日々の疲れを癒し、羽根を休め、落ち着き癒される場所であるべき。
すなわち、自然に寄り添いながらいつでも旅人を受け入れ癒しと休息を提供する「山小屋」のような、自然の残る周囲の環境に従順ながら、激しく動き続ける外的要因から守られるシェルターであること。

自分が潜在的に求めているイメージは、徐々に言葉とイメージに収束し、その後実際に計画するための指標となっていきます。
今回の場合は、都会生活と自らの趣味に起因して連想した「基地」というイメージと、周辺環境に相応しく家として求める機能から連想した「山小屋」というイメージが根本に据えられ、計画に落とし込んでいくことになりました。

(もうしばらくつづきます)

 Posted by at 2:21 AM