12月 132011
 

前々回説明したイメージから計画に落とし込んでいく過程で、さらに細かい「イメージのイメージ」を連想していきます。
「基地」とはどういったイメージでどんな印象を指すのか、「山小屋」とはどういったものでどういった体験をもたらすのか、という感じで更に掘り下げていくわけです。

そういう過程を踏んで、それぞれのイメージから更に具体的な印象が明確になってきました。細かい過程は省きますが、以下のような感じ。

コンセプトイメージ①:「基地」
・機能的でシンプル、都会的
・様々なアクティビティを内包、活動的
・いろいろな趣向に対応できる、可変性のある空間
・多様に変化するライフスタイルに対応できる、機能と空間

コンセプトイメージ②:「山小屋」
・木の小屋のフォルム、大きな屋根、郷愁感
・大きな居住空間、包まれ感
・秘密の寝床のような、心地のいい自分だけの居場所が散在する
・休息を得られる暖かみのある空間

考えていくうちに、この2つのイメージがどこか相反するイメージに収束していきました。
片や積極的に生活を楽しもうとする姿勢を支えるイメージ、片や外部のストレスから守られ休息を得たいとする姿勢のイメージ。それが非常に面白く感じましたね。
であれば、敢えてこの2つの相反するイメージをぶつけ合って、機能や空間、意匠を考えていったら、面白い家ができるんじゃないか。そう思うようになってきました。

ここまできてようやく空間構成の話になります。(まぁ実際はこの辺の思考順は入り乱れていて行ったり来たりで検証しているわけですが)

空間や形態のイメージを想像しつつ、どういった空間構成が適当なのかを模索していきます。
まったく間取りになっていなくて問題なく(むしろキチッとしていない方がいい)、どういった空間や機能が必要で、それがどういう関係性を持って繋がり、エリア分けされるのかといったことを考えました。

この時点では、イメージを連想することによって、ある程度空間のイメージは頭の中にできつつあるので、それを整理するために行う、と言えるかもしれません。
とにかく間取りを考える前に、ここまで詰めておくと、一本筋の通った、空間的骨格の確かな家が計画できると思います。

まず間取りから設計に入ったとしても、その間取りが本当に適しているのかということを精査する方法として、こういった一連の思考プロセスは使うことができると思います。
ここまで言っておきながら、実際自分も間取りを想像するところから設計に入ったというのが至極正直なところですが(汗)、その一方で、こういうプロセスを踏むことの重要性を意識し、軌道修正しながらやっていました。

設計っていうのは、他分野のデザインと同様、ロジカルに突き詰めていく経緯が重要だと思います。
そのプロセスの先に、プラン等の具体的な各種計画があるのではないかと。そういう経緯を大切にすることで、芯のしっかりした存在感ある家ができるのではないかと思うんですよね。

(そろそろプランニングを・・・(笑)

 Posted by at 8:39 PM