9月 112016
 

2016 09 11 01

【能取岬 /網走市】

キムアネップ岬の朝、湖面は浅い霧で覆われていた。
昨日近くで夕日の写真を撮っていた別の旅行者から、日の出見られませんでしたねーと声をかけられる。
やはり道東エリアは、このまま天候が回復することはないのだろうか。

テントを撤収して、駐車場でコーヒーを淹れて本日の作戦を練る。
国道238号で網走方面に走り出す。通勤にしては早い時刻だが、周囲にクルマは多い。

と、走っているうちに、いつの間にか霧は晴れ、それどころか雲もちぎれ飛んで、快晴の様相を見せてきたではないか。
これは、あそこへ行けということか。R238を直進する予定を急遽切り替え、道道76号を左折する。
能取湖の右岸を走ると、周囲のクルマはすべて漁港に向かって吸い込まれていった。
地の果てに向かうような道を単独行にて進む。先には、絶景の岬が待っているはずだ。

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能取岬

森の中の道から、突如ぱっと視界が開く。目に飛び込んでくるのは、緑の草原と青い海原。そして一筋のアスファルト。
下り傾斜の道は、海へと向かって飛び込んでいくような迫力を加えて、異郷の黒いオープンカーを歓迎してくれた。

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右手には、ぽつんと草原に立つ灯台。左手を仰ぐと、能取湖周辺のダイナミックな地形が広がる。
ダイナミックな景観に圧倒されて、ただただ佇むのみ。。 

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岬の駐車場には、誰もいなかった。平日の早朝という絶好のタイミング。
しかも、まったく予期していなかった奇跡の快晴!

今朝起きた時の空を見て、能取岬には立ち寄らないつもりだった。ここだけは、天気が良い時に訪れたいという気持ちがあったからだ。
ここ数日間の道東エリアの天候からすると、まさに奇遇、奇跡としか言いようがない。
何に感謝していいのかわからないけれど、この景色に再び逢わせてくれた何かに感謝の気持ちを込めて、思う存分ゆったりと岬の時間を過ごすことにした。

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能取岬は周囲の絶景はもちろん素晴らしいのだが、何と言ってもアプローチがいい。
最初の写真でわかるように、奇跡とも言える構図で岬に滑り込んでいくのだ。
これほど気持ちのドライビングビューを持つ岬を、他に知らない。

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想定以上に能取岬を堪能することができてしまった。
もしかしてこのまま天気は回復か??この後も最高の景色が待ってるぜ。

・・・・ いやいや、そうは問屋が卸さない。
この瞬間で最高を極めた色彩は、以後は急転直下で転がり落ちていくのであった。。。

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9月 112016
 

2016 09 10 08

【天北南部広域農道(エサヌカ線) /猿払村】

道道1077号から国道238号に出て、オホーツク海沿いを南下する。
オホーツク国道と呼ばれるR238、宗谷岬からサロマ湖辺りまで、オホーツク海を見ながら淡々と続くシーサイドロード。
その距離、推定200km以上。最初はいいのだが、あまりに景色に変化がないため、そう時間が経たないうちに飽きてしまう。

そこで寄り道を探すことになるわけだが、久しぶりにエサヌカ線を訪れてみることにした。
まっ平らな牧草地の中を、ただひたすら真っすぐ伸びているだけの道。
2007年の最初の北海道ツーリングで訪れ、「金太郎飴のような道」と評した、ヘンな道。
それがエサヌカ線である。

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オロロンラインと並んである意味、いちばん北海道らしい道と言えば、確かにそうかもしれない。
道の行く先は、地平線の彼方で消失している。リアルにバニシング・ポイントを体感できる、貴重なスポット。 

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しかし困るのは、どれだけ写真を撮っても、全部同じような絵にしかならないということである(笑

しばらく来ないうちにメジャーになってしまったのか、思いのほかクルマもバイクも多い。
本来農道なので、農耕車やトラックがバンバン走っている。案外、静かな道ではないのであった。

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R238に戻って浜頓別。
再びオホーツク海を眺めながら直進すると、眼前に大きな岩山が立ちはだかる。
行く手を阻むかのような印象的な山塊がオホーツクの海に飛び出す地点は、神威岬と呼ばれている場所だ。

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その神々しい名称にふさわしく、尾根に霞をまとわせた容姿が美しかった。

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枝幸の市街地を通過し、黙々と走っていたが、やっぱり飽きてきた(笑
道の駅でしばしの作戦タイム。早いとこ内陸に逃げて、ワインディングを楽しみたい。
白羽の矢が立ったのは、幌内から下川に向かう道道60号。前回も走ったことのある区間だが、手応えのあるワインディングコースなので、何度走っても気持ちは良いはずだ。

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D60に入った瞬間、選択に間違いがなかったことを確信した。
幌内川に寄り添う道路は、この日一番の青空の下、爽快なことこの上なかった。
もちろん?クルマもバイクも走っていない。対向車もいない。
時折見える幌内川のせせらぎにレンズを向けたい衝動に駆られたが、ただひたすらこの道を駆け抜けたい欲望が勝った。

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幌内越峠を越え、見覚えのある森の風景の中を行く。
前回2010年に、確かにこの道を通っている。

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ダム工事が進む中、改良された広い道を、下川町のある長閑な盆地に向かって、一気に駆け下りていく。

下川のセイコマで缶コーヒー休憩。晴天過ぎて、めちゃくちゃ暑い。
いや、気温はそれほどでもないのだろうけど、涼しいはずの道北にいるのに?という気分が、暑さを体感的に助長させているような感じだ。

ところで、ここでちょっとしたトラブル。トラブルっていうか忘れ物発覚。
コンデジの電池が切れそうなのでシガーソケットから充電しようと思ったのだが、どこを探してもインバーターがない。
調子が悪くなったのでクルマから下ろして、結局そのままになっていたらしい。

キャンプ主体のツーリングならではの問題だ。
一眼レフは予備電池もあるし、そうそう切れることはないのだが、問題はコンデジの方。
ここからは電池節約のため、しばらく騙し騙し使っていくことになる。

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下川からは道道101号。岩尾内ダムを巻いて、愛別方面に向かう。
道道61号との重複から単独区間に切り替わった直後から、道は急に狭くなった。
狭くなったと言っても二車線はあるのだが、鬱蒼とした木々に埋もれた薄暗い道で、コーナーも多くなる。

道が険しくなるにつれ、キツネを目にする回数も多くなったが、遂にはセンターライン上で寝そべっている輩まで出る始末。
脇を走り抜けても、逃げようともしない。そのうち轢かれるよ。

途中、天塩岳の登山口への分岐があった。
ということは、天塩川の源流がこの辺りにあるのか。(岩尾内湖は天塩川上流のダム)
天塩川は北海道では2番目、全国でも4番目の長さを誇る河川である。
ほとんど道北エリアで完結しているので、感覚的にそんなに長いとは思えない、不思議な川なのだ。

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愛別に入ると、雰囲気のいい田園地帯が目を楽しませてくれた。

愛別市街で国道39号に出た。ひとまず天気の良さそうな道北に逃げて、また道東に戻ろうとしているわけであるが、旭川近辺に出てきてしまった。
道東方面に向かうことでルートを整えようと思い、R39を北見方面へと向かうことにする。
正面に残雪をたたえた大雪山系の勇姿が見えた。

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上川で石北本線側の国道273号に入り、更に浮島で国道333号に入る。

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北見峠を越えて丸瀬布に向かうルートだが、R39の石北峠に比べてマイナーで、通ったことがあるのかどうかも思い出せない。
しかも、今や旭川紋別道が並行していて、更にはこれが無料供用中区間であることから、下道であるR333には人っ子一人いない。(つまり交通量皆無)

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北見峠という名が付くだけあって、そこそこハードな峠道。ここで完全な独り占め状態がずーーっと続くわけだから、そりゃ気合いが入らないわけがない。
こういった無料供用中の高速道路やバイパスに沿う峠道が意外な穴場になるのは、全国どこでも一緒。
だからこういう所では、よほど時間に余裕が無い時を除いて、敢えて下道を選ぶことにしている。

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旭川紋別道は、丸瀬布まで延びていた。
丸瀬布のICからは、案の定、多くのクルマが降りてきて、普通の交通量の国道になってしまった。
しかしすごいなぁ。札幌からこんなとこまで、高速で来れるようになったなんて。
この先、紋別や遠軽、湧別なんて、めちゃくちゃ遠いイメージしかなかったけど。今はそうでもないんだろうなぁ。(でもやっぱり遠いか)

国道242号にスイッチして、昨日通った遠軽に戻ってきた。ここで本日2回目の給油。稚内からちょうど400km。どんだけ広いんよ(笑
そのまま直進して上湧別に向かったが、その上湧別で突如霧が降りてきた。
と同時に気温は急降下。さっきまで暑いくらいだったのが、今度は肌寒さを感じるほどに。。

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既に夕刻を迎え、そろそろ本日の停泊地を、、と考えていたところでこの急変ぶり。
一抹の不安を覚えなくはなかったが、もはや迷っても仕方ない。
この日はサロマ湖でキャンプと決めたので、湧別でスーパーを探したのだが見つけられず。セイコマでビールだけ調達。今晩は持参したアルファ米で済ますことに。
昨日の晩餐とはエラい違いだなぁ。

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サロマ湖畔のR238を走っているうちに、霧は晴れてくれた。 
そしてやってきたのは、サロマ湖に突き出すキムアネップ岬。岬の先端には、本日の停泊地として定めたキャンプ場がある。

キャンプ場は予想に反して、多くの停泊者で賑わっていた。
本日の寝床の準備に勤しんでいるのは、キャンプが目的のいわゆるキャンパーではない、オートバイやクルマのツーリスト、そしてワンボックス寝泊まり系の人々である。
同じ無料のキャンプ場でも、昨日の幌延とは随分と様相が異なっている。

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その理由はよくわかる。とにかく景色がいいのだ。
サロマ湖に突き出た地形ゆえ、サイトから湖面が見渡せる。そしてその水面には、今や陽が落ちようとしている。

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残念ながら雲が低く垂れ込め、湖面にぽとりと落ちる夕陽は望めなかったが、オレンジ色に染まる静かなサロマ湖の水面に、しばらくの間、見入っていた。

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 Posted by at 12:03 AM