面河渓を後にして、いよいよ石鎚スカイラインへ。
元有料の観光道路であり、四国最高峰の石槌山を駆け上がる爽快ヒルクライム!
・・・・というような感じは、残念ながらあまりない(笑
細かく曲がるコーナーが非常に多く、さして道幅も十分広いわけでもない。(2車線は完全に確保されてはいる)
何しろリズムが悪くて、非常に走りにくいのである。
同じヒルクライム系のワインディングでも、例えば麦草峠とか、トリッキーながら走り甲斐はあるんだけど、、石鎚スカイラインはどうにもノレないのである。
この辺は何がどうだからという明確な理由があるわけでもないので、たぶん相性の問題なんだろうけど。
途中にこれといったスポットがあるわけでもないので、ただ一心不乱に走り続けられるシチュエーションはいいと思いけど。
前走車が現れると、延々付き合うハメになる可能性も高く、諸刃の剣とも言える。(現れる度に譲られましたが)
特段の感慨もなく終点に到達してしまった。
先にも書いた通り、石鎚スカイラインの終点は石槌山の登山口なので、登山者のクルマで埋め尽くされている。
2日目、R439走破中に通った見ノ越は、四国第二の高峰、剣山の登山口。
まったくそのつもりはなかったけど、今回の旅で、四国を代表する両山に対し、クルマでもっとも近付けるとこまで接近したことになった。
剣山の見ノ越と同様に満車状態だったので、車窓より登山口を眺めて終了。
じゃあ引き返しますか・・・と、そうではない。この先にも道は続いているのである。
ただし、それまでの完全2車線路とは打って変わって、ただの山道。
通常なら、峠を越えたこの先、道が続く保証はないが・・・(しかも四国だし)
ご存知の方も多いと思うが、石槌山から北側の寒風山に続く尾根筋を走る一筋の道がある。
その名も「瓶ヶ森林道(かめがもりりんどう)」。道自体は知っていたし、走ったこともあるのだが、そういう名前だって知ったのは結構最近のことである(汗
町道瓶ヶ森線とか、UFOライン?とか呼ばれることもあるらしい。
本来の目的は石鎚スカイラインではなく、この瓶ヶ森林道にあった、というのが実際のところだったりする。
瓶ヶ森林道からは、道端に車を停めて、石槌山の全景が拝むことができる。
これは石鎚スカイラインでは無理な芸当だ。(たぶん)
しかし道は狭い。離合はそれなりにあるし、集中力は必要だ。
崖っペリをひたすら走ることになるが、ひたすらバック、バックというほど狭いわけでもない。
そういった意味では、R439の代表的な峠たちよりは気楽な部類かもしれない。
瓶ヶ森林道の良いところは、景色が良いところに加えて、ちょっとした見処があるところかもしれない。
何気にエスが停まっているこの地点、実は吉野川の源流地点なのである。
四国を代表する大河、四国三郎は、ここを起点として徳島市から紀伊水道に流れ出している。
実際に水脈は見て取れないのだが、この尾根から小さな地形の筋となって水が集まり、やがて大きな谷間を形成していくのである。
地形が織りなすダイナミックな物語を、この目でこの足で体感することができるのだ。
吉野川源流周辺が、瓶ヶ森林道の白眉。
素晴らしい眺望(とてつもない高所感)と共に、地形に沿ってステアリングを右に左に切って進んでいく。
尾根伝いを走行するので、雲に巻かれたり、急激に晴れたりと目まぐるしい。ほとんど登山だ。
それがゆえに、四国の屋根付近を走っているという爽快さが常にある。
ちょっと気になった地点でエスを停める。眼下には目も眩むような谷。
さすがの四国でも、こんな所には民家は決して現れない。
気になったというのは、道路から小高い峰に向かって登山道が延びていたからだ。
せっかくなので、ちょっと登ってみよう。いや、山登りではなく散歩程度で。
奥祖谷の二重かずら橋以来、トランクに忍ばせていたライトトレッキングシューズに履き替えてレッツゴー。
クマザサに覆われた山肌を、緩やかに登っていく。
登山をやっていた頃は何一つ珍しいことのない風景だったが、今となってはちょっと新鮮。
振り向けば、眼下に瓶ヶ森林道。そのダイナミックな線形を目のあたりにすることができる。
周囲のどんな山々より目線は高い。
クルマで走ってきて、ちょっと歩いただけでこの高所感。これは他では、ちょっと体験できない。
凄いな瓶ヶ森林道。
以前走った時は、確か天気が悪かったので、通り過ぎただけで、この魅力に気が付かなかったのではないかと思う。
こーんなとこまで登ってきてしまった。もうエスが豆粒。
小さな丘を超える度に、どんどん次の登り坂が現れてキリがない。そろそろ引き返そうか。。
帰りは望遠レンズにチェンジして狙ってみる。
いつの間にやら駐車帯は大盛況。(バイク邪魔・・・)
ちょっといい汗かいた、瓶ヶ森のトレッキング&風景には大満足。
陽も高くなってきて、林道は大盛況。ここから寒風山の国道194号までも結構な距離があったが、すれ違うクルマの多いこと。。
狭い道ではあるけれど、立派な観光地なのだ。
ただ、それを差し引いたとしても、四国ツーリングには是非取り入れたいルートのひとつであることを再確認したのだった。