1月 072012
 

年が明けて、初めて新築現場に足を運びました。
工事は来週からなので、現場は年末の状態のまま。最後に見に行った後の年末工事で、以前紹介した基礎に埋め込んだアンカーボルトに、柱の取付け金物(写真の黒い物体)が据えられています。

今後の工事で、この黒い柱脚金物に直接柱を立て込んでいきます。
この金具が、構造計画上のポイントになる部分。

普通の木造住宅では、このような金物は使わず、基礎上に敷き込んだ土台上に直接柱を立てていくのが一般的かと思います。
それに対して今回の計画では、柱は土台から独立させ、基礎から直接立ち上がる特殊な工法を採用しています。
こうすることで、柱に対する引き抜き耐力(接合強度)を、従来の工法よりはるかに高く確保することができるからです。

建物(木造住宅)には地震時に、基礎上部の上物が揺すられることで、柱の根元に引き抜きの力が加わります。ここが破断する(柱と土台が離脱する)と建物は更に傾いて揺れの力が加速してしまい、最悪の場合倒壊してしまう恐れがあります。
なので、この柱脚部分の耐力確保は非常に重要。通常はホールダウン金物で引き抜き耐力を確保しますが、柱脚金物は更に大きな耐力を確保できます。

その分コストもかかるし、基礎から直接柱を立てるので、アンカーボルトの精度、更には基礎の精度が必要で、施工にも監理でも気を使うけれど、建築にとって生命を守る構造性能は最も重視すべき部分のひとつですからね。
金具自体の強度も必要で、当然経年による問題は懸念されますが、塗装は自動車と同じような電着塗装が施されていて、いかにも堅牢な感じです。

もちろん構造計画のポイントはこれだけではないですが、まずは足元からっていうことで。

 Posted by at 11:24 PM

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