2月 082012
 

建て方が済んで間もなくなので、結構前のハナシではありますが、外部廻りの建具が納入され、取り付けられました。いわゆるアルミサッシというやつで、雨仕舞いの観点からも屋根と同時期に早急に取り付けられる部分です。

アルミサッシ、つまり大部分は「窓」となる製作モノで、昨年着工間もない頃に真っ先に発注承認したもの。取り付け時期が早いことに加え、製作工場がタイにあったことから、洪水の影響を受けて更に発注時期が前倒しになったという経緯があります。

住宅用サッシではメジャーなトステム(LIXIL)製。窓だけでなく、勝手口やテラスドア、玄関ドアもトステムを採用しています。
サッシはいわゆる既製品とすることでコストを抑えているので、特段凝った意匠や特大サイズの窓などは採用していません。特注の窓を象徴的に使うより、既製品の窓をそう見せないようにしつつ効果的に配置することを心掛けて、開口部の計画をしました。

アルミのカラーも当然標準色。素っ気ないくらいのアルミ(シルバー)色を敢えて選択しました。
窓のサッシ部分(アルミ部分)は、室内から見た時にできるだけ存在感が薄い方がいいと思ったのと、外壁とのマッチングでこの色に決めた次第。
通常選ばれることの多いブラック、ステンカラー、ブロンズを敢えて避けてるのが、ある意味自分らしい(^ ^;;

色以上に拘った部分があります。それはガラス
今回の敷地は、都市部に多い準防火地域ということで、敷地の境界線(道路に接する場合は道路中心線)から1階の場合は3m、2階の場合は5mの範囲の開口部は、防火設備という規定を満たす仕様にしなければなりません。
窓を防火設備にする場合、普通の透明なガラスは使用できず、通常は「網入りガラス」というものを使用します。よくガラスの中に網目状に線が入っているアレです。あのガラスは、防犯上意味があるから使ってあるわけではなく、防火上の規定に適合させるために使ってあるんです。

敷地から離れを取る余裕なんてほとんどない都内の住宅地なので、家の開口部はほとんどが防火設備対象。なので、どんなに大きなガラス面を持つ窓を設けても、ガラス部分は網がかかっていて、風景も開放感も今ひとつ、ということになってしまいます。

網入りガラス以外の選択肢はないのか。

実はあります。
ガラスに特殊な加工を施して、防火設備に使用できる認定を取得した「透明」のガラス、耐熱強化ガラス(耐火ガラス)を使うという手です。当然網は入っていません。一見、普通の透明なフロートガラスと見分けはつきません。
これを使えば、防火設備にしつつも開放的な窓が得られるわけですが、何せ耐火ガラスは超高価。なので、一部のここぞ!という部分に使うだけならともかく、住宅の全部の窓を耐火ガラスにするという選択は非現実的でした。

ところがごく最近、住宅用に安価な耐熱強化ガラスが出てきてるんです。今回は工務店も知らなかったのですが、見積り取ったら普通の網入りガラスと比べて1割高いかどうかっていうレベル。これを見逃す手はないってことで即採用。
網入りガラスより薄くて済むので、サッシの動作が軽いのも利点。熱割れの心配もなく、何と言っても網にジャマされない開放的で澄んだ風景を手に入れています。

 

ちなみに、その住宅用耐熱強化ガラスは、旭硝子の「マイボーカ」という製品。
網入りとほとんど遜色ない価格帯なので、都市部に家を建てる人は一考の価値があると思います。

サッシは断熱性を求めてペアガラス仕様になっており、網入りより薄くて済む耐熱強化ガラスを使うことでガラス間の中空層を広く取れるので、結果的に断熱性能がアップするというメリットも考えられます。

(さらに追記)

トステムの防火設備サッシと言えば、昨年くらいに防火性能が認定基準を満たしていなかったことで話題になりましたが、あれは樹脂とアルミの複合サッシの欠陥でした。
今回採用しているのは通常のアルミサッシなので対象外です。これすら疑ったら何を信じて採用していいやら。メーカーさんしっかりしてください。

 Posted by at 2:39 AM

  2 Responses to “アルミサッシの秘密”

  1. 着々と進んでいるようですね^^
    ユニットバスはその後どうですか??

    • メーカーのミスとのことで、是正工事待ちの状態です。
      一回組み立てたものをばらす、それも水廻りなので、それ相応の品質を確保するよう、工務店には厳しく指示をしました。ちょっとイージー過ぎるミスですからね。

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