ファーストインプレッションから間が空きましたが、実際に走らせた印象をレポートします。
ビートをドライブした印象。
何と言っても、遅い!!!(笑笑
とにかく遅いです。660ccの3気筒NAですから、当たり前っちゃ当たり前ですが。
カタログ値64psですが、経年劣化で50ps出てるかも怪しいでしょう。
いくら軽いからって、速いわけがありません。
なので、一生懸命シフトアップしても、全然スピードが乗っていかず、やたらベタ踏みです。
街中から出てしまうと特に、全開率の高いこと高いこと(笑
このシリーズ記事の題名が表している通り、いつでもどこでもフルスロットル!、ってことになってしまいます。
そして、これが異様に楽しい!
どんだけアクセル踏みつけても、出るスピードはたかが知れてるので、バンバン踏んでいけるわけです。
しかも全開時には、3連スロットルと4本出しステンレスマフラーのおかげで、とても勇ましい吸排気音が鳴り響きます。
アイドリング時の軽トラ音はそこにはなく、むしろスポーツカーを駆る高揚感がある。どんどん踏んでいきたい衝動に駆られる。
そんな欲望に忠実に楽しめるのが、ビートの楽しさの源泉なんだということを実感してます。
そんな楽しいアクセル操作に対して、ブレーキはいまひとつ。
剛性はあるのですが、何しろ効きません(笑
こんなに車重軽いのにどうして??ってくらい。
フロントタイヤ径が、今や絶滅に近い13インチなので、その中に収まるブレーキサイズが小さいというのはあるけれど。
でも、何と言ってもビートはミッドシップ。ブレーキ時に前に荷重がかからないのです。(フロントエンジンのクルマに比べて、ね)
その上、ロックまでの許容範囲が狭い。下手なブレーキではすぐにロックしてしまう。ABSなんて当然着いていませんから、場合によってはコワい思いをします。
フロントに荷重がないということは、ブレーキで前荷重をしっかり作ってやらないと、コーナーリングが上手くいきません。
雑なコーナーリングでは、簡単に強めのアンダーが出ます。
現代のハイグリップタイヤ履いた電子制御満載のクルマに乗っているとまったくわからない世界ですが、ビートは構造が単純で余計なものが一切ついておらず、しかもミッドシップ。
より一層、基本に忠実なドライビングを心掛けないと、上手く走ることができません。
そういった意味では逆に、ドライビング・ジャンキーにはこの上なく楽しいクルマ。
いかに姿勢を制御するかが重要で、荷重コントロールの練習台として最適。
旋回を始めてしまうと、車体の中心を軸にして、駒のようにくるくると気持ち良く曲がってくれて、これがまたヤミツキになるわけです。
自分はフロントのイン側だけ微妙にロックさせながらコーナーに入れるといい気分になります(笑)
大したスピードが出て無くても、F1とかのギリギリブレーキング気分(気分だけですが…)になれます(笑)
ちっちゃくても遅くても、気分だけはレーシングカー(スポーツカー)!
この雰囲気づくりが、ビートの真骨頂なのかもしれませんね。
自分のはかなり手の入った個体なので、純正状態よりスポーティなバランスになっていると思います。
これが非常に的を得ていて、乗っていて気分が高揚して、とにかく楽しい!
ヘタしたら最新の背高軽四にも負けるかもしれないくらい遅い(笑)んですが、この世界観は絶対に今のクルマには出せないと思います。