3月 132012
 

内装仕上げの段階では、いろんな職人さんが出入りすることになります。
その中で、この日は塗装屋さん。色番号で指定して終わり、というような指示の仕方では計れない着色に関して、現場で調合、色合わせをしてもらいました。

木部に塗装する部分は、床の色合いに合わせることにしていました。
具体的には階段の段板とか、集成材のカウンターとか。
コストや部位の関係で、無垢材としていない部分には、全体の印象をひとつにまとめるために着色を施します。

使用する塗料はオイルステインと呼ばれるもの。木の繊維に浸透し、木目を浮き上がらせる感じの仕上りになる塗料です。

オイルステインには、ウレタン塗料のように塗膜を形成しない分、キズや摩耗には耐性はないですが、手触りや質感という面では木独特のそれを妨げないという利点があります。

ウォルナットに蜜蝋ワックスを塗った見本を用意し、それと色合わせを行います。

塗装屋さんがいくつかの塗料を混ぜ合わせ、集成材の端材に塗って拭き取り、ドライヤーで強制乾燥。その後、実際はワックスで仕上げるので、その仕上りを見越して少しずつ合わせていきます。

最初からほとんど同色!ってくらい色が合ってたのは、さすがにプロ。何となく絵の具を混ぜるのとはワケが違います。

微妙な違いですが、何度か濃い薄いを試してみて、程良いところで決定。

続いて、内装下地のプラスターボードに直接塗るアクリル系エマルジョンペイント(AEP)の調色です。

こちらの方は、いわゆるベタ塗り仕上げになるので、色番号に合わせてメーカー調合したものを確認するという作業です。

あらかじめ色番号と艶の程度を指定しておいたので、それに合わせて調合された塗料を端材に塗って確認。

 

これはまぁ指定しただけに予想通り。
半艶の程度も絶妙でした。

 Posted by at 12:32 AM
3月 102012
 

上棟以後、ずっと続いていた大工工事が遂に完了し、現場はいよいよ仕上工事の段階に入っています。
いつものように土曜の本日現場に赴いてみると、ちょうどキッチンの取付が行われていました。

大工さんの工事が終わると同時に搬入されたシステムキッチン。手慣れた住宅の設計屋さんは大抵オーダーメイドで造作する部分ですが、そんな知識も技術も無いので、ここはメーカー品に頼ります。
いかにも量産品的な存在感の薄さ、その割りに値の張る価格と、個人的には否定的な面が多い住宅設備の筆頭ですが、各社使い勝手を突き詰めた細かな仕様など、プラス材料をできるだけ見つけて無理矢理納得して(笑)採用しています。

とは言いつつ、やっぱり既製品っていうような、いかんともし難い素材感。ならばキッチン全体のイメージで、既製品感をできるだけ和らげるため、空間全体でキッチンをコーディネートしようと。
その結果現れたのが、ブラック基調、とゆーかほぼ真っ黒な(-o-;) キッチン。写真には写ってませんが、キッチンの扉面材もほぼブラックに近いダークグレー。まさに男のキッチンです。

特に特別な素材は使っていません。システムキッチンはクリナップ「S.S.」シリーズのオプション数を抑えた廉価版。キッチンパネルは汎用のメラミン不燃化粧板です。
おカネをできるだけかけずにイメージの空間を創り出す。キッチン空間ひとつをとっても、コンセプトに沿った個性を持たせようと企んでいます。

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 Posted by at 6:03 PM
3月 052012
 

内部の壁下地がほとんど張り終わりました。
ほぼ内部空間の形態が仕上がりつつあります。残すはまさに「仕上げ」に当たる部分。
上棟後、ここまでずっと現場で作業を続けてきた大工さんが今週で引き上げ、代わりに内装工事の職方が出入りすることになります。

1階から2階へ上がる階段も付きました。
これまでハシゴで昇り降りしてたのが、随分とラクに。

階段ができると、スケールがぐっと具体化するような気がするんですよね。

 

 Posted by at 12:34 AM
2月 282012
 

ウォルナットの無垢フローリングは、先般張り終えたばかりですが、もうひとつのフローリング材は、張られるタイミングを現場でじっと待っています。

水廻り以外はブラックウォルナットで統一していますが、唯一ロフトだけは、ミモザという異なる無垢材を使っています。
ロフトだけ違う材にしたのは、ロフトという秘密部屋のイメージに合う、ざくっとした風合いの床板としたかったのと、単純にコストの関係です。
色合いや質感はウォルナットと非常に似ているミモザですが、ウォルナットよりも荒々しい木目による力感が特徴で、実にワイルドな印象です。ウォルナットもそれなりに硬いですが、ミモザは更に上を行き、土足にも耐えうる性質を持っています。

ますます大工さん泣かせな現場(笑

加えて無垢材としては安価なのも採用理由。
空間によって特徴を付ける上で、ミモザの風合いはロフトのイメージには非常に合っていました。ウォルナットは見方によっては高級感が漂うこともあるので、R style Houseのロフト空間にはちょっと合わない。ウォルナットと似ていながら、どこか雰囲気が異なるところがこの空間にはピッタリ。それでいて安価。色合いや木目にバラツキのある「ラスティック」グレードであることも安価な理由。
無垢材は色が揃い節が無いものほど高価です。逆にそれを求めない空間に使うなら、この表情でも何も問題はありません。

ところで、無垢材は湿度や温度によって伸び縮みするので、張り込んでいく際には、材と材にの間に意図的に隙間を確保しながら並べていく必要があります。
名刺のようなスペーサーを挟みながら張っていくわけですが、今回はタイミング的にその光景を見ることはできずに終わってしまいそうです。

 Posted by at 2:31 AM
2月 232012
 

ロフトへ上がる階段が出来上がっています。

行き先がロフトということで、スペースの事情もありかなり急な階段を計画してましたが、実際にできてみると、感覚的にはそんなには急でもない感じがします。

こういったふうに、できてみて「意外といいな」と思えるようなことばかりであればいいんですが、残念ながらその逆も少なくありません。
自分にはある程度明確なイメージがあるんですが、作り手に上手く伝わっていなかったり、計画時に煮詰め切れなかった部分が悪い状態で表出してきたり。。

一番多いのが、住宅をつくる上で常識と思われる仕様や納まりが、放っておくととても残念な感じになってしまいがちなこと。
この業界でやっている人には当然のことなのかもしれませんが、かなり違和感のあることが結構あります。住宅は、建築の中でもかなり特殊だということを身に染みて感じています。

何とか最後まで粘り腰で対応していかなければ。

 Posted by at 1:51 AM