6月 172015
 

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石畳の路地を歩いていく。
路地は緩やかに弧を描いて伸びていて、次のシーンの展開を期待させる。

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進むにつれ徐々に急になっていく斜面に、無理矢理張り付く家並みに目を奪われる。
居住に適しているとはあまり言えないようなこの地形に、どういった経緯でこんな風景が生まれたのか、興味が尽きない。

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坂がいよいよ急になってきた頃、三重塔が現れた。先ほどの天寧禅寺の塔らしい。
敷地が狭いからか、本堂のある敷地ではない場所に立っている。

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塔に住み着く?のんびりネコ。
尾道はネコが多いらしい。道端では、ネコをテーマにした雑貨屋のような店や、オブジェがそこかしこで目に入る。
坂道の街にネコの風景。ありがちだけど絵になり過ぎるなぁ。

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さらに登っていくと、広い階段に出た。いつの間にかかなり上の方まで登ってきたようで、この先が坂の頂のように感じる。
階段を登り詰めていくと、岩山にへばり付くように並ぶお堂のような建物たちが見えてくる。

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市街地を見下ろす山の頂上に鎮座する、尾道のシンボル的寺院、千光寺だ。

駐車場の近くから千光寺まではロープウェイが運行していて、わざわざ歩いて登ってくることもないのだが、朝早過ぎて運行していなかった。
でも徒歩でも十分登ってこられた。そのおかげで、尾道の路地を堪能できたわけだし。

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本堂に参拝した後、休憩所で一休み。
ここからの眺めがまた素晴らしかった。眼下に尾道の街並み。川のようにみえるのが瀬戸内海。対岸の陸地のように見えるのが向島と因島。
尾道市街を横断する山陽本線を走る貨物列車の姿が見える。往来する列車のカタンカタンという走行音が響いていた。

 Posted by at 7:39 AM
6月 152015
 

翌日、ホテルの窓から視界に飛び込んできたのは、眩しい陽光と澄んだ青空。
事前の予報では、天気は下り坂とだったはず。予報が外れて雨が降ることはあっても、逆に雨が晴天ってことはほとんど経験がない。
オープンカーに乗っていると、天気には敏感になるもの。思いもかけないこの状況に、いきなりテンションMAX。
とは言っても慌てずに、フロントガラスを拭き上げ、しっかりと暖気した後にエスを発進。国道2号を西へと向かう。 

バイパス天国のR2は、福山市街を抜けると程なくして尾道バイパスになる。
その尾道バイパスには入らず、旧道へ。松永の市街地を抜けると、視界に瀬戸内海と島と船の景色が入ってくる。
島と海と山に挟まれた狭小な土地にひしめく古い建造物。尾道の市街地へと入り込んだのだ。 

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市街地では、R2と山陽本線が並行して走る。
その中心近くと思われるコインパーキングにエスを停める。

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尾道は坂の町だ。爽やかに晴れた朝の空気を吸いながら、ここはひとつ徒歩で尾道散策といこうじゃないか。

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目の前の鉄道のアンダーパスを抜けると、いきなりそこは天寧禅寺という名のお寺だった。
尾道には寺院も多く、寺巡りでひとつの観光コースができてしまうほど。
さすがに全部巡っていたら、尾道だけで旅が終わってしまいそうなので、今日はひたすら気ままに歩こうと思う。

天寧禅寺で、この旅の安全を願う。寺院や神社に行くことの多い我がツーリングだが、そういった場所では安全を祈ることが習慣になっているのだ。
寺の裏側に細い路地。そこを抜けると、石畳の坂道に出た。

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これぞ尾道の路地。

いや、尾道に訪れるのは今回が初めてなので、これはそうに違いないというだけの根拠の無い確信に過ぎない。
それでもこういう路地空間には、ビビビっと感じ入るものがあるのだ。

この路地を行けば、この土地でしか見られない風景に出会うことができるはず。きっと。

 Posted by at 11:59 PM
6月 082015
 

瀬戸中央道は、本州から離れる直前の児島ICまで走って下道へ。
ジャパニーズデニムの聖地、児島の街を抜け、県道21号を下津井方面へ。
瀬戸内海に突き出る小さな半島、鷲羽山を巡るショートワインディングだ。

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瀬戸大橋の真下には公園があった。日本の土木技術の結晶を鑑賞するにはうってつけの場所だ。

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残念ながら天気は見ての通りで、夕陽に染まる瀬戸内海と吊り橋の風景は望めそうにもなかった。
どんよりとした空の下、通過する車が継ぎ目を越える際の橋梁の音だけが響く。

福山に直接向かわず寄り道したのは、瀬戸大橋を眺めたかったからではない。(それもあるけど)
この半島の尾根筋に敷かれたワインディング、鷲羽山スカイラインを走ってみたかったからだ。

昔は有料道路だったが、無料化され一般県道に格上げ?されてから久しい。
瀬戸大橋が開通してからは、通る意味もあまり無いようなルートだけに、交通量の少ない走りのワインディングというイメージで、一度訪問してみたいと思っていたのだ。

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途中に鷲羽山ハイランドという遊園地があり、それを過ぎてからは純粋なワインディングロード。
さすが元有料なだけあって、途中に交差点のない完全2車線の道路。
ただ、かつて休憩スペースだったと思われる所はことごとく閉鎖され、道路脇は草ボーボー。
景色もほとんど展開するところがなく、クルマを停めて一服、というのには少々不向きな道。その分、走りに没頭はできるけど。

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ほぼ唯一と言っていい展望台は終盤(北側)にあった。
しかも展望台から望むのは、何とコンビナート。雄大な自然風景や市街地の展望を楽しむのではなく、工業地帯の巨大コンビナートの展望というのは聞いたことがない。

確かに水島コンビナートといえば、国内有数の大規模コンビナートである。
その他の眺望がないところを見ると、巨大コンビナートを見せるためのワインディングが鷲羽山スカイラインなのだろうか。
この展望台から一気に麓に下っていくが、それに伴ってコンビナートの眺望が所々展開する。眺望が開けない区間は一転、草ボーボー。
場所柄、瀬戸大橋とか瀬戸内海の眺望を得られそうだが、断じてそうではない。何とも殺伐としたスカイラインである。

ただ、夜景は凄そうである。
最近は工場夜景という一種のマニアックな文化が成立していているが、かの分野では有名なのかもしれない。
何を隠そう自分もその分野には大変興味をソソられる感性の持ち主なのだが、日の長いこの時期ではちょっと時間が早過ぎた。

鷲羽山スカイラインを下りると、まさに工業地帯の中の道。国道430号を西へと向かい、水島大橋、玉島大橋と渡る。夕方時で、交通量が多くなかなか前に進まない。
県道47号で海沿いを走るが、ほぼ全区間に渡って前走車に鼻先を抑えられて、ガマンの展開。
笠岡バイパス経由で県道3号。再び工場群の中の道を突っ切って福山入り。2号沿いのSSで給油し、19時に駅前のホテルに到着。

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駅前の繁華街で、尾道ラーメンでも笠岡ラーメンでもないラーメンを食す。

出発前の天気予報では、中国地方の週末の天気は下り坂。
あまり期待できそうになく、少々意気消沈していたのだが・・・

 Posted by at 2:41 AM
6月 062015
 

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吉備高原道路から国道429号に戻り、国道180号と繋いでやってきたのは吉備津神社。
ツーリング的には御用のなさそうな岡山周辺なのだが、ここはちょっと興味惹かれるスポットだったのだ。

無料の大きな駐車場に停めて散策開始。したけれど、さほど敷地が大きくなく、見所も限られていた。

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参道入ってすぐにもう本殿。神宮のような思わせぶりな空間構成とかは一切なし(笑

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室町時代建立の本殿・拝殿が吉備津神社のシンボル。
入母屋の屋根が2つ並んだ姿はが特徴的で「吉備津造」と呼ばれるものの、そんな様式の建物は唯一ここにあるだけ。
伊勢神宮にしろ出雲大社にしろ、古来からの神社は固有の建築様式を持っていることが多いよね。

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その本殿より印象的だったのが、本殿脇から続く回廊。
総延長400mとかで、起伏のある地形に添って奥の奥まで繋がっている様が面白い。 
伏見稲荷を彷彿とさせる、連続要素による空間の妙。

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とりあえず端まで歩いて引き返す。
かなり玄人向けのスポットではある。

次に向かったのは、備中国分寺。
岡山から総社にかけての一帯は、いわゆる吉備路と呼ばれる古道のエリアで、古代ロマンを感じるスポットが点在している。
備中国分寺もそのひとつ。
自分の中では、国分寺の中でも郡を抜く知名度、という印象で、一度は訪れてみたかった。

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田園の中に突如として現れる五重塔。
これが備中国分寺の全景。ここまで人工物の要素のない背景に佇む五重塔の風景も珍しい。まるで古墳。
それは言い過ぎにしても、どこか廃寺を思わせる光景だ。

訪れてみるまで知らなかったが、備中国分寺は奈良時代、聖武天皇によって全国に建立された国分寺のひとつではあるのだが、やがて廃寺となり、その後まったく異なる寺として復興、名前だけが残っているらしい。

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何だ、そうだったのか。お寺自体は、どこにでもある普通の寺で、境内の中に普通に住職のクルマとかが停まっている。
五重塔も、近くで見上げるより、遠巻きの風景として眺めていた方が断然面白い。
漂う空気感は奈良の明日香村周辺に似ているが、五重塔がこんな田園風景の一部になっているっていうのは、他で見た記憶に無い。

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寺の中より周辺の雰囲気がとってもいい。
五重塔と周辺の田園が一体となったランドスケープに価値が置かれているようで、その風景をできるだけ保存しようとしている努力が感じられる。
田畑ひとつ他人の手に渡っても、まったく異なる風景になってしまう。そう考えると、すっごく繊細な風景だなぁ。

畦道に入り込んで、田園の中の寺と佇むエスの風景を撮るのもはばかられるくらいだったので、野暮なことはしないでおくことに。
県道沿いの無料の観光駐車場(寺の駐車場ではない)から、遠巻きにパチリ。

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そろそろ停滞のことを考えなければいけない時間だ。
今日は福山で羽を休めるつもりだったので、このまま倉敷に出て、国道2号で向かうのが順当だろう。

でも、ここから早くもクルージングではちょっと物足りない。
一考の末、国道2号には出ずに、手前の倉敷ICから山陽道へ。
向かう先は広島方面、ではなく岡山方面。倉敷JCTで瀬戸中央道にスイッチ。

あれれ、広島ツーリングのはずが、四国ツーリングに趣旨替えか!?

 Posted by at 11:31 PM
6月 022015
 

前日の仕事に手こずり、睡眠時間幾許も無く3時過ぎにガレージから出撃。

今回のツーリングは中国地方と行く先を決めていたので、高速のロングランが待っている。
高速料金の節約のため、余裕を持って4時前に東京ICを通過。延々、淡々と東名を走り、いつもの新名神土山SAで給油。
中国道宝塚ICで土曜朝の渋滞に巻き込まれたものの、想定内の混雑。一気に岡山県入りして美作ICで下道へと降り立った。

インター降りてすぐの道の駅で休憩の後、国道179号から県道52号へと繋ぐ。
農作業の軽トラに付き添いながら、長閑な農村の只中を行く。

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国道53号に突き当たったら岡山市方面へ。道の駅「くめなん」に立ち寄る。

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特に何の情報もなく、ただ道の駅があったから立ち寄っただけだったが、ちょうどエスを停めたその背後の掘っ立て小屋の旅の茶屋が気になった。
時刻はちょうど昼前。これも何かの縁、というわけで食事。

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直感で鴨そばを選択。素朴な田舎そばに舌鼓。
スローなテンポのおばちゃん一人で切り盛りする店は、客が増え出したらあっという間にパンクしてしまいそうだ。

でも、おばちゃんが一人でやってるからこその優しい味。
こういうのも出会いだし、気ままな旅の楽しみだと思う。

R53から県道30号にスイッチすると、川沿いの快走路だった。
川はやがて、豊かな緑に囲まれた湖となった。水面が目線近くにあるのが、何だか不思議な光景だ。

湖畔の道は広くはなかったが、極端に狭くもなく、気持ち良くライントレースしながら走り抜けていく。
ワインディングにベストマッチなパワー感とフットワークが実に気持ち良い。ベストバランス。今の仕様が、10年目に到達したひとつの完成形であると断言できる。よくここまで来たもんだ。

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国道429号に合流して、再び岡山市方面へ。
さっきの県道とは打って変わって、R429は400番台国道らしく狭い。
しかし未改良区間はわずかで、その先には快走区間が続いていた。

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県道31号を経由して、国道484号で賀陽へ。

岡山道賀陽IC近くの道の駅で小休憩。軽食コーナーで、ブルーベリーどっさり100パフェなるものに惹かれ、試してみた。
大粒のブルーベリーは地物らしく美味。そしてボリューミィ。パフェというより、ひたすらブルーベリーなスイーツだったが’、こんなに集中してブルーベリーを食べることもそうそうないので印象には残った。

賀陽IC近くに吉備高原街道という広域農道が通っていたので、これを走ってみることにした。
ひたすら辿れば、岡山空港に至るこの道路。広域農道の名に恥じず、衝撃的な快走ワインディングロードだった。

ぐわんぐわんとアップダウンを繰り返し、大きく回りこむコーナーも数知れず。その上、走っている車は皆無ときたもんだ。
間違いなく、本日最高の激走区間。眺望はなく、ただひたすらコーナーの先を見据えながらタイヤを押し付けて、アスファルトを蹴散らしていくアツいコース。
思わず写真も撮り忘れるほど熱中して走り込んでしまう程だった。

 Posted by at 12:53 AM