7月 032016
 

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余部鉄橋の先に余部駅という駅があることは知られているけれど、その隣に「鎧駅(よろいえき)」という、なかなか強そうな語感の駅があることをご存知だろうか。
いつもここを通る度に、一度聞いたら忘れられないその駅名の存在を確かめたいと思っていたのだが、今回初めてその鎧駅なる場所へと訪れる機会を得ることとなった。

国道から集落へと向かう細い道をしばらく走る。
途中から海際の集落へと向かう道と別れ、駅へと繋がる道は高度を保ったまま集落からは離れていく。
山陰本線は余部鉄橋が示す通り、入り組んだ地形を串刺しにするように、高い高度を保持して敷かれている。
それゆえ、鎧駅も高台に位置しているのだ。

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目指す駅に到着すると、そこには予想に反して、あまりに飾り気のない(公衆便所のような)コンクリート製の駅舎があった。

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こんなところ、外部から訪れる人もいないだろうと思っていたところ、意外と観光目的らしき人がいる。
それもそのはず?、カメラを用意していると、列車が余部側のトンネルから現れたのだ。

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慌てて列車にレンズを向ける。二両編成。減速して停車するかと思ってたら、通過してしまった。。
時刻表を見る限り、一日に何本も来ないようだが、乗降する人がいないと通過する仕組みなのだろうか。(→後から写真見たら「快速」列車だった(笑)

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この鎧駅、構内単線なのだが、駅舎と反対側にもホームがあった。
地下道を潜って向こう側に行くと、そこには忘れられぬ素晴らしい風景が広がっていた。

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碧い海。飾り気も人の気配もない静かな港の風景。
高台に設置された小さな集落のための駅は、その集落を一望する絶好の展望スペースだったのだ。

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この日はちょうど5月5日、こどもの日。
港の内海を跨ぐように、鯉のぼりが一列、風に乗って揺れている。
透き通った海水を湛える湾内を、気持ち良く泳いでいるようにも見える。

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小さな小さな港の集落の絶景は、この長い旅のフィナーレとして相応しい、心に残る風景だった。

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鎧駅でのひと時に満足し、残りの時間は帰還へと歩を進めることに集中することとした。
国道178号をさらに東へと走り、香住から県道11号。ここから城崎へは断崖絶壁のワインディングロードだが、さすがにGWでこの時間になると、気持ち良く走ることは叶わない。

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ちょうど途中にマリンワールドがあるからだな。以前もこのマリンワールド渋滞で酷い目に遭ったのを思い出した。

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城崎からそのままK11で京丹後。久美浜湾でおそらくこの旅最後の記念撮影。
旅の最初が寒空だったのに、数日後まるで夏の空の下を走っているという、季節を跨いだかのようなビッグツーリングだった。

京丹後から国道312号で宮津へ。
初めて走る道だったが、これが失敗。退屈な上に、途中からロードサイド店街になり、ちょうどお昼時と重なった時間帯は最悪だった。

天橋立の手前で宮津与謝野道路に入線。綾部JCTから舞鶴若狭自動車道で舞鶴方面、小浜、敦賀と走り、敦賀JCTから北陸道。

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北陸道は米原方面。米原JCTで名神に入り、ここからは関東に向けて一直線に行く。
これまで選択したことのないこのルーティングは、かなり新鮮だった。

豊田JCTから新東名。今年2月に開通した豊田〜いなさ間の新東名は、この時初めて走るわけではなかったが、やはり格段に便利になった。
東西に大移動する際には、三ヶ日〜豊田間の渋滞が必ずネックになっていたから、ここの開通は非常に大きい。
残るは新名神の四日市〜亀山間。同じく新名神の高槻〜神戸間。(もっとも後者は例の事故で先延ばしになってしまいそうだが)
これだけ開通すれば、中国地方も九州も、ぐっと近くなるというものだ。

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新東名長篠設楽原PAで休憩。その出口で、C63ブラックシリーズに先導していただく。F1のフォーメーションラップみたいで悪くない(笑
淡々と新東名で距離を稼ぐ。しかし、今日はGWの最終日。新東名開通のおかげで、こんな日でも快適この上ないが、未開通の東京手前の大渋滞は避けては通れない。
やはり御殿場手前から渋滞は始まっており、絶望的な渋滞距離が電光掲示板に表示されていた。

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なんと合計60km!!
まさかこの渋滞に大人しく参加するほど、人間ができている(?)自分ではない。

長泉沼津ICで高速を降り、伊豆縦貫経由で国道1号へ。
箱根峠を登って、箱根新道に入るも予想通りここも渋滞してるようなので、芦ノ湖大観ICからターンパイクへ。
料金払ってまで箱根を降りようとするクルマは少なく、ヒュンヒュン下って小田厚へ。
箱根新道で詰まっているクルマが、小田厚にまで伸びていることはない。厚木ICから先の渋滞はそれほど大したことなく、結果的にほぼほぼ渋滞を逃れて帰還できた。

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というわけで、長きに渡ってお送りした島根ツーリング、終了です。
合計すると、なんと7日間。これを島根だけに充てるのかと思いきや、島根がテーマになっていたのは半分くらいで、あとは周辺の地域で楽しんだ内容に。
ま、でも、松江に行こうというのが発想の発端だったので、レポのテーマがインスピレーションで「島根」というのは、違和感はありません。

合計走行距離は、2,910kmでした。
例によって、街歩きの時間もありましたんでね。
島根といえば、出雲や石見銀山じゃないの?温泉は玉造や温泉津じゃないの?という声が聞こえてきそうですが、敢えてそこを外すのがR style流(笑

それは冗談として、今までに行ったことがない場所に訪れてみようというのも大きなテーマだったので、かなりのマイナースポット集合体のような気がします。
加えて、これまで走ったことのない道を敢えて選んで走っているっていうのも。
これまで中国山地や山陰地方は何度か訪れていますが、それらのルートと合算すると、何となく全体像が見えてくるような気が、、、しないか(笑

でもひとつ言えるのは、これだけ訪れていても、まだまだ走りたいと思わせる道がたくさんあるというのが中国地方、特に山陰と中国山地が大好きなエリアである大きな理由。
ツーリングエリアとしては、九州や四国に比べてマイナーな感は否めないですが、個人的には走る楽しさ、新鮮さという点では、負けず劣らずだと思っています。

ぜひ、中国山陰地方を訪れてみてください。
行った人それぞれが感動できる、何かが見つかると思います。 

 Posted by at 6:07 PM