しばらく更新が中断してしまいました。
山の日効果でいつもより長めの夏季休暇を利用して、富山・金沢への帰省をしていたためです。
明日より社会復帰。
道東ツーリングレポもぼちぼち再開しますので、気長にお付き合いください。
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【道道1060号 コッタロ湿原】
道東ツーリング3日目、ここまで順当に距離を伸ばし、予定通り釧路まで到達したけれど、この後の行程はまったく考えていなかった。
いつもだとだいたいこんなイメージかな、というのがおぼろげながらもあることが多いけれど、今回は完全フリー。泊まる所も何も決めていない状態だ。
ただ唯一、知床岬に行ってみたいという気持ちだけがあり、これをこの後何日目に持っていくか。
知床岬は陸路では到達することができない。観光船に乗ってどんぶらこっこと行く必要がある。ということは、半日程度はエスに乗らない(乗れない)わけだ。
今後の天気予報によれば、北海道地方は残念ながら下り坂で、ツーリング4日目から5日目が降雨のピークになりそう。
であれば、敢えてここに船の時間を充ててしまおうと考えた。雨だと北海道の道をドライブしても勿体無いのだから、観光の時間にしてしまおうというわけだ。
ある意味、逆転の発想?
果たして予報が当たるか、イチかバチか的な側面もあるけれど、予約は入れることにした。世界遺産知床のハイシーズンの観光船は混み合うウワサを聞いていたからだ。
これで5日目朝に知床の玄関口、ウトロという縛りだけが出来上がった。
ここを目指してどう走るか、である。そしてそれは、走りながら決めていくのだ。
釧路駅前のビジネスホテルを出ると、小雨が降っていた。
道道113号で釧路の街を横断し、道道53号で鶴居村方面へと向かうルートを取る。
まずは釧路湿原。
ここも何回か訪れてはいるのだが、展望台に行くくらいで、あまりじっくりと走ったことはなかった。
日本一広大な湿原地帯の中にはドライブルートがあるわけではないので、外周を大きく周回するしかない。
それだけでも、釧路湿原の巨大さは感じることができるだろう。
だだっ広いD53をのんびりと直進し、道道243号にスイッチ。
3桁道道ってことで、ここからはひたすら単独行。朝の牧場内の道をギュンギュンと走る。
途中で今度は更に4桁道道、1060号に入って森の中へ突入。道は途中から微妙に細く、頼りなくなってくる。
この先には釧路湿原北端の展望所があるはずなので、突っ込んでってもまぁ大丈夫だとは思うけど。。
どんどん入り込んでいくと、やがて広い駐車スペースが現れた。公衆トイレがあって、その裏側から斜面を登れるように整備されているのが見える。
コッタロ湿原展望台であることに、間違いはなさそうだ。(便所の前に「コッタロ展望台」って書いてあったけど)
D1060はこの展望台駐車場の先からダートになっていた。
この未舗装路を進めば、塘路湖に至るショートカット路になるようだ。
湿原の中を通る貴重な道ではあるけれど、ダートは基本的に走らない(エスでは走りたくない)ので、ルートとしては却下。
・・・と思って見ていたら、同じ方向から来た札幌ナンバーの86が、何の躊躇いもなく突っ込んでいった。
だからと言って、宗旨替えしてアタックしようとは思わなかったが。。
展望台までの斜面をズイズイと登っていく。
最初はすぐに展望台に出られるんだろうと思っていたが、割と距離を歩かされた。靴履き替えればよかったな。
コッタロ展望台
展望台からはこの眺め。ダークな色彩の湿原が、眼前を覆うようにただひたすら広がっていた。
雨こそ落ちていないけれど、分厚い雲に覆われて風景も沈んでいる。
まぁそれが湿原らしいと言えば湿原らしい風景だけど。
考えてみると、釧路湿原って晴れてるイメージ全く無いなぁ。
湿原を突っ切るD1060グラベル区間が見える。
生態系保護を優先するゆえ現況優先の道路とのことだが、湿原の真っ只中にあって沈んだりしないのかな。
この展望台は観光ルートから外れているので静かだし、湿原を間近に見られるので、わざわざ訪れる価値はあると思う。
D1060を引き返し、再びD243を今度は標茶方面へ。
それまで牧場の合間を走る道だったのが、アップダウンを伴ったワインディングの様相に。これこれ、こういうのを待ってたんだよとばかりにエンジンの回転を上げる。
途中、1.5車線の区間も現れるが、内地の狭路に慣れた身としては余裕の広さ。気持ち良くライン取りして、次々とコーナーをクリアしていく。
国道391号に突き当たったところで、釧路方面に引き返すように進路を取った。釧路湿原の外周を大きく一周するのだ。
弟子屈と釧路を結ぶR391は交通量が多い。釧路湿原を楽しむ観光スポットもこの道路周辺に集中しているので、観光バスなんかも多い。
先程までと打って変わってトロトロのユルユルなドライブになってしまい、途中のシラルトロ湖で小休憩。
このまま釧路まで行ってしまおうかと思ったが、コッタロ湿原展望台だけで終えるのもどうかなと思い、定番の細岡展望台にも行ってみることにした。
R391から7kmほど湿原側に入っていくのだが、細岡駅を過ぎた後から半ダートになってしまった。
ここまで来ておきながら、引き返すのも癪に障る。ダートながら非常に絞まった路面なので、そろそろと走ることにして展望台を目指す。
流石に人気の展望台の駐車場は賑わっていた。この展望台は、釧路湿原に来る度に訪れている。
何度も着ている割には、なぜか当時の記憶はほとんどない。何でだろう?
ふと隣を見ると、あれ?さっきの86だ。ボディもホイールも砂まみれだったので、すぐにわかった。
よく見たらレンタカーじゃないか。どうりで躊躇いもなくダートに突っ込めるわけだ(笑
細岡展望台
おそらく釧路湿原で一番メジャーな展望台。やはり多くの人が集まっていた。
でもやっぱり記憶には残っていない。最後に訪れたのは2000年頃。ま、所詮記憶なんてそんなもんなんだろう。
記憶に残ってないのは、この茫洋とした景色が理由と言えないでもなく。。
湿原の中、釧路川が蛇行する様を遠望できるのがこの展望所の特徴ではあるのだが、、まぁそれはわかるにしろ臨場感がないとゆうか。。
間近に見てこその釧路湿原という気がする。
実は釧路川をカヌーで下りたいという野望もあったのだが、知床もあるしエスで走る時間を確保したいという気持ちが勝ったために、途中で諦めてしまったのだ。
おそらく釧路湿原は、遠くで眺めている分にはあまりその魅力が伝わってこない。
ぜひ今度はその深淵部に迫ってみたいものである。
・・・・・・・
来た道を同じように7km、引き返す。
すぐに観光バスに前を押さえられてしまった。。こんな道、どうやって折り返してきたんだろう。
細岡展望台は、良くも悪くも、今はそんな場所である。(中国人観光客も多かった)
R391を再び釧路方面に走り出す。
腕時計を見ると、11時前。お、これはあそこに行けるかも!?
そんな期待を胸に訪れたのは、R391の釧路町、遠矢駅にほど近いこのお店。
南蛮酊
何の変哲もない食堂。名前からして中華料理屋?にも見えるが、実のところは洋食屋。
そしてここの名物と言えば、何と言っても「ザンタレ」だ。
11時開店のようだが、 既に駐車場は満杯。端っこの空きスペースにエスを停めて店内へ。
入ってみたら、客はいなかった。先客はすべて2階を陣取る団体のようだ。
迷わずザンタレを注文。しばらく待って出てきたのがコレ。
まさしくザンギタワー。全高20cmはあろうかという衝撃の絵。
この店の名物は特性のタレに浸した大盛りザンギ。そのボリュームたるや半端無い。
何を隠そう唐揚げ大好きな自分ではあるが、このザンギの特盛りっぷりには引きまくる。
でもこれがまた、抜群に美味いのだ。次から次へと箸が進んでしまう。
ザンギファンを自認する自分ではあったが、最後の最後、4個を残してギブアップ。
いや、自称ザンギファンとしては言っておかねばならないが、完食しようと思えば食べれる・・・と思うのだが、、できれば美味しくいただきたいので勝負は持ち越し。
この店、食べ切れなかった分はお持ち帰りが可能。本日の夕食に残りは味わうとして包んでいただき終戦とする。(敗北)
とても有名なお店で、自分が入った後は次から次へと人が来る来る。。都内の人気店も真っ青な行列っぷり。
ボリュームも然ることながら、ザンギの味も最高に美味なレベルでオススメ。来店の際にはピーク時間を大いに外すか、自分のように開店直後をオススメします。
南蛮酊の詳細はコチラ↓
http://tabelog.com/hokkaido/A0112/A011202/1000965/
先週に引き続きメンテナンスDay、今日はエスのエアフィルターの掃除をしました。
R style S2000 には無限のエアクリーナーが装着されているので、エアフィルターも専用品です。
専用品って言っても、無限はK&N社製のフィルターをそのまま使用しているんですけどね。
そのK&N製エアフィルター、無限エアクリの象徴とも言えるカーボン製のBOX、通称「象鼻」の中に潜んでいるので、ここから取り出す必要があります。
インテークパイプとのつなぎ目で締結されているだけなので、HEXボルト1本で取り外すことができる。
・・・できるはずなんですが、インテークパイプを蛇腹状の純正のような柔軟性がないSAMCO製に交換してしまったため、エアフィルターを引っこ抜けなくなりました(悲
インテークパイプが純正の時には、何回か外して洗浄しているのですが、SAMCOになってからというもの、一度もメンテナンスしていない状態。
数万km放置しっぱなしでさすがにヤバイだろうってことで、先週ASMに訪問した際、メカニックの方に教えを請いました。
すると、特別面倒なことはなく、無理矢理SAMCOを曲げて取り出せるとのこと。
これまでのチャレンジでは恐る恐るやっていたので、まさかSAMCOを曲げるだなんて大胆なことはやっていません。
早速、言われた通り思い切って曲げてみると、ある程度硬度のあるSAMCOが、力をかけてくとあるところでグニャッと曲がるではないですか。
見事、フィルター救出に成功。
細かいこと言うと、銀色の円盤状のパーツに付いているコード類を外さないと、それに引っかかって知恵の輪状態になります。
最初に外しておけば簡単ですが、それに気付かず付いたままフィルターを抜こうとしたので、引っかかってフィルターのヒダが若干曲がってしまいました(涙
外したフィルターは、K&Nの洗浄液で古いオイルを洗い落とします。
アパート時代はバケツに水汲んでベランダでちょびちょびやってましたが、ガレージ内のシンクでザバザバ洗えるようになってとてもラクです。
・・・ガレージで洗うのが初めてってことは、少なくとも4年以上は放置しっぱなしってことか(汗汗
数年ぶりに救出されたフィルターですが、これが案外キレイで、それほど問題があるようにも見えませんでした。
K&Nは湿式なので、こうやって洗浄して再度オイルを吹くことでかなり長い間性能を保てる製品ではありますが、既に十数万kmは使っているフィルターだし、表面の網もちょっと曲がってしまったので、、次回は新品に交換してもいいかもしれません。
洗浄後は、陰干しした後にフィルターオイルを吹き付けて、元にBOX内に戻すだけ。
今日もとても暑く、あっという間に乾いてくれたので、1日で完了。
積年の課題がようやく解決しました。
【国道336号 黄金道路】
静内からは大人しく国道235号を東へと走ることとした。
三石、浦河、様似と続く海沿いの単調路で、距離が長く交通量も多い。
襟裳岬に向かう道であることから、バイクをはじめとするツーリストが特に多い。
岬に近付くにつれ、気持よく晴れ渡っていた空に徐々にモヤがかかり始める。
と思ったら、突然視界が晴れたり。
風と霧の岬、襟裳岬が近い証拠か。
この日以降、太平洋沿岸のドライブは、この霧によって阻まれるなんて、この時は思いもしなかったけど。
襟裳岬
そんな中だったので、岬は霧の中だった。深い霧ではなく、浅い霧。夏の岬らしく、風情はあるけれど。。
襟裳岬に訪れるのはかなり久しぶりだ。以前のツーリングでは訪れていないので、最後に訪れたのは札幌在住時代。相当昔の話になってしまう。
だだっ広い大地が海に落ち込む印象が残っていたが、実際に訪れてみると、持っていたイメージとは少々異なっていた。
長大な日高山脈が太平洋に落ち込む場所、襟裳岬。地形学的には特異点で、その視点で周囲を見渡すと、景観の味わい方も異なってくる。
残念なのは「浅い霧」で周囲を覆われていること。強風が売りモノの襟裳岬だが、この日は風はそうでもなく、ひたすら浅く漂う霧に覆い尽くされていた。
岬には「風の館」という展示&展望施設があった。
昔はなかったような気がするが、風の強い日でもゆっくり見学できるように設えられたようだ。しかも入館有料。さすが有名観光地。
今日は霧で景色は見えませんよ、と入館前に受付にて丁寧なアドバイスを頂いたので、入館料は節約することができた。
観光地といえば、お決まりのこういう物産店。現代では役目を終えて廃墟となっているケースが多いが、ここ襟裳岬はバリバリ現役。
やはり北海道の突端は、人気の度合いが違う。次から次へとクルマやバイクが入ってきては出ていく。
長い間訪れていなかったことからも想像できる通り、襟裳岬は日高山脈の末端という以外は、これといった魅力を感じない場所というのがホンネである。
その理由は、ここまで来る道に選択肢がないこと、アプローチ路が長くて単調なことに尽きる。
それだって、日高山脈に阻まれている地形の特徴に起因するものではあるのだが。
黄金道路
襟裳岬を離れて、岬の東側海岸を走ると、「黄金道路」と呼ばれるドライブウェイが待っている。
黄金に光り輝く美しい景観の道、という意味ではない。黄金を敷き詰めるほどカネがかかった道、というのが正解である。(改めて語るようなことでもないか)
長大な覆道が次々と現れ、所々トンネルにて岩壁を貫くシーサイドウェイ。
なのだが、今こうして十数年ぶりに走ってみると、正直このくらいの土木構築物を伴った道路は、全国どこにでもありそうな気がする。
ただ、それでも「黄金道路」と揶揄されるのは、ほとんどクルマが通らないような場所にもかかわらず通してしまったからではなかろうか。
「黄金道路」という名前が、半分以上皮肉にしか聞こえない(少なくとも自分の耳には)のは、そんな解釈をするからかもしれない。
霧に包まれたり晴れたりの繰り返しは相変わらず。
運良く霧が引き切ったところでエンジンを止め、波の音に聞き入る。
黄金道路は思いのほかあっという間に終わってしまう。
豊似で国道236号にスイッチ。直線路ばかりで退屈。忠類まで走るが、道道657号でR336に戻ることとした。
これがクルマも人家もまったくない、異世界を走るかのような寂しいルート。
十勝平野と帯広を避けて、直接釧路方面を繋ぐ短絡路に見えなくもないが、走ってみるとそんな便利な立ち位置の道路にはまったく見えない。
その分、アクセル踏みつけて疾走する楽しみを味わうことはできるのだが。
途中、道道1051号で湧洞湖に寄り道。
何にもないただの沼。それが北海道の当たり前。
無に近い景色の中で、エスが佇む絵を期待したのだが、空を覆う雲はますます分厚く寒々しいので、早々に引き返してしまう。
R336に戻ると程なく、だだっ広い河川敷が特徴の十勝川に架かる十勝河口橋を渡る。
全長1km近くの長大な橋だ。相変わらず、他にクルマはまったくいないけど。
この十勝河口橋は、R336を語る上で欠かせない存在だ。
この長い長い橋が架かったのはそれほど昔のことではなく、それまでは川を渡る国道区間は不通だったという過去がある。
山を越えられない国道不通区間なら日本全国にまだ残っているが、川を越えられないというのはあまり聞いたことがない。
しかも、その不通区間にはかつて渡し船があったというからオドロキだ。国道の一部が定期航路ではなく、人力渡し船!
とてつもないロマンと興味をソソられるが、立派な橋で対岸が繋がった今はその面影もなく、残念な限りだ。
R336を浦幌に向かわずそのまま直進していくと、道道1038号にぶつかって途切れてしまう。この先が延伸される風情もなく、謎の多いR336に別れを告げる。
D1038は海沿いを走り、やがて国道38号に吸収される。
R38は幹線道路。釧路へのメインルート。クルマは多い。
白糠の道の駅で、この日最後の休憩。
ここの道の駅は、歴史ある?立寄り頻度の高い道の駅のひとつ。なぜか豚丼で有名らしいが、外の売店のソフトクリームが美味い。
ここまで来たら、釧路は目と鼻の先。
市街地に入って給油し、釧路駅前のビジネスホテルにチェックイン。
今回はキャンプツーリングを楽しむ予定だったが、前夜がフェリーで雑魚寝で距離も走ったので、初日だけは体力回復のためホテル住まいとした。
夕食は釧路の味覚を楽しめそうな近くの居酒屋に入ってみるが、家庭料理的でやや不発だった。
しかしこれだけは特筆できる。
釧路でウニ丼とは芸がないが、さすが北海道、やっぱり美味い。
もっとも驚くべきはその値段。この量で、なんと800円!素晴らしきかな北海道。
初日からグッと走り続けて道東入り。幸先がいい。
ここからは距離に拘らず、じっくり道東の道を噛み締めてみよう。
【道道71号/新冠町】
道東ツーリングの1日目は、八戸ー苫小牧間を結ぶ川崎近海汽船のシルバーフェリーにて終え、翌朝を苫小牧港入港とともに迎えた。
船内から解き放たれると同時に沼ノ端に向かい、日高自動車道へ。
最初はできるだけ東の方へ距離を稼いで、後々の行程を楽しようと考えたのだが、これが非常に退屈。
せっかく北海道に来たのに、その味わいをまったく楽しめないので、鵡川ICにて早々に下道へと降りることにした。
鵡川の道の駅にて、面白いルートを詮索。頼りにするのは今回も、ツーリングマップルただ一冊だ。
ただひたすら国道を通って道東に向かうのではいかにも芸がない。北海道の封印を解いた2007年の一周ツーリングはそれでも良かったが、当時と比べるとスタイルが変化して、走ることにより大きく趣向が傾いている。これはと思うルートで自由に走りを楽しむことが、最たる目的と言える。
今回の北海道でのツーリングは、この考え方がよりはっきりと前面に出て、この後の旅程が決められていくことになるのだった。
鵡川から早速国道を離れて、道道74号へ。平取手前で道道59号、平取からは道道80号と繋いでいく。
北海道の道は、視界が大きく開ける直線路か、そうでなくともおおらかに弧を描く幅広のドライビングビューであることが多いが、このD80(県道ではなく「道道」なので、この表記をさせていただく)は入口からして北海道らしくない。鬱蒼とした森のなかに突入していく道に、ドキドキ・ワクワクが止まらない。
途中から道道71号。ほとんど民家はなく、だだっ広い山の中に迷い込んだ感じで不安を誘うが、これが北海道に来た実感でもある。
そんな中、周囲には徐々に大きな牧場が現れるようになる。
荒れた路面に車体を押し付けながらコーナリングするステージから、長閑な牧場風景を横目にストレートを疾走するステージと移り変わっていく。
瀟洒な建物に目を奪われて、思わずエスを停める。
牧場なんてまったく珍しくなく、むしろ牧場しかないようなエリアを突き進んでいるのだが、その中でも群を抜いた存在感。
何の変哲もない畜舎なのだが、まるで飾らない姿に心を奪われた。
日高、新冠、静内の一帯は、競走馬の産地。
道端の広い草原では、たくましいアスリート系の馬たちが、朝の陽光を楽しむように、のんびりと草を食んでいる。
エスを停めてしばらく眺めていると、見慣れないものがいることに気が付いたようで、興味津々集まってくる。
と思ったら、畜舎に戻る時間なのかな。順番にお家へと連行されていくのだった。
・・・・・・・
日高地方の主要道道を繋ぐルートは、それまでの幾分激しいワインディングから、いかにも北海道的なだだっ広い牧草地帯が広がる直線路に姿を変えていく。
かと思ったら、また小高い丘を越えるワインディングが待ち受けていたり。
延々と繰り返すと思われたものの、牧場が密集してきた静内で、二十間道路に行き着く。
その二十間道路を通って静内の街中へと走って国道に戻った。
鵡川から静内のこのルート、これまで走ったことがなかったが、北海道でのワインディングアタックの準備運動には最適だった。
通常のツーリストであれば、国道235号でまっすぐ襟裳岬に向かうと思われるところ、この寄り道は大正解。交通量はほぼ皆無と言ってよく、しっかりと走りを楽しむことができる。
これに味をしめてか、以後、寄り道だらけのツーリングとなっていくのだが。