10月 022016
 

昨日、仕事帰りにいつものイーグルショップURAWAに寄って、エスを引き取ってきました。
一週間のメンテナンス期間にリフレッシュしたのは足回り。
多走行のオーナーさんなら気になるはずの、コレです。

2016 10 02 01

サスペンションブッシュですね。
人間で言えば、関節に当たる部分(おそらく)。ここの劣化はすなわち、運動性能の低下に直結するので、非常に重要な部分。
特に高温多湿なこの国では、ゴムパーツの劣化は避けては通れません。

今回のリフレッシュは、サスペンションブッシュの全交換です。
それにしても数が多いです。S2000は前後ダブルウィッシュボーン。アームの数も多ければ、サブフレームに接続する付け根の部分も多いわけで、その数はダンパーロアブッシュも含めて計20個にもなります。

さらに、これも有名なハナシですが、S2000は純正ブッシュを単体で購入することができません。アームとアッセンブリーでしか発注・購入できないんです。
なんでだろうという話はさておき、ブッシュ交換のためアームを全数揃えていたら、多大なコストがかかるわけで。
交換しなければならないほどアーム自体は傷んでいないので、ブッシュ単体を交換したいわけですが、そうなったら純正以外を選択するしかない。

そんな時に、真っ先に白羽の矢が立つのは、やっぱり「無限」です。
無限には、S2000発売当初からブッシュ単体での販売設定があります。
更にシビックの頃からそうでしたが、純正よりほんのちょっとゴムの硬度を増しているという、性能面でのバリエーションを提供してくれるのが無限。

しかも、コレが重要なんですが、純正と同じ部品メーカーで製造されているというのが定説です。
その証拠に、純正と見た目がまったく同じ。純正品質で交換するには無限は唯一の選択肢で(あまり大きな声では言えませんが、同様の内容を謳っていたス◯◯ンは、現在では異なる部品メーカーで生産されているらしく、ブッシュ形状が純正と異なるとか)、かつよりシャープな運動性能を求めたい場合には一石二鳥なわけです。

写真は、取り外した純正ブッシュ。17万km走行後のブッシュにしては、非常に健全?でした。
ひび割れもあるにはあるのですが、破断までには程遠い状態で、非常に頑張ってくれたと言って良さそうです。

参考までに、
左上4つが「ダンパーロアブッシュ」、右上上段2つが「リアロアアームブッシュ」、右上下段2つが「リアコントロールアームブッシュ」。
上から3段目が「フロントアッパーアームブッシュ」、4段目が「リアアッパーアームブッシュ」。
下の一番大きなのがフロントの「コンプライアンスブッシュ」、その右側の2番目に大きなのが「フロントロアアームブッシュ」です。

更に、外して初めて知ったことを記しておきます。

・大型のブッシュは、手の込んだ二重ブッシュ
写真だとわかりにくいですが、上から4列目と、下の大きなブッシュのうち右側2つは、ブッシュが二重になっています。
これって一体成型すれば簡単なはずですが、わざわざゴムが二重になっているところに、コダワリが現れているような気がします。

・リアアッパーアームブッシュは、実は純正品
これがなかなか味わい深いんですが、
S2000の04モデル(いわゆる後期)以降は、リアのアッパーアームのブッシュの大きさが、前期とは異なります。(ブッシュだけでなく、両ブッシュ間の寸法も異なるため、サブフレームも異なる)
で、このブッシュだけ、なぜか無限に設定がない。その代わり、まるで申し合わせたかのように、コレだけブッシュ単体で純正に設定があるんです。
つまりリアのアッパーアームブッシュだけは純正品で交換することになります。
ちなみに、後期は挙動がマイルドになったと言われますが、その大きな要因がここにあると思われます。
前期はアッパーアームブッシュの大きさが前後共通で、相対的にリアの許容量が少なかったために、非常にシビアなコントロール性だったわけです。対して後期は、ブッシュの容量を増す変更を受けたことが、マイルドな挙動になった一因と考えることができます。

ブッシュ交換ひとつで、一晩酒が飲めるくらいウンチクが溜まりました(爆
交換後のフィーリングはと言うと、、、これは後日、しっかり見極めてからにしたいと思います。

ところで、今回採用したS2000用無限製ブッシュについてですが、これ、在庫はないに等しいです。
実はブッシュを発注したのは今年に入って間もなく(春頃)。その時点で、イーグルショップURAWAでは5人待ち(!)でした。
入荷連絡を受けたのが、北海道ツーリングの最中(笑)で、実際に交換できたのが先週。(それでも想定よりかなり早かった)

といった具合で、交換作業も大変ですが、それ以前にブッシュを全部揃えるのに非常に時間がかかるのが現状です。
無限パーツはどれもそうですが、在庫はまずないと思った方がよく、それでも生産を気長に待って手に入ればまだ良い方。いつの間にか廃盤になっていて、手に入らないパーツも多いです。
ブッシュもいつまで作ってくれるかわからないので、交換を考えている方は、純正に設定がないだけに、せめてパーツだけでも入手しておいたほうがいいかもしれません。

 Posted by at 10:53 PM

  8 Responses to “サスペンションブッシュ交換”

  1. サスペンションリフレッシュをしたばかりの私には興味津々な話です。無限という手がありましたか。ダンパー、スプリングを新品にしてもゴムブッシュがヘタっていれば、新品効果はあまり得られませんよね。ゴムブッシュまで変えてようやくリフレッシュ効果が発揮されるという事は身を持って知りました。

    • 一昔前のホンダ車は、シビックでさえ四輪ダブルウィッシュボーン(EKまでですが)だったので、ブッシュ数が多く、走りにかなりの影響があると言われています。
      それがわかっていても、ダンパーのように簡単に交換できるモノではないので、個体の生涯を通じて交換されるケースは稀でしょうね。
      事実、自分も今回が初めての体験でした。

      ただ外してみた感じでは、決定的にヘタっている状態ではなかったので、例えば10万kmを過ぎたくらいでは、あまり気にする必要はないようにも思います。
      使い方にもよると思いますが、どっちかって言うと、保管状態や整備状態で大きく変わってくるような気がしますね。

  2. 17万キロ走ってサスのブッシュ交換。オーナーの愛情をヒシヒシと感じます。(笑)
    全国で最も長い距離を走っているS2000では?

    今月末、第4か第5の土日で、その足回りを試しに行きませんか? 

    • ところがですね、いっぱいいるんですよ、多走行のS2000。
      ただ、こういう乗り方で距離重ねているS2000は、そんなにいないと思いますが。

      第4、第5の土日、いずれも今のところOKです。
      個人的にはビーナスがいいですね!

  3. 「17万kmを共にしたブッシュ」とだけ聞くと、満身創痍の状態を想像してしまいますが・・・全然そんなんじゃなかったのですね(笑)
    1059さんの扱いが丁寧だったからでしょうか。
    リフレッシュ後のフィーリングの変化が楽しみですね。

    それにしても、部品の廃盤は悩ましいです。
    ちょっとずつ買い溜めしていこうか、真剣に考えてしまいます(汗)

    • ブッシュの扱いと言っても、コントロールできるようなものではないので、たまたまそういう状態だっただけかと(^ ^;
      ただ、時々足回りの清掃をして、ゴム部品には保護剤ケミカルを使用してたりしてたので、そういった地道なケアが蓄積して劣化を遅めた面はあるかもしれません。
      走りの質感が大きく変わると言われるブッシュ交換なので、変化が楽しみです。

      Sho-zさんのAP2は、まだまだ心配しなくても大丈夫だと思いますよ。これが雪国だったらそうもいきませんが。。(錆びてアームに固着する)
      時々、タイヤ外して様子を見る習慣をつけるといいかもです。特にフロントのコンプライアンスブッシュは、捻れる力が相当加わるので、亀裂が入ったり破断することもありますので。

  4. ブッシュ取替されて変化は如何でしたか?
    見た目の劣化は少なくても、ゴムの経年硬化は確実に進んでいるので、大分シャキッとされたのではないでしょうか。
    インプレッション楽しみにしています。

    うちの妻の最初期型S2K(AP1-100型)が17歳13万キロを超えて、さすがにアライメント調整が難しくなってきました。
    本人はまだまだ乗るつもりらしいので、足回り&駆動系のリフレッシュを考えて、どうせならアームごと換えてしまおうと見積をしてみたら・・・サスペンション部品代だけで25万円を超えました!
    部品代は毎年上がっているので、少しずつでも買い置きして行こうかと考えています・・・。

    • 交換後エスで走る時間が取れず、まだNEWブッシュを味わえていません。もうしばらくは無理な感じ・・・
      自分自身初めての経験なので楽しみなんですがねぇ。いずれしっかりと走った後に、インプレさせていただきます。

      アーム交換がベストだとは思いますが、部品代と劣化具合を考慮して、今回はブッシュ交換としました。アームは次回(あるのか?)ですかね。
      部品代の高騰は、確かに悩ましいです。他車種と部品共用しているようなクルマではないので、ある程度は仕方ないですけど、、それにしたって特にホンダさんは、古い車種のオーナーには冷たいですよねぇ。。

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