8月 062023
 

2023 08 06 01

団体客と中国人で混雑するホテルを抜け出し、北防波堤ドームへ。
柱は綺麗に補修され、ドーム屋根にも補修予定を示すチョーク文字が見て取れる。
歴史遺産は適切な管理があってこそ遺るもの。数年後には、また異なった表情になっていることだろう。

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日本最北端の駅である稚内駅は、駅舎が新築されてからは初めての訪問。
最北端の線路は、駅のコンコースを貫き、駅前広場でモニュメント化されていた。

訪れたのが朝8時で、次の電車(北海道風に言うと汽車)が10:30。その次が13:00と、地方都市における公共交通の現実を目の当たりにする。
新しい稚内駅は道の駅やその他公共施設との複合施設となっていたわけだが、そうでもしないと駅舎そのものさえ存続できないのかもしれない。

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北海道2日目のこの日の道北地方は、一日中雨予報。
その他の道内に降水予報は出ていなかったが、だからといって道北を素通りして次に向かうという選択は端から頭になかった。
道北こそは、driver’s heaven。たとえ悪天候であろうと、走り切るのだ。

稚内市街で給油を済ませ、まずは宗谷岬へ。
途中、道道1077号から道道889号を経由する。

D1077は宗谷岬をショートカットして猿払に向かう抜け道として、多くのダンプが行き交っていたが、D889は完全に単独行。
宗谷丘陵を貫く素晴らしい道なのだが、あいにくの空模様では、立ち止まって風に吹かれることもままならない。
晴れていれば、太古の昔に氷河が凍結と融解を繰り返すことで形成された、圧倒的に雄大な丘陵地形を堪能することができるだけに、残念だ。

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宗谷岬牧場を過ぎると、宗谷岬。
平日の朝、しかも雨となれば、いつもは多くの人で順番待ちとなる最北端の碑も、容易くフレームに収めることができる。

岬は早々に後にして、R238を猿払へ。
オホーツク海を眺めながら、ひたすらR238を行くルートももちろん素晴らしいが、道北へは走りを楽しみに来たのだ。
美味しそうな道があれば、迷うことなくノーズを内陸に向ける。

猿払から、道道138号〜道道121号で豊富方面へ。
適度にコーナーが連続するロングワインディング。これを求めて道北に来たと言っても過言ではなかったが、運悪くトラックの車列に捕まってしまう。
路面は決して穏やかでなく、アスファルトが波を打っている。その上にヘビーウェットの状況だから、無理な追い越しは禁物だ。

我慢の走りで道道84号まで。
ここから踵を返すようにして浜頓別に向かう腹づもりだったが、豊富温泉まで3kmほどと知り、久々に立ち寄ることとした。
旅の途中で温泉に入るという趣向はすっかり消え去っているのだが、豊富温泉の引力には今だ抗し難い。
「オイル風呂」と形容される、ねっとり濃厚な温泉は、石油にでも浸かっているかのような唯一無二の泉質。体臭を石油臭に変幻させて、道道84号を再出発。

豊富から浜頓別へと向かうD84は、道北の中でも特別タフな長距離ワインディング。
途中やや道幅の狭い区間があるが、それよりも路面のうねりや段差が多く、集中力を要する。
相変わらず雨粒が路上に多くの水たまりを生成し続けているため、タイヤのグリップやサスペンションの動きに神経を尖らせて突き進む必要がある。

こういったグリップが安定しない状況においては、デフの威力を感じずにはいられない。

満を持して昨年投入した機械式LSDは、ツーリング用途においても、ここまで十分に恩恵を感じることができている。
高速安定性への寄与はもちろんのこと、悪条件の路面状況下における安定性が素晴らしい。
トラクションの不安定さがなくなるので、リアに積極的に荷重をかける走りを楽しむことができるのだ。

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ひと頃昔は、普段使いには適さない、という印象が強かった機械式LSDだが、加工精度が上がったことで、一昔前のような扱いづらさも今はほとんんど皆無に近い。
メンテナンス頻度の課題だけクリアできれば、安定感のある上質な乗り心地を手に入れることができると言っていい。
もちろん、走り方も工夫しないと宝の持ち腐れにはなるが、R style的なカーライフであれば、戦力貢献は非常に大きい。

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どんな天候でも、長時間とにかく走り続けたい、走りを楽しみたい、というシチュエーションが多ければ多いほど、その恩恵は大きく感じられる一品である。

・・・・・・・

浜頓別からは、R238で枝幸へと向かう。
再び内陸のワインディングを求めて、枝幸から道道12号に入線。
歌登を通過して、R275。ピンネシリ岳の麓を走って、道道785号にスイッチする。

このD785は、北海道らしからぬハードな峠道。急勾配のコーナーが連続する。
デフの効果を感じ取りながら、その機能を十分に発揮すべくアクセルコントロール。濡れた路面に積極的にトラクションを押しつけていく。
一気に高度を上げたことで、峠付近は霧の中となったが、この空模様でわざわざ峠越えをしようという他車もなく、独り占めの贅沢なワインディング・ラン。

道道583号から道道541号と繋いだ後は、R40で道の駅巡りで締め。
美深からバイパスでショートカットし、この日の停泊地である名寄に到着した。

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旭川と稚内の中間に位置する名寄。停泊するのは初めての経験である。
いかにも北海道の地方都市と言った感じで、幹線道路であるR40から一歩入ったその先の寂れ感がなんとも言えない風情を醸し出していた。

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稚内に続き、今日もホテル飲みのつもりだったが、宿の近くが名寄の一応の繁華街風情だったので、近所の焼鳥屋に繰り出すこととした。
予備知識なく、当然予約もなく入った店だったが、次から次へと客が訪れる繁盛店だった。

特にこれと言った見どころに欠ける名寄という都市ではあるが、道内各地から仕事で訪れる出張客は多いようで、ホテルの駐車場は満車状態。
そういった客の受け皿になっている他に、地元常連客の交流の場ともなっているようだ。
もつ焼き1本90円という、取り残されたかのような物価水準も、繁盛の要因かもしれないが。

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人口の割にスナックが数多く軒を連ねる、北海道地方都市の繁華街。
今回のツーリングでの夜のパトロールは、行ったことはあるけれど停滞したことはない街、にフォーカスしていく。

 Posted by at 5:42 PM

  2 Responses to “北海道2023 〜雨中夢幻”

  1. 北防波堤ドームに稚内駅、物凄い強風が吹き荒れていたのを思い出します。
    豊富温泉の石油っぷりは是非体感してみたいです。湯治客も多く居られると聞きますから“本気の泉質”なのでしょうね。

    悪天候をものともしない走りで道道785へ行かれたとのこと、ルート決めの際に目にとまり、気になっていた道なんです。
    峠成分を補給できるということで、次回は取り入れてみようと思いました。
    そして予備知識無しの夜会の場選びで、しっかり繁盛店を当てられる嗅覚が羨ましいです。(笑)

    • 道道785号は初めてではない(前回の道東ツーリングでも走っているはず)のですが、やはり印象には残っていたようで、峠ではデジャヴュ的な走りを堪能できました。まぁ今回は、そういったルートの連続ではありますが。

      温泉レポはもうやる自信がないのでサラッとスルーですが(笑)、豊富温泉みたいな温泉は他にはないので、ぜひ体感してみてほしいです。
      入浴してみたかった旅館とは時間が合わなかったので、これまでのレポでも出てきている入浴施設を利用しましたが、今回は常連客御用達の湯治専用浴場を選択したところ、そのあまりの濃厚さにクラクラでした。
      ちなみにここ、ジンギスカンも有名ですので、行かれる場合は合わせてどうぞ。

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