3月 242012
 

上棟から約2ヶ月とちょっと。遂に足場がバレて、家の全貌が露になりました。

最後の大仕事、外壁の左官工事が終了。ベンドキャップなどの金属部品の取付け、サッシのクリーニング等の作業を経て、本日の午前、足場解体。
それまで覆いや支えが必要だったような状態から、自立して以後はじっと風雨に耐えていくことになると考えると、上棟同様、グッとくるものがあります。

外壁左官工事、かなりの難工事でした。
選んだ仕上材が、配合も塗り付けもかなりシビアな類のもので、前にも報告した通り、試し塗りで確認をしてその通りに塗っている(と現場は判断している)にもかかわらず、同じような仕上げになりません。

1日がけで塗った一面を結果的には塗り直すことになり、それでも上手くいくかどうかわからない状態だったので、左官職人は増員で計6人体制。足場上に6人が横並びに並んで上から塗り始め、徐々に下に下りてくる。左官屋の親方が見かねて出動し、地上から逐一指示をする、といった住宅工事にはあり得ないような施工体制でなんとか仕上げた、との報告を受けました。

それもこれも、通常なら避けられるムラを装飾とする特殊な仕上材であるということと、一面あたりの外壁の面積が大きいということが、工事を難しくした原因です。

でもこれは、あくまでデザイン上の意図があってのこと。

新築の外装はピカピカしていて当たり前かもしれませんが、自分の価値観では、そこは大して重要なことではありません。
最初はピカピカでも、そこから先は古くなっていくだけ、汚れていくだけ。最初が100で後は価値が下がっていくだけの存在に魅力は感じません。古くなっても、その古さがいいんだよね、って感じられる状態をむしろ大切にしたい。
20代の頃からずっと興味があって、R styleでも紹介してきた過去の建物や街並みに感じる価値観が、自然とそういう思いに繋がり。。

新築でそれを表現するのはなかなか難しいですが、今回の回答は、この左官材でした。
左官のコテの塗り具合でムラを誘発するので、手仕事の跡が目に見えて残ります。均一性を否定し、あたかも汚れか不良品か(!?)というような模様を敢えてデザインとして取り込むことで、新品なのにそうじゃないような感覚を誘発させることを狙いました。

あまりにもムラが人の手に依るので、人単位の工区ごとでハッキリと色ムラがわかってしまいます。普通なら施工不良と呼ばれてもおかしくない次元(実際、工務店は心配していた)ですが、それもまた味。意図のあるデザインだから、こういう仕上りもアリだと思うのです。

そしてその手跡が、どこか暖かみを感じる仕上げになるというところもポイント。
最初のイメージで、「山小屋」というのを紹介したと思います。都会における「山小屋」を表現するための仕上げと形態。その回答でもあります。

シンプルな形態が大きな壁面となり、そこに表現されるのは手跡のある仕上げ。
家を計画する時、最初にイメージしたものに、最後は立ち返っていく。
自分なりの手法で表現をしてみた結果のひとつが、この外装デザインです。

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 Posted by at 5:11 PM
3月 242012
 

忘れてたけど、car pitの塗装工事終了。天井と一部壁、棚までall blackです。

ただのガレージではない雰囲気、徐々に現れてきたかな。

 Posted by at 2:29 AM
3月 242012
 

内装のクロスが張り終わると、急に内部空間が明るくなりました。
白系のクロスで覆ったので当然ですが、明るさと共に、空間の形態もはっきりと認識できるようになってきましたね。

 Posted by at 2:21 AM