【県道339号 ミルクロード】延々と続くワインディングロードの先に夕陽が沈む。景色もワインディングも最高のstage、それが阿蘇。
阿蘇登山道路に向かう国道325号からの阿蘇山の眺望は素晴らしかった。
不思議なことに後になって気付いたのだが、ドライビングビューにあまりに集中していたからか、この抜群の眺望を収めた写真が1枚たりとも残っていなかった。
この時を境に、天気は徐々に下り坂となっていったので、スカッと晴れた阿蘇の写真は今回もナシ。不覚。
登山道路に入る頃には、そろそろ夕刻かという時間になっていたので、走っているクルマもまばらだった。
阿蘇のワインディングはどこを走っても楽しい。登山道路は特に、外輪山とカルデラの農地の風景が楽しめるのがいい。
山頂近くの牧歌的風景も格別。
立ち止まって写真撮るってことがあんまりなかったけれど(初めて訪れた時以来じゃないか?)、ちょびちょび停車して阿蘇の風に吹かれてみた。
草千里にはさすがに、馬だけでなく人がいた。修学旅行生が大半だけど。
考えてみると、いかにも観光地っぽい草千里で立ち止まって歩いたことってないかもなぁ。山頂の火口に行ったのだって最初だけ。
お決まりのスポットに行かずとも、存分に楽しめる要素が詰まってるってことかな。
阿蘇南側山麓の走って楽しい豪快なワインディングロードはもちろん好きだが、阿蘇駅に向かって下りていく北側山麓のルートも、異なった趣があってとってもいい。
外輪山を遠目に、牧場の中を横断していく。道路の脇にはのんびりと草をはむ牛たちが。大きな排気音でびっくりさせない程度のスムーズな走りが、この道にはよく似合う。
登山道路を下り切った所に阿蘇駅があり、その真ん前に道の駅があったので本能的に滑り込んだ。
なんせ阿蘇、とゆうか熊本のど真ん中。いろんな珍しいモノが揃っている気がしたからだ。
ただ、これが仇となって、直後の行程に影響を及ぼすことに。。
外輪山に日没を眺めようと思っていたのをすっかり忘れ、特産品選びに勤しんでしまったのだ。
走りまくるツーリングにあるまじき失敗! 店先に立つくまモンの存在感に、冷静な判断力を失ってしまったのか?(笑
時刻は17時をとっくに過ぎている。決して日の長くないこの時期だと、もう絶望的・・・
諦めずに走る。
外輪山への最短路として、国道212号をひた走る。
阿蘇カルデラの巨大さが、こんな時に身に染みて感じられる。走れど走れど、外輪山はまだまだ遠い。 。
やっと外輪山の斜面に取り付いたと思ったら、今度はトラックの洗礼。
空荷でそれなりのペースで走ってくれていたが、幾分急ぎ足のS2000では相手が悪い。ディーゼルエンジンの排気を一身に受けながら、急勾配を駆け上がる。
麓では一度外輪山に沈んでしまった夕日が、ワインディングを駆け上がるにつれて再び顔を現した。
雄大な阿蘇のカルデラが、オレンジ色に染まっていく。
登り切ったところで、外輪山の尾根筋を走る県道12号を西の方角へ。
今にも草原という海原に落ちてしまいそうな火の玉を掴み取ろうかとする勢いで、アクセルを踏み込む。
が、ここでもトラックの洗礼。。
ミルクロードに折れたら視界は開けたものの、日没をゆっくり眺められて写真も撮れるような良いスペースが見つからない。
火の玉がいよいよ地表に触れようかと・・・した瞬間に、瞬時の判断で道端の空きスペースにエスを停車。大急ぎで撮った記念写真が冒頭の写真。。
道の駅で道草食ってなければ、落ち着いてもっといい景色を愛でられたはず。まぁでも一応ギリギリセーフってことで(;
何でこんなにも慌てたかって言うと、明日になると天気が崩れるってことがわかっていたから。少しでも状況が良い時に、見ておきたいものは見ておきたいでしょ。
でも、天気が悪くても訪れるだけの魅力が、阿蘇にはある。
一縷の望みに賭けて、明朝阿蘇に再訪することは心の中で決まっていた。