8月 052023
 

2023 08 04 01

今回の北海道Touringでは、新日本海フェリーを選択した。
R styleのツーリングレポートでは、おそらく初登場のはず。R styleが生まれる以前は何度も利用していたが、あれから四半世紀の時が経つ。
船体も新しく入れ替わっており、散々雑魚寝で時を過ごした思い出の2等船室は、全くその面影もなく、豪華絢爛な客船へと生まれ変わっていた。

新潟港を正午に出ると、小樽港へは4:30に着く。
車両を搬送すれば、そこそこの運賃を要するが、1泊の宿泊代、高速代と燃料代を考えると、コスト面では変わらないという見方も。
特に道北を目指すなら、新日本海フェリー航路は有効な戦略のひとつである。

2023 08 04 02

小樽港からR5、R337、R231と繋いで、北上ルートを取る。
しばらくはフェリーのトラック甲板仲間である低床車とのランデブーが続くが、早朝のセイコーマートに消えたポルシェを最後に単独走となった。

留萌へと続くR231は断崖絶壁の海岸線ルートとして秀逸だが、盲目的に走り続けるのもつまらないので、厚田で道道11号にスイッチ。
平地を過ぎると急激に獣臭くなっていく。
ふくろう街道と名の付いた道道28号に繋いでいくが、残念ながら終始前走車を追いかける形となってしまった。

R451を経由してR231に復帰。雄冬岬近くの駐車スペースで小休止。
今回のツーリングの特に前半は、こういった感じで無駄に脇道に逸れることを、むしろ積極的に選択することになる。
ただ北海道を周回するだけのドライブはもう十分なので、走りたい道を走ることにこだわってみたいのだ。

2023 08 04 03

廃駅となった留萌線の増毛駅に行く。
役目を終えた駅舎は、どことなく観光地としてお化粧がされた風情となっていた。
現役の本物感が失われ、それに伴い、街の表情も変わっていく。地方の街の性ではあろうが、少々切ない光景である。

増毛から留萌は目と鼻の先だが直接向かわず、かねてより走りたかった道道94号に入線する。
暑寒別岳の北山麓を走る、原生林の中を行く道。その地理的ポジションと、ただひたすらに何もない中を行く線形に惹かれていた。

十分な道幅を持って、ただひたすらにストレートが連続する。視線の彼方に消失点があるような山中の道は、これこそ北海道、と言えるような道。
ステアリングを切って楽しむことができないのであれば、このルートの選択は個人的にはいまひとつとなるところ。
ただ途中の御料峠の前後では、ブレーキングとコーナリングを楽しむことができたことで、この道の面目は保たれた。
まったくと言っていいほど交通量もなく、孤独感で締め付けられそうなほどだが、この感覚を求めて北海道にやってくるのであれば最適のルートである。

R275空知国道に到達した後は、しばらくの間、内陸の道の駅巡り。
今回の旅も道の駅ハンティングを兼ねているので、どう考えても走ろうとは思わない内陸の幹線道路も時折登場することになる。
北竜、雨竜、滝川、深川、秩父別と巡り、R233で留萌へ。

2023 08 04 04

留萌市街でちょうど昼前。北海道の味覚を味わう。
市街地にある「蛇の目」で食らう寿司は、その名も「蛇の目スペシャル」。
1日限定10食の最後の1食にありつけたということは、この先もきっと想い出深い出来事が起こり続けるに違いない。

留萌から小平の道の駅に向かうが、日曜日の昼間ということもあり交通量が増大し、日本海を行くR232は乗用車と農耕車で数珠繋ぎ状態だ。
加えて、北海道らしからぬ暑さ。気温は裕に30℃を超え、本州ばりの熱気にたまらず水分補給。
日本最北部まであと180kmとは思えない気候状態。この状態でジリジリと北上する選択肢は無い。

少し戻って、小平の街中から道道126号にスイッチ。
走っても走っても現れる集落や民家をパスし、小平ダムを過ぎたら道道742号。
本日3本目の、北海道深淵部を走る道道アタック。当然、ほかを走るクルマは皆無の状態で、思い切りコーナリングを楽しむ。
のだが、動物が怖いのでほどほどに。ブラインド以外でも急な飛び出しがないとは言えないだけに、ある意味、街中より神経を使う。

ワインディングとしては、その後スイッチしたR239も合わせてso good。
照りつける日差しもひととき忘れるほどの体験に、十分満足した。

2023 08 04 06

R232に戻り、北上を再開。
道の駅に寄りつつ、天塩まで行く。

苫前から天塩までの区間は、これぞオロロンラインという絶景の丘陵が続く。
走っても走っても距離が詰まらない感じがするのも、また一興。

天塩からは、道道106号。
いつもと同じと言われればそれまでだが、これは王道。何年かに一度の道北なら、やはり外せない。
サロベツ原野をただひたすら貫く道は、異世界への入口と言っても過言ではない情景に満ちている。
しかもそれが、黄昏の刻ならば。

2023 08 04 05

ただ走り抜けるだけでは惜しいので、原野を散策する。
散策路が整備されている長沼周辺をのんびりと。

闇の帳に支配される直前の時。
原野の只中に佇む我が身は、周囲の自然に飲み込まれそうな錯覚に包まれる。

どこまでも続くかのように思えたサロベツ原野は、稚内の丘陵で途絶えた。
ノシャップ岬を回って稚内市街に到達。濃厚なワインディングもあり、1日に走った距離は600kmに迫る勢いだった。

 Posted by at 2:52 PM