8月 162023
 

2023 08 10 03

北海道4日目は、網走から出発。
朝のR244を、トラックと隊列を組みながら斜里方面へ。

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並走する釧網本線は、味のある駅舎ばかり。
前回は藻琴駅に訪れた記憶があるが、今回は止別駅に。

情緒あふれる喫茶が併設された藻琴駅に対し、「ラーメン喫茶」という興味深い響きの止まり木が、この駅にも併設されていた。

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旅人を乗せた単編成の車両が、網走方面からやってきた。
ディーゼル機関が発する音圧は、汽車というよりバスやトラックに近いにもかかわらず、その佇まいが旅情を掻き立てる。

停車中の車両の乗客に、この近くの住民と思わしき女性たちがホームから手を振っている。
これも日常の光景なのだろうか。

オープントップのS2000を見て「暑くないの?」と訊かれたので、「そりゃ暑いですよ」と応えた。
網走にいるとは到底思えない、熱気を帯びた朝の一時。

 

トラックが行き交う朝の国道を避けるように、海側の道を選んで斜里を通過。
R334は知床国道。澄んだ青い空と濃く没むような青い海のコントラストに目眩を覚えるほど感覚中枢を刺激されながら、知床横断道路へ。

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知床の雄、羅臼岳は圧巻の存在感。
頂に悠々と雲を携えた山塊が、コーナーを抜けるごとに眼前に迫りくる。
その迫力たるや。

あまりの迫力に、時間を忘れて見入ってしまう。
頂上を覆い隠す雲は、刻一刻と流れ形を変えていくが、一向に消え去る気配はない。
風上の斜面から次々に雲が生成される様に気を取られ、時間だけが過ぎ去っていく。

ワインディングとしての知床横断道路も、その走り応えは超一級。
2速をリミットまで使い切り、3速、4速とパワードライビングするも良し、高めのギヤで高速コーナリングを堪能するも良し。

迫りくる連続コーナーとダイナミックに展開する景色のコンビネーションは、北海道随一と言っていい。
ここまで晴れた天候の中で走ったことが無かったからかもしれないが、感動と言っても過言ではない体験だった。

 

知床峠を降りると、羅臼の街に入る。
道の駅で大休止し、R335を標津方面へ。
道道1145号で逸れるまで、奈良ナンバーのS2000とランデブー。初期型の白、社外ボルドー幌を纏ったセンスの良いS2000だった。

道道975号に入ると、突然の大雨。
空は晴れているように見えるが、局所的に発達した雨雲の下に入ると、大粒の雨が屋根のないオープンカーの頭上を容赦なく襲う。
それなりの速度が出ていれば何とかなる?が、前方を塞がれると悲惨。前走車には申し訳ないが、先を急がせてもらった。

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やってきた開陽台からは、先程襲撃を加えた雨雲たちが、広い空を漂っていた。

虫(アブ?)の大群に纏わりつかれ、早期の退却を余儀なくされたが。。

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開陽台からは、中標津の街へ。

おそらく前回の道東ツーリングでも登場している、中標津の回転寿司屋に再訪する。
当時よりちょっとだけパワーダウンしたような気もしたが、それでも平均以上。内地の回転寿司とはワケが違う。
この地域でしか巡り会えないようなネタと値段に満たされて、中標津を後にする。

中標津から道道で海側に抜け、R244へ。
厚床でR44。根室方面へと向かい、定番の納沙布岬へ。

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この日は移動距離も多く、目的地から外すことも考えていた納沙布岬だが、やはりここまで来たら除外することはできなかった。
先端に行き着くことから逃れることができないのは、ツーリストの性なのか。

根室に戻って、道道142号。
どちらかと言うと、ここからこのルートを取るために根室に来たと言った方が正しいかも。
北太平洋シーサイドライン。根室〜厚岸間を結ぶ、北海道の中でも指折りの快走絶景コースだ。

その魅力は、一言では言い表せない。
北海道らしい雄大な海岸地形を這う道路の線形はもちろん、北部太平洋の荒いようで静かな波形と取り巻く豪快な地形。
サロベツ原野にも劣らない雄大さを誇る霧多布湿原や、太平洋の只中に投げ出されたかのような孤独感を覚える絶景の霧多布岬。

底知れない魅力に酔うように走り続け、気が付けばどこかに立ち寄ることも忘れ、ひたすらに地平を追い求めていた。

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厚岸の道の駅に立ち寄り、この日最後の小休止。
駐車場は車中泊の陣取りで満車状態。旅の非日常感が、生活感満載に切り替わる瞬間。

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厚岸からR44に出てしばらく走り、再びD142北太平洋シーサイドラインへ。

R44の交通量から打って変わって、誰もいない異世界へと続く道。
そこにいるのは、エゾシカ、キタキツネ、そしてカラスの群れ。
陽も傾き、動物の気配を気にせずにアクセルを開けタイヤを路面に押し付ける時間は過ぎつつある。

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釧路に着いた。

本日の宿は、幣舞橋の袂という極上の立地。
もっと簡易なビジネスホテルで良かったが、この日は釧路の繁華街で旅情を楽しみたかったのだ。

2023 08 10 11

北海道の中でも有数の都市である釧路の繁華街は、街の規模に比例して賑わいを保っていた。
いくつか候補のあった中で、気軽な大衆酒場へと足を踏み入れる。
あっという間に夜の帳が降りていくのも知らずに、この日も呑んで食べて。。

それは別に釧路ではなくても同じ行為なのだが、この場所でこの空間でこの時間をいろんなものと共にすることが旅する者にとって重要なのではないか、と勝手なことを今日も思いつつ、この日を終えることにした。

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 Posted by at 10:46 PM