10月 052016
 

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国道341号線は、まさしく山岳ハイウェイだ。
田沢湖からダム湖を横目に山々を貫き、玉川温泉を経て八幡平の麓へ続く数十km。無心で走れる素晴らしい高速ステージ。
ここのところ走っていなかったので、久しぶりに訪れてみたくなったのだ。

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田沢湖も乳頭温泉郷も無視して(笑)、ひたすらR341に食らいつく。
トンネルが連続するダムサイト区間は、頭上から降り注ぐ官能的な排気音に酔い痴れ、これでもかとアクセルを踏み込んでいく。

宝仙湖を通過し、廃墟となり果てた新鳩の湯温泉を横目に、脇を流れる玉川と並走する。
その玉川と別れを告げると、タフな登坂路が始まり、イモムシが寝そべっているかのようなスノージェットが連続して現れる。

気持ち良く走り続けていたのだが、何としたことか、路面は一瞬にしてヘビーウェットに。。

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更には、工事による片側交互通行区間も頻度多く出現し、走りを楽しむチャンスは尻すぼみ。後半は我慢の連続だった。

玉川温泉を通過した後、県道23号へスイッチ。
言わずと知れた「八幡平アスピーテライン」。八幡平の頂上付近を通過する、日本有数のスーパー山岳ワインディングだ。
テクニカル系ワインディングコースの中でも、お気に入り度ではかなり順位の高いアスピーテライン。
その魅力は、圧倒的な景観と、目まぐるしく変わるコースバリエーション。走って楽しい長大ワインディングの代表格なのである。

時刻は既に昼を大きく回っていたが、R341での雨がアスピーテラインの路面も濡らしていたおかげ?で、走っているクルマはほとんどいなかった。
その代わり、高度を上げるほどに霧が濃くなり、頂部付近では一寸先も見えないほどの濃霧の中を突き進むことになってしまった。

県境の見返峠から、アスピーテラインをいったん離れて「八幡平樹海ライン」へ。
麓の松川温泉と繋がるこの樹海ラインが、アスピーテラインに代表される八幡平エリアのワインディングの魅力を、一層深いものにしている。
むしろ樹海ラインこそが、八幡平でもっとも走り甲斐のあるコースかもしれない。

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見返峠から藤七温泉までの低速コーナー区間をそろりと抜けたら、視界はクリア。ただし路面はウェット。それでも臆せずアクセルを踏み込んで、エンジンの目を覚ます。
中速コーナーが連続する壮絶なダウンヒル。フルスロットルは恐ろしい。だが、過剰なスピードはいらない。荷重移動によるリズムに身を委ねたdriving funを感じることこそが、ワインディングドライブの醍醐味なのだから。

夢中でコントロールを楽しんでいると、あっという間に麓の松川温泉に辿り着く。森の中から、地熱発電所の湯気がもうもうと立ち上っている。
ここで休むことなく、迷わずUターン。お次は逆走、ヒルクライムだ。

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ここまで重力に抗せず転げ落ちるように下ってきたコースは、ハードな登坂路に変貌する。
今度こそは、アクセルを思い切って踏みしめる。S2000は、カタパルトから打ち放たれたかのように、八幡平の山中に向かって猛進を始める。

レッドゾーンに向かって昇天するかのごとく快楽の声を上げるF20C DOHC VTEC
ブレーキングで重心の位置を変えた後、ステアリングできっかけを作ることでコーナリングフォースを得る。
前後重量配分に優れたシャシーは、一連の操作に忠実に反応し、無駄のないラインを辿って滑るようにコーナーをクリアしていく。
再びエンジンに鞭を入れ、リアタイヤを潰さんばかりにグリップを与えながら加速、間髪入れずに次なるコーナーへと飛び込んでいく。

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ストレート区間でスピードを楽しみながらも、連続するコーナーでコントロールを楽しむこともできる、素晴らしいコースレイアウト。
それは、ビーナスラインに急激な勾配を与えたかのよう。走りを楽しむドライバーを心底楽しませてくれるのが、八幡平樹海ラインというコースなのだ。

見返峠に到達した後、アスピーテラインを岩手側に下りたが、柏台、松川温泉経由で更にもう一回、ヒルクライムを楽しんでしまった。
残念ながら天候は回復することなく、標高の高い場所では強雨に晒されて、眺望はまったく楽しめなかったのだが、走りは存分に楽しむことができた。
まるで「朝練」スタイルそのままに、遠征で放課後練習したような気分。いやぁ、実に気持ち良かった。

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 Posted by at 11:10 PM