5月 142017
 

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翌朝は前日の節制?が実り、予定通り6時にスタート。
ホテルの提携駐車場を出てすぐの、元町交差点でステーティンググリッドに立つ。

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正面の青看にある通り、国道438号と国道192号がここから分岐しているように見えるが、実際のR438の起点はこのもう少し東側の徳島本町交差点だ。
徳島本町交差点から元町交差点までの数百メートルは、昨日走っているから良しとして。。

何を拘っているかというと、本日のお題が「国道439号」だからだ。
徳島市起点のR439は、四国の中枢部を横断しながら、終点の高知県四万十市まで続く。
総延長約350kmという四国でも有数の長さを誇る国道である以上に、いわゆる「酷道」の代表格として名高いルートだ。

本日はこのR439を、1日をタイムリミットに走り切ってしまおうという、チャレンジングなテーマを掲げたのだ。
何しろ相手は、日本有数の「酷道」である。そんじょそこらの350kmを走るのとはワケが違う。
しかもマシンは完全オンロード向け戦闘機(笑)、S2000。果たして完走は可能なのか・・・

R192から分岐するR438をそろりと出発。R439は当面の間、R438と重複する。
重複区間の国道番号は通常、若い番号しか表示されることがないので、しばらく439の数字を目にすることはない。

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徳島市街はあっという間に抜けてしまい、いきなりとても寂しい道になってしまう。
川沿いの農村を見ながら進んでいくと、佐那河内村という聞いたことのないレア物の村内に進入。
走り出してまだ30分なのに、早くもこんな道。先が思いやられる、じゃなくて楽しみになる(笑

ただ、佐那河内村から隣の神山町の中心部付近に至るまでは、予想に反して概ね快走区間だった。
どんよりとした空に気分は晴れないが、エスのエンジンは軽やかに回り、気持ちのよい排気音がコックピットを包んでいる。

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神山でコンビニ休憩。たぶんこれが最後のコンビニになるのでは、という予想から早めのピットイン。
予想は的中で、この先でコンビニを見た記憶は残っていない。いよいよ深層部に入っていく。。。

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R439は四国を横にぶった切るルートであるため、結構いろんな国道と交差し、会っては別れを繰り返す。
最初に出会うのは国道193号。高松から徳島南端部までを縦走する国道だが、その大半がR439と同様の狭路。
一瞬の重複を経てまた別れるわけだが・・・

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その交差点の寂しいこと・・・てかこれ、国道同士の交差点か?
R439(表示はまだR438)は完全に脇道である。表示がなかったら絶対に入り込まない様相だ。
ここからそこそこの狭路を登っていく。初の明確な峠越えである。

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途中の写真がことごとく手ブレしてたので、いきなり峠のトンネル。
トンネル名称の通り、川井峠だ。

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トンネルを抜けると、いきなり景色が変わる。高所感バリバリの景色が展開する。
もっと驚いたのは、こんな通るクルマも皆無な峠道の頂上に、「中華そば」の幟の立った食堂があったことだ。(荒川食堂、というらしい)
四国にはよくある風景で、尾根筋や山の斜面にも、平気で人が住んでいる。
何かの本で知ったところによると、元々尾根筋に道があった名残り、ということらしいが・・・

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更にもうひとつ、四国ならではの風景。国道の路面に描かれている、距離数字ペイント。
全部に描かれているというわけではないが、結構よく見かける。
災害時などに、上空から特定の地点を把握しやすくするため、というのを聞いたことがある。

峠を一気に下って谷間に出ると木島平。ここで国道492号と離合する。
ここからちょっとだけ2車線の快走路が続いたが、すぐにまた峠道が始まった。

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今度の「見ノ越」峠は長い。ウネウネのたうつ山道に沿って、ステアリングを右へ左へと切りまくる。
見ノ越まで◯kmという表示看板がご丁寧に逐一現れるが、一向に数が減っていかない。

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何とかかんとか高度を上げてくると、今度は断崖絶壁の狭路である。
それだけだったらまだいい。路面が悪過ぎ。デコボコな上に落石がゴロゴロ。
ある所では、エスでは到底跨ぐことのできない大きな石が道路に落下しており、わざわざ降りてどかさなければならないような状況も。。
いよいよ、R439が牙を剥くのか。

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目の前に広がる空が大きくなり、眼下の谷間がまったく見えないほど高度を上げ切ったところで、突如として現れるトンネル。
何気なく潜ると・・・そこには目を疑う風景が・・・

ここで不覚。トンネルの向こうに現れた風景にあんまりに唖然として、写真を撮り忘れることに。。。

何が目の前に現れたかというと、連なる土産物店、大勢の人、クルマ。駐車場(なんと立体駐車場まである)に誘導する誘導員の人々・・・
こんな山奥、峠の頂上に、いきなり観光地らしき風景が現れたのである。さっきの峠の食堂なんて可愛いもの。それまでのハードな道のりを考えたら、全く理解できない光景だ。
言うなれば、「千と千尋の神隠し」のオープニングで、迷い込んだ先に出会う風景。体感的にはあんな感じである(笑

詳しく知らなかっただけなのだが、ここ見ノ越は、四国第二の高峰「剣山」への最短路の登山口なのだった。
連休初日のこの日、しかも午前という時間帯。百名山のひとつでもある山の登山口に人が集まるのは、ちっとも不思議なことではない。

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その見ノ越で、遂にR438との重複区間から外れる。
頂上の峠から分岐して、いよいよ(ようやく)R439単独区間。
ちなみに別れたR438は、この後吉野川に下りて、坂出まで至るという謎のルーティングを誇る迷道だ。

見ノ越の下りは、比較的平和だった。
見ノ越登山口には、ほとんどR438の北側(貞光側)から来るクルマがほとんどだろうが、多少はこちらのルートを通って来るクルマもいるということだろうか。整備度合いも、東側とはエラい違いである。

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剣山を水源とする祖谷川沿いに下っていくR439。途中で、奥祖谷かずら橋の表示があったので、立ち寄ってみた。
祖谷渓近くの西祖谷かずら橋とは別物。あれのもっともっと奥地に潜む、二重かずら橋である。

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と、こう書いてあるので、ずんずん谷間に下りていく。
山深い四国、こういうシチュエーションもあろうかと、トランクにはライトトレッキングシューズを忍ばせている。(そんな悪い道じゃなかったけど)

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二重なので、橋は2本あるんだぜい。
ん?野猿とは、はて?

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見えてきた。まずは男橋。

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まーこんな感じである。
強固な鋼製ワイヤーが仕込んであるのが見えるので、強度的に不安はないというのが、見る人が見ればわかる。
ただ、荷重がかかると揺れる、メキメキ鳴る、足元がスカスカなので、高所が苦手という人には向かないだろう。

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自分は、職業柄?この程度なら案外ヘーキである。
子供の頃は、公園のアスレチックすらできないほどダメだったんだけどなぁ。

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下流側の渓谷が美しい。祖谷ブルー!?
真夏なら泳いでもいい感じ。

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男橋に対して、上流側にある女橋は低い位置にある。
男橋の高さがダメな人は、こちらが吉。 

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ところで、最初の案内板にあった「野猿」って何?(猿のいる公園のことか?)って感じだったが、こういったものだった。

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両岸に渡されたワイヤーに取り付く簡素な箱。ここに乗って自力で対岸に渡る、いわば人力ロープウェイである。
乗車定員3名とあるが、バランスも考えたら実質2名ではないかと思われる。

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ここまで来たら、なので乗ってみたが、なかなかに面白いアトラクションだ。
ロープを引っ張る腕力は思ったより必要なかったが、重力で真ん中まで勝手に動いていってしまうため、途中で疲れたとなったら引き返すことができなくなる。
ま、そんな人あんまりいないだろうけど。

岩手の一関辺りに、客席までこれに団子が乗って運ばれてくる茶屋があったが、人が乗れる(しかも乗り放題)本格的「野猿」(←一般名称らしい)があるとは知らなかった。

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こんな景色も間近に見られる奥祖谷の二重かずら橋、R439走破中ながら、なかなかに楽しんでしまった。

 

(長くなってきたので、R439の続きは次回)

 Posted by at 6:21 PM

  4 Responses to “四国四都物語 〜激走!S2000でR439完全制覇(前編)”

  1. すっかり出遅れてしまいましたが(汗)楽しみなレポートの始まりにワクワクしております。
    前回のエントリで「冒険」とありましたので、アドベンチャー感炸裂な道へ行かれるのではと予想しておりましたが、なんと“与作”さんを全線走破ですか(震)
    快走路を交えたドライブでも1日300kmも走れば(私は)なかななにお腹一杯になりますから、常人には真似のできないチャレンジだと思います。

    『男橋・女橋・野猿』の看板、個人的にちょっとツボです。
    橋、橋、で、いきなり猿ですからね(笑→汗)
    面白そうなアトラクションなので、私も乗ってみたいです!

    • 今回、四国は四都を巡ることをテーマに据えておりましたが、R439は裏テーマ、この旅の中で成し遂げたかったことのひとつでした。
      ただでさえ酷道として名高いR439だけに、そこをS2000で走破しようっていうところにバカさ加減、ではなくロマンを感じた次第です。
      ただ、オススメはしません(笑

      二重かずら橋は、走るツーリングには特段の関係のないオマケですが、長距離狭路ツーリング中の息抜きにはなりました。
      野猿が乗り放題、なんて場所はそうそうないですから、近くに来た際はマストです(笑

  2. こんばんは。
    チャレンジしますねぇ。私も似たようなことを過去にやりましたが、R438との重複区間は通行止めで、走れませんでした。なので、レポートの後半に触れられているように、R438単独区間(北側)から見ノ越にアプローチしました。

    おっしゃる通り、あんな道なのに観光地なんですよね。北側のR438沿いにはスキー場もあって、積雪したあの道を走ると思うとTTRSをもってしても、行きたくないと思いました(笑。

    途中の快走路でS2000が水を得た魚のように走る姿を今から想像しています。

    • S2000だからこそチャレンジだっていう意味は、走ったことのある方なら、おそらくわかっていただけますよね(笑
      路面状況が良いわけではなく、かと言って廃道寸前なほど荒れ切ってもいないという絶妙さ加減。S2000で走破できるギリギリの線かもしれません。少なくとも悪天候の中では走りたくない。そう思っていましたが、最後の最後に試練が待ち受けます。

      「途中の快走路」はご想像の通り。こちらも「後編」に登場予定です。

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