2月 192012
 

今週は大工さんが別の現場に応援に行っていたので、あまり進んでないのかと思ってましたが、既に床材が張り終わってました。
先週来た時には、材料が搬入だけされていて、張り方を打ち合わせてたんですが、やり始めるとあっという間なんですね。仕上材なので、当然全面養生してあります。壁際にちょっとだけ露出しているところを狙って撮影。全面が仕上がった状態は、竣工近くまでのお楽しみです。

床材は、無垢板のフローリングです。
富山の家の改修を手掛けた時もそうでしたが、板張りの床にする場合は、必ず無垢材としています。

無垢材とは、樹木を製材し乾燥させた床材のことで、純粋な自然素材です。洋間が主流になった日本の家では、どの家でも木の板の間はごく普通に見られますけど、無垢板を使っている家はあまりないと思います。合板に薄くスライスした製材を張ったもの、いわゆる合板フローリングであることがほとんどです。

無垢材は自然素材であるため材にばらつきがあり、節があったり色がまちまちだったりして均一性がありません。また、木は温度や湿度によって伸び縮みするので、季節によってフローリングに隙間が生じたりします。
そういったことがネガティブに捉えられ、クレームの原因になるからか、特に施工する側はあまり採用したがらない傾向があります。
住み手側もつくる側に「フローリングですよ」と言われて、合板フローリングを盲目的に「木の床」と思い込んでいる(確かに木製の床ではあるけれど)ケースが多いんではないかと。

でも、そういった一見ネガティブな特徴も、逆に無垢材の個性であり、「特長」であると考えています。

自然素材なのだから、均一性がなくて当たり前、季節によって生き物のように収縮するのも当然のこと。
それよりも、無垢材にしかない肌触り、温もり、質感などといった価値の方がはるかに大きい。
もちろん高価だけれど、常に肌に触れる部分でもあり、年月が経つと却って味が出てくることを考えれば、コストをつぎ込むだけの価値があると思っています。

ちなみに無垢材の樹種はブラックウォルナット。米国産のクルミの木です。
濃い目の色合いで、硬めの感触。硬質なだけに施工は大変で、大工さん泣かせです(笑
無垢の特性を享受したいので、当然ながら無塗装品。これを富山の家同様、蜜蝋ワックスで仕上げようと考えています。

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