2月 022012
 

しばらく工事進捗を紹介していませんでしたが、現場の工事は着々と進んでいます。
ただ、これまでみたいに劇的に何かが変わる、というような進み方ではないんですが。
ここしばらくで進んだ工事の中で、まずは屋根についてご報告。

屋根が仕上げまで完了しました。
躯体やこれから進んでくる内装、設備を濡らさないためにも、早めに仕上げてしまいたかった部分。

屋根の素材としては、ガルバリウム鋼板という金属板を使用しています。ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛の合金メッキした鋼板のことで、重量が軽く加工がしやすく、それでいて価格もそれほど高くないので、建材としては非常にメジャーな素材。
ただ、住宅の屋根素材としては瓦や人工スレート(カラーベストやコロニアルのこと)が一般的で、ガルバの屋根(金属屋根)はグレード的にはそこそこ良い方です。グレードには、見た目的なものに加えて、屋根として肝心な防水に対する信頼性という部分も含まれます。

そのガルバリウム鋼板の平板を屋根勾配に沿って葺くわけですが、R style Houseの屋根形状は、厳しい高度斜線の影響で、片流れの勾配が2種類に分かれています。
細かい説明は省きますが、板金で屋根を葺くにはちょっと悩ましい形状でした。漏水は絶対にあってはいけないことなので、不確実な板金加工は避けなければなりません。

設計当初は瓦棒葺きという工法で屋根を葺くことにしていましたが、それだと勾配が変化する線(山折れ部分)でどうしても板金加工に頼らなければならず、せっかく金属屋根を採用しても信頼性の面でイマイチでした。

解決策を保留にしていたところ、板金屋さんから提案が。
水上の緩勾配部分はハゼ葺き、水下の急勾配部分は一文字葺きとし、山折れ部分は捨て板金を重ねて処理するといったもの。見た目的にはイマイチですが、常時目立つところでもないし、性能重視でその工法でお願いしました。

言葉で書いても???なので、写真に撮ってお見せしたいところですが、実際に確認してないので・・(階段もない仮設足場で屋根に上がるのは結構危険で、現場に迷惑がかかるので、ね)
ずっと離れたところから望遠で仕上がりを眺めてます。

Continue reading »

 Posted by at 8:23 PM
2月 022012
 

立面計画とはすなわち、外観のデザインのことで、いちばん想像しやすいけれど、何もない状態から生み出すのは結構難しい計画でもあります。

立面も断面同様、プランを考えるのと同時並行で進めていきました。
間取りだけを考えていると、立面は無秩序に配置された窓だらけな壁面になってしまいます。どこにどれだけの開口が出てくるのか、常に頭の中で想像しながらプランを考えていくこととしていました。

一方で、あまり凝った立面デザインにしたくない、という気持ちもありました。
極力シンプルな外観とするのがコンセプト。
ただ、シンプルと言って無表情にするのではなく、要素を限定することで、凛とした佇まいを表現したいなと考えていました。

特にこの家は、設計コンセプトから「基地」と「山小屋」というイメージが導き出されていたので、それらのイメージを外観にも表現する必要があり、そこから華美なデザインを排除した要素限定的な表現が自ずと求められていた気がします。
家の佇まいが、都会に住むための基地のような機能的でかつ遊び心に溢れていながら、どこか優しく包み込み教習を覚えるような山小屋のような存在であること。
それを形態と素材で表現することが、立面計画でもっとも重要視したことです。

形態は自然とシンプルな、片流れの屋根を持った箱状のものにすんなりと決まりました。
複雑な形状を強要するような敷地形状でもなかったし、単純な形は構造上有利にはたらき、余分なコストもかからないというメリットも考慮しました。

ファサードに表出する要素としての材料は、壁面を覆う材料に関しては1種類に限定し、色分けしたり模様を変えたりといったことはしないことに。
ただ、単一の材料でのっぺりとした表情にならないよう、テクスチャー豊かに感じる素材、模様を採用したくて塗り壁にするという方針はかなり早い段階で決めていました。
(サイディングのフェイク模様や目地がキライである、というのも大きな理由でしたが)

 Posted by at 7:19 PM